バス運転士のち仕分け作業員のち病院の黒子 by松井昌司

2001年に自分でも予想外だったバス運転士になり、2019年に某物流拠点の仕分け作業員に転職、2023年に病院の黒子に…

可愛らしい女性からのカワイイお願い

2010年04月27日 14時36分01秒 | バス運転士

終点の某駅に到着して、前扉からも中扉からも乗客が降りてゆく… そして、最後の一人となった可愛らしい女性が、後方の座席からわざわざ前へやってきて「あのぉ…」と私に声を掛けた。

私が「何か聞きたいことでもあるのかな?」と思っていたら、なんと彼女は「バッタがいるので、逃がしてあげて下さい」と言ったのである。私はちょっと驚きながらも「はぁい… わっかりましたぁ…」と答え、「後ろの方ですか?」と尋ねた。すると彼女は「いいえ、もう真ん中へんまでずってきてます」と答えた。バッタは歩いていたのだろうが、体が細長いので引きずっているように見えるから、そのような表現になったのかもしれない。

まず私はバスを待機場所へ移動させて、捕獲したらすぐに逃がせるように中扉を開けた。そして「バッタなんてすぐに見つかるだろう」と思って車内を見まわしたのだが、その姿を見つけることはできなかった。5分以上も探したけれど、足跡すら見つからなかったのである。忘れ物チェックでも、そこまでやらないのにねぇ…

昔の歌にもあったように「探すのを止めると出てくるかな?」と思ったのだが… 結局、営業所へ戻って私がバスを降りるまで見つからなかったのである。あぁ… 彼女との約束を守れなかったなぁ… まさか、私が最初に中扉を開けた時に、バッタが自分で降りたのか!? ま、それならいいんだけどねぇ…