バス運転士のち仕分け作業員のち病院の黒子 by松井昌司

2001年に自分でも予想外だったバス運転士になり、2019年に某物流拠点の仕分け作業員に転職、2023年に病院の黒子に…

おじさん、ごめんなさい。

2009年06月26日 22時38分15秒 | バス運転士

あるバス停で一人のおじさんがバスカードで降りようとしたが、残金不足になってしまった(運賃270円のところ、残金が250円しかなかったので、運賃表示に不足分が“20円”と出ていたのである)。おじさんはまったく予期していなかったようで、少し慌てた様子だった。私は“慌てなくてもいいですよ”との願いを込めて、あえて落ち着いた口調で「あと20円ですね」と言った。おじさんが不足分の現金を運賃箱へ入れて、運賃表示が消えて精算完了… と思ったのに、投入金額“30円”と出た上に、運賃投入口の中で複数の硬貨がカラカラと音を立てていたのである。私が「いくら入れましたか?」と尋ねると、おじさんは「250円」と答えた。今度は私が予期せぬ出来事にプチパニックに陥ってしまい… 私の古ぼけた“脳内電卓”は、なぜか「250円-30円=220円」という計算をしてしまったのである。本当は230円を返金しなければならないのに、220円しか返金しなかったのだ。私が間違いに気付いたのは… 駅に戻って一息ついた時だった… おじさんが私の顔を覚えていて、何か言ってくれる事を祈るしかない… ごめんなさい。


工事箇所は気をつけよう

2009年06月26日 00時56分55秒 | バス運転士

今日の後半戦は、午後6時過ぎの発車からだった。午後7時頃、バス路線途中の交差点にヘルメットを被った人たちが集まっていた。「こんな時間まで工事をやっていたのか」と思いつつ通過… 終点で折り返して戻って来ると、思いっきり工事中になっていた(これから始めるところだったのか…)。交差点は片側交互通行になり、午後8時を過ぎているというのにプチ渋滞… バス路線は、その交差点で右折(帰りは左折)するのだが、工事箇所を避けて大回りしなければ曲がれない。私が右折する時、誘導員が交差点内で後ずさりしながら、「大回りしてください」とジェスチャーしていた。そこへ、対向右折車がやってきて、誘導員は危うく轢かれるところだった(ちょっと接触したかもしれないが…)。誘導員も驚いただろうが、対向右折車のドライバーも驚いただろうなぁ…


♪目と目で… 否、目と口が…

2009年06月24日 21時36分57秒 | バス運転士

今日は、朝6時半頃から9時頃まで一般路線をやり、その後は某地域巡回バス2号をやり、午後4時過ぎから再び一般路線をやり… そんな勤務だった。その某地域巡回バス2号の路線の中で、最も狭い道路の連続を抜けて広い道路に出たところ… そこの歩道を某高校の生徒たちが途切れることなく歩いていた。時刻は午後3時半過ぎ、高校生の帰宅ラッシュに遭遇したのである。私は、降車ブザーが押されていないことを確認… バス停にも乗客はなく、見えているのはゾロゾロと歩いている高校生だけ… 私は「○○停、通過します」と言ってボタンを押し、「次は××停~」と案内を流しながらバス停を通過… その瞬間! 一人の女子高生と目が合った!! 彼女の目と口は「あっ!」と大きく開かれ、それを見た私の目と口も「あっ!」と大きく開かれた(と思う)。いつものように(いつもかよ!)慌てることなくブレーキを踏み、10~20mほど通過したところでバスを停めた。ふぅ… 危なかった。言い訳… 同じ制服姿の人たちは、みんな同じ目的(最寄り駅まで歩く)だと思ってしまい、まさかその中の一人だけがバスに乗るとは思わなかったのである。推測→思い込み→要注意。♪わかっちゃいるけど~


小学生か否か… それが問題だ

2009年06月23日 22時53分07秒 | バス運転士

【週末に、ある母子がバスに乗った。精算時に子供が大人運賃を取られそうになった。そこで母親が「小学生ですよ」と言った。すると運転士が「申告されないと分からん」と言った。後に、母親は「小学生か否かを尋ねるのも運転士の業務の一つではないのか。謝罪してもらいたいので電話をもらいたい」と言ってきた】ということがあったらしい。実際の言葉遣いなど、細かい点については分かりませんが…

似たようなことは、私も経験済みである。いつだったか… 月一回更新のブログ(2006年11月号)にも書いた「(息子が小学生だということは)見りゃ分かるだろう!」と言われた話である。常にランドセルを背負っていれば分かりますが… 週末で私服、しかも私の場合は相手の背が高かったので(多分5~6年生)、分かるわけがありません。

私が子供の頃は、自分で「子供です」と言うように教育されました。今でも、そうしてくれる子供が多数派であることも事実です。通報者は『小学生か否か尋ねるのも仕事だ』と言っているようですが、それは違うでしょう。逆に、身長や童顔をコンプレックスに感じている中学生は、「小学生ですか?」と尋ねられることを嫌がると思うのです。

だから私は、その子の身長や顔はもちろん、話し言葉やら何やら… こちらから尋ねることなく、小学生か否かを判断しようとしています。そして「間違いなく小学生だ!」と自信を持てた場合には、申告がなくても半額にしています。しかし、それ以外の場合は、申告がなければ大人運賃のままにしています。

最後に『謝罪してもらいたい』って… 私のボケた脳ミソでは理解できません。この責任転嫁&謝罪要求というワンツー攻撃に対して、会社がどのような対応をしたのか分かりませんが… まさか謝罪したなんてことは…


いつもは弊社バスに乗らない人々

2009年06月22日 22時42分06秒 | バス運転士

今日は、弊社某駅⇔他社某駅⇔某院の往復を繰り返す勤務だった。

午後3時半過ぎ、某学校前から3人の女子高生が乗り、乗客は10名ほどになった。終点の弊社某駅で、1人の女子高生が最後に降車口へやってきて、小声で「お金を持っていなくて…」と言いながら手の平の小銭を見せた。50円玉、10円玉、5円玉、1円玉… 総動員態勢である。私が「明日も乗るの?」と尋ねると、彼女は「雨が降れば…」と答えた。きっと、いつもは駅から自転車に乗っているのだろう。私は「いくらあるのかなぁ… とりあえず、全部(運賃箱へ)入れてくれる?」と言った。ジャラジャラジャラ… すると“159円”と出た。私は「まぁ… 160円として… 明日じゃなくてもいいから、次回乗った時に足りない分も払ってくれるかなぁ? 忘れていなければ…」と言った。彼女はうつむいたまま小声で「ありがとうございました」と言って降りていった。

午後7時過ぎ、弊社某駅から某院へ向かっていた。途中の他社某駅で停車すると、反対車線には弊社某駅行きのバスが停まっていた。その時、扉の外から私に向かって「このバスは弊社某駅へ行く?」という声が聞こえた。私は「いいえ、反対側です」と言いながら、反対車線のバスを指差した。そこで改めてそのバスを見てみると、いつもは10人も乗らないほどなのに、なぜか超満員であった。それから約30分後、私のバスは某院で折り返し、弊社某駅行きのバスとして他社某駅にやってきた。そこには、いつもは有り得ない30名ほどの乗客が待っていた。そして、ほぼ全員が終点の弊社某駅まで乗ったのだが… その大半が“恐縮です”という感じで、私に“弊社バス乗車票(発行元は他社某駅)”を手渡して降りていった。営業所へ戻ってから聞いたところ、やはり「他社電車が大雨の影響で止まってしまった」らしい。このようなことは、たまにあるようだが… いつも他社某駅から弊社某駅へカードなどで乗っているのに、「ラッキー!」とばかりに他社某駅で乗車票をもらって“タダ乗り”した人もいたりして…???