同じバス路線を何度も繰り返し走る勤務がある。何度も走ることが出来るということは、一度の運行時間が短いということである。そして、それに対する運転士の考え方も様々で… 「くどいから嫌い」と言う人もいれば「(全体のペース配分など)何も考えなくていいから好き」と言う人もいる。
私もどちらかと言えば「くどいから嫌い」なのだが… そういう勤務の時は「何も考えなくていいじゃないか!」と思うようにしている。考えてみれば… 昨年の9月まで勤務していた営業所でやっていた“某大手ショッピングセンターのシャトルバス”ほど「くどくない」のである。
しかも、そのシャトルバスは街中でやっていたので、マイカーやタクシーだけでなく、歩行者のマナーも悪くて… 平常心を保つのにとても苦労した。そうそう、感情を捨てた“鉄仮面”になって仕事をしていた記憶が… ただし、鉄仮面に変身する前に“連続攻撃”を食らって、「カチン!」「カチン!」「カチン!」と精神的に疲れてしまったことも… そんな時、こんなことがあった。
私の前を走っていた車が止まるのに気付くのが遅れ、ブレーキを踏むタイミングも少し遅れ… だからといって急ブレーキを踏むわけにもいかず… 前の車に追突しないギリギリのところで止まるようになってしまった。まるで私がその車にプレッシャーをかけるかのように…
案の定、その車のドライバーは気分を悪くしてしまったようで、その車の前の車が発車した後も止まったままだった。そこは、T字路の突き当たりで右折禁止なので、その車も私も左折するしかないのだが… ドライバーが窓から右腕を出して「俺の車の右側から大回りして左折しろ」というように合図をした。
私は自分に非があると思ったので、指示通りに大回りして左折して5車線道路に出たのだが… その車は私のバスの動きを見て、加速しながら前へ入ってきた。私のバスは、その先の交差点を左折しなければならないので、一番左の左折専用レーンに入らなければならない。しかし、もしもその車に前で止まられて、「直進しろ」などとやられたら洒落にならない…
そう思った私は、左折レーンの隣りの直進レーンに入って、赤信号になっている交差点へ向かった。「お願いだから、左折レーンには入らないでくれ」と祈りながら… すると、その車は先程と同様、私のバスの前に入って止まった。そして、信号が青になると同時に、今度は助手席の男が窓から左腕を出して「お前は左へ行け」というように合図をした。
彼らがシャトルバスの運行ルートを知っていたかどうかは分からないけれど… とにかく助かった。が、もしも左折レーンを取られていたら… 私のバスは何処へ行ってしまったのだろうか??? いや、そうなったら動かずに待つしかないのか… でも、そこで待つくらいならば、前に入られるのを承知で最初から左折レーンに入るのが正解だったということ… ですかね。ハハハ…