夕方の市街地中心部へ… 土曜日ということもあり、道中の交通量は少なかった。が、最後の最後、終点を目前にしてプチ渋滞にはまってしまい、バスはノロノロ… その時、数十メートル先の“降車所”に立っている人影が見えた。
そこは“降車専用”であり、バス乗り場ではないのだが… なぜかオジサンは車道へ身を乗り出すように立っていた。私は「あぁ、タクシーを止めようとしているのか!」と思った。そしてバスは到着して、私は前(乗車)と中(降車)の両扉を開けた。
すると、やっぱりというか何というか… 前扉から降りようとした乗客よりも先に、そのオジサンが乗り込んできてしまったのである。私は慌てて「ここはバス乗り場じゃないですよ。それに、もう終点なので乗られても困ります」と言った。
「えっ! そうなの?」と驚いた様子のオジサンは「じゃあ、東はどっち? あっち?」と言いながら逆方向を指さしたので、私は「東はこっちです」と教えてあげた。するとオジサンは「あぁ、そうか…」と納得した様子で歩いて行った…
降車停には、時刻表も行先も何も書いてないはずなのだが… オジサンは何を待っていたのだろうか? しかも、バスの行先表示さえも見ていなかったわけだし… う~む…???