バス運転士のち仕分け作業員のち病院の黒子 by松井昌司

2001年に自分でも予想外だったバス運転士になり、2019年に某物流拠点の仕分け作業員に転職、2023年に病院の黒子に…

見事、乗客、的中! だったけど…

2014年11月25日 19時09分14秒 | バス運転士
バス停を通過しようと思った時に、こちらに背を向けて歩いている人がいると… 「まさか乗客では…???」と思って、その人がバスよりも先にバス停を通過して行くように減速することがある。また、すぐ先の信号が青だったり、すぐに車線変更しなければならなかったりして、「できれば減速したくない」と思った場合や、その人とバス停の距離が“減速では対応できない”くらい離れていた場合は、その人をしっかりと観察して通過するようにしている。

その人が、急にバス停に近寄って行ったとか、後ろを振り返って走り出したとか… そうなれば「乗客だ」と思ってバス停で止まるのだが、そういうこともなく普通に歩き続けていた場合は「乗客ではない」と判断して通過している。幸い、これまで“視界に捉えていながら通過したところ、実は乗客だった”という苦情をもらったことはない… と思う。ただ、「苦情がなかったから乗客ではなかった」とは言い切れないので、今後も慎重な判断をしなければならないのだが…

先日、ある路線を5分くらい遅れて走っていた時のこと… あるバス停を通過しようと思ったところで、広い歩道を“こちらに背を向けて普通に歩いている”女性を発見した。そこからバス停まで30~40mという中途半端な距離… 女性はバス停に近寄る気配はなし… 後ろを振り返るような雰囲気もなし… ただ、旅行バッグを引いているという点が、私の判断を迷わせていた。

私が「う~む… バスは5分くらい遅れているし… 普通に歩き続けているし… 500mくらい歩けば地下鉄の駅もあるし… 通過だな」と思った。その時! 旅行バッグを引いている女性の手に、カードらしきモノが握られていることに気が付いた。私は「えぇ~!? 乗客なのかぁ~???」と驚き… 気が付けば、バス停で止まって前扉を開けていた。

待つこと10秒… ビンゴ! その女性はバスに乗ってきたのである。ただし、普通に無言で… カードをタッチさせて… その様子を見た私は「なるほどぉ… きっと地下鉄の駅まで歩くつもりだったんだぁ… たまたま目の前でバスが止まったから乗っただけなんだぁ… 通過しても良かったんだぁ…」と悟った。もしも、その女性が小走りでやって来て「ありがとう」と言ってくれたならば、私は「もう死んでもいい」と思ったのだが… そうは思わなかった。だから、まだ生きている!(なんのこっちゃ…) きっと、私には“果たすべき重大な使命”があるから、今も生かされているのだぁ~!(そうだな、今年は年末の大掃除くらいやっとけぇ~)