<金曜は本の紹介>
「超訳 ニーチェの言葉Ⅱ」の購入はコチラ
「超訳 ニーチェの言葉」という本は、このブログでも以前紹介しましたが、その基底に流れていたのは、「自尊」「生の喜びの獲得」「自己超克」だったとのことです。
この「超訳 ニーチェの言葉Ⅱ」という本は、それに対して「生の創造」「苦難の引き受け」「高みへの意志」とのことです。
いずれにしろ、人生に役立つ素晴らしい言葉が綴られ、考えさせられて、とてもオススメです!
勇気づけられる言葉が多いのは特に嬉しいですね。
なお、ニーチェは穏やかな人で、声の出し方は静かで、物腰も丁重だったようです。
しかしそういう印象を人々に与える一方で、潔癖な心を持っていて、決然とし、燃えるものを抱き、遠くの峰々を凝視していたようです。
「超訳 ニーチェの言葉Ⅱ」は、とてもオススメな本です!
以下はこの本のポイント等です。
・きみはどうしていつまでもそこで佇んでいるのか。何を待ち続けているのか。遠いところから誰がやってくるというのか。いつ来るかわからない幸せを、そうやって呆然と立ち尽くして待っているのか。あるいはいつの日か、神や天使が現れて祝福してくれるというのか。待ち続けてさえいれば、誰かが今の苦境を奇跡的に救ってくれると思っているのか。しかしそれでは、きみは待ち続けるだけで人生を終えるだろう。すべきことは、きみがもう一度強く生き始めようとすることではないか。しかも、この瞬間、そして次の瞬間、自分なりに最大の充実をもって最高の自分を生ききることではないのか。
・強いのは、常に仕事に打ち込んでいる人だ。彼はどんなことが起きてもたじろがない。慌てない。ぶれない。うろたえない。不安にならない。心配しない。仕事によって心と人格が鍛錬され、彼は世間を遙かに超えた者になっているからだ。
・生きている限り、やむをえざる必然的なものがたくさん生まれてくるものだ。つきあい、世話、面倒、始末、労苦、尽力、愛執、確執、別離、変転、喪失、等々。それらから身を引き、やりすごすこともできる。けれども、なるべくならば、一つひとつのやむをえざる事柄を引き受け、丁重にしまいまで扱ってやったほうがいい。すると、手がける前にはずいぶん重いだろうなと思っていた事柄が意外にもだいぶ軽いことに気づくだろう。そして、あらゆることが自分自身のものになるだろう。
・若者よ、そこそこの勝利が約束された人生を欲しがるな。安定が保証された身分を欲しがるな。若者よ、絶えず、絶えず、挑戦し続けよ。百度もトライを重ねる人生を自分の人生とせよ。その挑戦の中では、失敗が多いだろう。成功は少ないだろう。それでもめげずにトライせよ。失敗と成功の繰り返しに満ちた挑戦の人生こそ、きみが生きているということの証明だ。だから、すべてさらけだしてあがき、挑戦の日々を送れ。ひるまずにトライし続けたきみの人生は、他の人々を強く勇気づけるのだから。
・きみは強く大胆に生きとおす人だと思っていた。それなのに、実際はどうだ。小さなことに腹を立てたり、くよくよ悩んだりしている。さらには、できるだけ安全に生きようとして、今では節約や平穏が美徳の一種だと考えるようになってしまっている。そういう生き方はあまりにも貧しくはないか。
・苦難や苦悩をなるべく減らそうとし、我が身をそういう苦しさからできるだけ遠くに置こうとするのは、結局のところ、自分が持つ生きる力を弱めることにほかならない。耐えがたい苦しさを通じてのみ、人は自分の能力を高めることができる。苦悩することによって、最高の生に達する道が通じる。岸壁を這いながら山の頂きを目指す者のように。
・成長しなさい。高く高く、途中で満足などせずに、いやましに高く、もっともっと高みへと成長しなさい。人として、生きる者として、育ち続ける者として、もっと知識を広め、経験を深め、愛を重ね、苦難を引き受け、成長しなさい。すると、よきものが何か眼に見えてくる。かつてはまったく自分の気に入らなかったものがいかによきものであるか、やっとわかってくる。まずはその程度のレベルに達するまで、自分を成長させなさい。
・きみよ、歩みを止めるな。やっとここまでたどりついたと安心して後ろを振り返るな。もっと前へ進め。後ろに誰もいないからといって、仲間や友人たちの姿がもう見えなくなったからといって、自分独りしかいないからといって、おじけづくな。ここまで来れたのはきみしかいない。しかし、到達したのではない。まだ途上だ。さらに進め。かつて誰も歩んだことのないこの道を進め。砂漠はまだまだ広いのだから。
・求めても手に入らなかったのか。だとしても、あきらめてはいけない。もっと求めよ。獲得できるまでしつこく求めよ。それでもなお得られなかったのか。だったら、もう求めるな。その代わり、見つけるようにせよ。見出すようにせよ。いつしか必ず、求めていたものよりずっとすぐれているものを見出すことができる。
・すでに誰かが確立した道をたどるな。誰か先達の流儀、誰かリーダーの導きのままに自分を合わせていくな。自分の道を行け。ただ漠然とした中に自分の道を広く築け。そして、自分を自分自身が導いて、堂々と進むがいい。
・手を合わせ、物欲しげな顔で懇願するな。もらえると思うな。もらうことだけを考えるな。もらう権利があると思うな。自分では何もせずに人からもらってどうする。何もせずにもらっても、それはいつまでも自分のものにはならない。むしろ、奪え。自分の力で。
・この世に生きている限り、さまざまな障害に出くわすものだ。憎まれ嫌われること。妨害。ねたみ。悪い噂。いやがらせ。卑劣な暴力。ハニートラップ。不信。欲得。冷遇。これらにあっさりと屈して自分を失くしてしまう者もいる。また、これらを自分の成長の肥やしにしてしまう者もいる。その人にとって、さまざまな障害や不都合や理不尽はもはや毒物ではない。彼にとって、それらは自分を高く立派な人間にするための強壮剤なのだ。
・原石を磨かなければ輝く宝石とはならない。同じように、才能を持っていたとしても、才能を存分に発揮させて作品や行動として表現しなければ意味がない。そのために必要となるのは、持続力、あるいは持続を楽しむ力、精神的な強靱さ、肉体的な精力である。
・人生にはつらいことが起きる。悲劇も起こる。しかし、苦しいからといって自分は運が悪いのだと思わないでほしい。むしろ、苦しみを与えてくる人生を尊敬するようになってほしいのだ。いったいどこの軍の大将が、吹けば飛ぶような弱い一人の敵兵にわざわざ強い兵をそろえた一個師団を差し向けようか。だから、苦難は人生からの贈り物だと思ってほしい。苦しみによって、この精神が、この心が、生きようとするこの力が、ますます鍛えあげられるのだとほくそえんでほしい。
・世界の意味を探しに行った者、人生の意味を探しに行った者、自分の意味を探しに行った者らは、砂漠で手ぶらのまま途方に暮れていることだろう。意味はどこにも置かれていないし、隠されてもいない。最初から意味は存在していないからだ。しかし、意味がないからといって、世界や人生がむなしいというわけではない。意味、すなわち、何がどうであるかということ、どれほどのものであるかということは、自分が決めるものだからだ。自分がいきいきと生きれば、人生はいきいきと輝く意味に満ちる。暗く生きれば、真夏の昼であっても世界には暗雲が垂れ込めるだろう。
・すぐそこで、あることが行われている。きみは、少し離れたところに立ち、傍観するのだろうか。それとも、そこへ歩み寄り、みずからも手を下すのだろうか。あるいは、眼をそむけ、こっそり立ち去ろうとするのか。今までのきみはどうだったろうか。これからのきみはどうするのだろうか。そして今、きみはどうするのか。
・聖書にあるように、隣人を愛するがよい。しかし、まずはこの自分自身を愛さなければ。自分を少しもないがしろにすることなく、しっかりと愛さなければ。とにかく自分をだいじにしなければ。
・きみは、きみの目標をどこに置こうとしているのか。誰かの目標を真似ているのかあるいは、少しだけ頑張ればすぐに手が届きそうな場所を目標としているのか。もしくは、ファンタジーに満ちた目標を思い描いているのか。どういう目標であろうとも、きみの目標は、きみ自身を超え出たところに置かなければならない。しかも、過去の人間たちと連なる道の遙かなる果てに。
・「そんなものにはまったく意味がない。失笑ものだ。どんな価値もないじゃないか。まったくの役立たずだ」敵はそんな言葉を吐いて、ぼくたちがひるみ、自信と気力をなくするのを待っている。そのくせ敵は自分自身を築きあげることすらできないやつらだ。だから、ぼくたちは敵にはとうていできもしないことをして闘おう。つまり、自己を高く築き上げ、この時代にまったく未知の新しい価値を創造することによって。
・私には本を書くときの目標がある。それは、私の著書を読んだ人が思わず爪先で立たねばいられぬほど弾んだ気分になること。
・わたしたちの一つひとつの行いが、わたしたち自身を新しく築き、いかようにも変えていく。どんなことを考えるのか、何を選ぶのか、どういう感情を持つのか、何を信じるのか、何を恐れ、何を軽蔑するのか、何を偽るのか、何をするのか、あるいは何をしないことが多いのか。これらふだんの一つひとつのわたしたちの生き方と行いが、自分というものを絶えず築き、また改造していく。心や人間性を変えるだけではない、自分の体をも変える。今の自分はその結果であるし、明日の自分はこれからの自分の行い一つひとつによって築かれるのである。
・何をするにしても、全身全霊をこめてなすべきだ。納得のできるいい結果を生み出すためにではなく、自分自身をないがしろにしないためだ。全力でお行わなかったり、ところどころ手を抜いたり、いいかげんに行って放置したりするのは、結局のところ、自分の行為をバカにすることだ。それでは、自分のすることに価値も意味も持てなくなる。それは、自分を緩慢に殺していくことに等しい。
・友達にするなら、仕事熱心なやつにしなよ。働き者は人としてちゃんとしてるのが多いからな。また、仕事が好きだというのはコツがすぐ呑みこめる才能を持ってるからだし、集中力があるのさ。そういうやつは周りから信頼されているものだ。仕事に打ち込んでないやつはからきしだめだ。口では大きなことを言って、仕事を転々としてるやつもあまりよくないな。そういうやつは暇なもんだから、あらぬ妄想を事実のようにして吹聴したり、人のことを悪くばかり言ってるもんだ。ひどいときには人の問題にまで当然のように口を差し挟んでくる厄介者さ。
・卓越した人間、傑出した才能を持つ人間、時代を先取りして身につけている人間、そういう人たちの考え、意見、ふるまい、行動を、一般の人々はまるで理解できない。というのも、人は自分の能力を遙かに超えた事柄については、理解どころか、想像すら及ばないからである。それゆえに、高度な人間はしばしば変人、または奇矯な人と見られる。あるいは、一般の人々の眼にとまることもない。
・自分とはちがう考えの者よりも、自分と同じ考えを持つ者をよりいっそう尊重するようにと若者に教え込むと、その若者は確実に駄目な人間になってしまう。同じ意味で、群れること、頼ること、相手に合わせることを上等な価値として教え込むと、若者はすぐに自己を見失い、どうしようもない人間が出来上がってしまう。
・智恵と賢明さに欠けた人の特徴はこうだ。すぐ怒る。憤懣をぶちまける。愚痴を言う。いらだつ。落ち着きがない。智恵が増えていくほどに、怒りや憤懣が少なくなる。
・容赦のない敵が現れ、その敵と闘わざるをえなくなる。そのときにこそ嬉々として闘え。運命が味方しているからだ。運命がおまえに勝たせるためにこの敵を送ったのだ。おまえは運命の最高級の待遇を受けているのだ。
・わたしたちはもっと強靱であるべきだ。人の意見や人間関係に少しも左右されず、染まらず、流されず、本来の自分を保ち続けるべきだ。そのために役立つのは、捨てる潔さ、勇気、洞察力だ。世間の波の中で社交的に生きながらも漂流してしまわないように。そして、孤独を恐れず、むしろ孤独になることに自分を全面的に見出す楽しみを味わうこと。
・できるだけ上機嫌でいようとし、ちょっとしたことにもたくさん笑い、きらびやかなことを好み、しかめっ面など一つもせず、子供っぽいほど無邪気な女性たち。そんな彼女たちを、軽薄だの、下品だの、浮ついているだのと非難する人がいる。しかし、どうだろう。彼女っちはこの世の蜂蜜ではないだろうか。世の中にはシビアなことがあまりにも多い。胸がふさがれるほど悲惨で深刻な事態が溢れている。その中で、彼女たちはわたしたちの心を休め、ほっとさせ、やわらげてくれるじゃないか。彼女らがいなかったら、この世は耐えがたいだろう。
・音楽を愛するには、少なくとも音楽が奏でられている間はじっと聴き入っていなければならない。初めて聴くなじめないものであっても、まずは我慢して聴くことが必要だ。そうしてようやく、その音楽のよさがわかってくる。物に対しても人に対しても同じだ。今までのものとはちがうと言って端からはねつけていては愛せない。寛大に受け入れる気持ちで接しなければ、そのものを理解できない。やがてあたかもその寛容さに感謝で応えるかのように、最初に見えていたヴェールがとかれ、その魅力や美しさがはっきりと見えてくるだろう。わたしたちにしても、そういうふうにして人から愛されてきたのだ。
・ささいなことでいい。何か一つのきっかけでも掴んで自分を幸せにせよ。できる限り、機嫌よくあれ。気分上々にせよ。そうして、自分が本当にしたいことをなすがいい。
・疲労は人を危うくし、力を弱める。すでに自分で充分に克服しきった事柄さえも、ひどく疲れているときは人を押しつぶす原因になるし、ふだんはささいにしか思えなかったことがひときわ巨大に感じられるようになる。疲労が人の感情や判断力をはなはだ脆くするからだ。そんなときは本来の自分に回復するまで、安全な場所でゆったりと休むしかない。
・喜びや感動をひとしおのものにしたいのかい。だったら、まず必要とされるものは苦痛と困難だ。苦痛がまったくないのならば、喜びには何の味もなくなってしまう。あるいは、そもそも喜びを感じなくなってしまうじゃないか。
・小さな悩み事で悶々とすれば、それはわたしたちを小さくしてしまう。しかし、大きな苦悩を抱えるならば、それはわたしたちを大きな人間にする。なぜならば、大きな苦悩はわたしたちを陶冶して力を不屈なものとし、今までとは異なる新しい眼を与え、また、ある種の新しい生まれ変わりの機会を与えてくれるからだ。
・残念ながら、多くの人は知らなさすぎる。自分が溢れるほど豊かだということを。何にだってなれる。何だってできる。言葉のあやではなく、まったくそのとおりの意味で、現実として。なれない、この状況ではなれそうもないと言うのは、まだ怠けたままで何もしたくないからだ。しかし、自分が意志すれば何にでもなれる。実際にそうなった人がそれが真実だとよく知っている。自分の豊かさに気づけ。そして、豊かな者として動け。
・何か能力がすぐれているから、何か外見が標準以上に美しいからという理由で、その女性が身近の男性に好かれるというわけではない。もっと簡単で確実な方法がある。それは、その男性の前で困った様子を見せることだ。すると、男性は一種の父性愛をくすぐられ、目の前の女性を庇護してあげたいという気持ちにさせられる。そしてまた、彼のそういう気持ち、つまりは本能を引き出してくれる特別な存在としてその女性を気に入るようになるのだ。
・悩む人というのはいつも閉じ籠もっている。従来の考え方と感情が浮遊している狭くて小さな箱の中に閉じこもっている。その箱から出ることすら思いつかない。その悩みの小箱に詰まっているものはみな古いものばかりだ。古い考え方。古い感情。古い自分。そこにあるものはすべて昔から同じ価値を持ち、同じ名前を持っている。そのことに気づいただけで、すでにその悩みの箱から脱出する方法が知れてくる。名前と価値を自分で決めることだ。病気を新しい世界への端と名づけ、困難や苦労を試練と名づけ、彷徨を遍歴と名づけ、貧しさを手持ちの満足の練習と名づけ、逆境を跳躍のチャンスと名づけるように。すると、そこに自分だけの新しい価値も自然と備わってくる。これだけで、生きることがだいぶ軽やかになってくるものだ。
<目次>
Ⅰ 生について
001 待たずに進め、生きろ!
002 今が永遠に続いてもいいほどに
003 仕事が自分を強くする
004 人生について考えるのは暇なときだけにせよ
005 一つひとつの事柄をきちんと引き受けよ
006 生きゆく力
007 過去を愛しすぎるな
008 自然が教えてくれること
009 自然は成し遂げる
010 挑戦し続ける人生を
011 貧しい生き方をするな
012 苦悩は生きる力を汲み出す
013 固まれば破滅する
014 よきものは生をうながす
015 人生は形を持たない
016 人生は生ききる旅路
017 賞賛された若者へ
018 もっともっと成長しなさい
019 若者よ、急ぐな
020 衰えの魅惑
021 憂いなき蝶のように
022 ひとり砂漠を進め
023 つらいから青春だ
024 死刑の重さ
025 求めても得られないなら
026 自分の足で進め
027 自分の力で奪え
028 立ちどまれば階段にされる
029 毒を強壮剤に
030 いつ死ぬかわからない
031 私のモラル
032 人生には苦と快の両方がある
033 人生はさすらいだ
034 小さく生きるな
035 体の欲望に価値をつけない
036 才能を生かすもの
037 苦しみは人生からの贈り物
038 固定した考えから脱出せよ
039 高みへと登るために
040 魚のいいわけ
041 創造する者へのヒント
042 人生の意味はこの手にある
043 勇敢であれ
044 人生を自分のものにせよ
045 行いが運身を生む
046 きみはどう生きるのか
047 自分の仕事こそ最高と信じよ
048 目標をあきらめるな
049 気持ちのままに
Ⅱ 愛について
050 愛だけが導く
051 愛しすぎることの危険
052 愛からなされることは
053 愛という名の橋
054 愛は善悪の彼岸に
055 愛の力は人の宝石を掘り出す
056 移り気の愛
057 愛する者と愛せたい者
058 まずは自愛
Ⅲ 己について
059 自己を超えた目標を持て
060 自己をあらわにせよ
061 欠点という名の教師
062 あらゆる体験はつながっている
063 群れの中では自分がいなくなる
064 不安な人は愛されたがる
065 最高の闘い方
066 理想さえも超えて行け
067 著者としての目標
068 行いが人を築く
069 破れ目から新しい自己を見る
070 脱皮し続けよ
071 裸の自分を見よ
072 事実は自分でコントロールできる
073 自分のための庭師
074 弱さや貧しさを美しく
075 自分への喜び
076 不満は自分との闘いの拒否だ
077 理想への道がモラルになる
078 自分自身へのためらい
079 公正であるための孤独
080 自由のしるし
081 見栄っぱりは自分をだましている
082 ありきたりの意見だけしか出ないのは
083 自分をないがしろにするな
084 本を書くということ
085 内なる野生を解放しよう
086 自己がもっとも高くなる真夏を
Ⅳ 言について
087 いつ、何を語るべきか
088 香り高い言葉を使え
089 相手を傷つけたいのなら
090 クリエイターは旗を立てよ
091 言葉に含まれる歪み
092 言葉という大海へ漕ぎ出せ
093 相手が答えやすい問いかけをせよ
094 嘘が語る真実
095 語り尽くせないもの
Ⅴ 人について
096 人は刻々と変わり続ける
097 生きるべき姿勢がわからないときには
098 強さと冷酷さは違う
099 狡猾な人の本質
100 人を助けるときの心理
101 友にするなら働き者を
102 友のための沈黙
103 友への同情の深さ
104 歓待は安心していない証拠
105 自分の中の悪に向き合え
106 愛される強者になれ
107 私が憎む人
108 自由に耐えきれなくなった者が待つのは
109 卓越した人は理解されない
110 献身と呼ぶべきものは
111 本当に楽しめない人は悦楽を追い続ける
112 独創的な人とは
113 天才とは
114 他人の不幸を喜ぶ心理
115 同じ人間だと感じるとき
116 若者を破滅させる毒薬
117 動物が言葉を話したら
118 動物から見たヒト
119 偉大さを知るために
120 高尚な人間をつくるもの
121 才能を発揮させるために
122 愛想のよさと不信
123 人格そのものが露出するとき
124 人に何を見るか
125 堂々とした人間
126 約束するということ
127 こういう人には近寄るな
128 批判や悪口にとりあうな
129 大言壮語する人にかぎって
130 人間を美味しく味わう
131 天才はきみとかけ離れた存在ではない
132 人は変われる
Ⅵ 知について
133 真実の痛み
134 新しいものへの怖れ
135 思想は星座のように意味を持つ
136 知恵は怒りをへらす
137 知の基本
138 美女と真理
139 知恵は武器だ
140 勉強の効果
141 一冊の書物
142 肉体は大いなる理性だ
Ⅶ 世について
143 行為こそが本道
144 この世から逃げるな
145 世間の人々の見方
146 何ひとつそのままには見ていない
147 価値を生むもの
148 態度が人を承服させる
149 道徳は人それぞれ違う
150 権威は生きる力をすり減らした者に支えられる
151 国際化は人間を洗練する
152 文化は林檎の皮
153 国家よりも自分の理想に賭けろ
154 テロリズムが現れるとき
155 世間の無理解
156 大人の中の子供
157 慈善の条件
158 語られる自然と真の自然
159 威厳を示そうとする連中の正体
160 地獄の視点
161 すぐれた物書きは集合精神を持つ
162 原因と結果について
163 勝利に偶然はない
164 敵が現れる喜び
165 印象はいつも一色に染まっている
166 狂気の集団性
167 高貴な人間
168 世間の波の中で漂流しないために
169 高みから何を見るか
170 女性はこの世の蜂蜜
171 女性の存在
172 怯えから賛成する人
173 政治家か見える二種類の人間
174 他人を救うのは簡単ではない
175 そのままの世界とは
176 哲学者の求めるもの
177 価値評価のラッピング
178 縛られている人々を大衆と呼ぶ
Ⅷ 美について
179 人間のみが美しい
180 野の花
181 芸術的本能が人を生かす
182 芸術を生む条件は陶酔である
183 芸術を創り出す力
184 夜のための音楽と月
185 音楽は魂を外へ連れ出す
186 音楽そのものの歓び
187 愛することを学べ
188 音楽は女性
189 音楽の力
190 何が美醜を分けるのか
Ⅸ 心について
191 内心の幸福のために
192 気分を上げてから事をなせ
193 疲労の危険性
194 苦痛という名の調味料
195 感じ方は常に変わる
196 勝手に理解しているだけ
197 悲しみを忘れさせてくれるもの
198 大いなる苦悩と格闘せよ
199 依存への欲求
200 どんな判断にも色がある
201 生活条件が価値観を変える
202 道徳は内側から湧く
203 理解されたくない理由
204 何かを成し遂げようと思うなら
205 行いの貫徹のために
206 母性愛の中にも好奇心が
207 人はわかりにくいものをありがたがる
208 拒絶される幸福感
209 好意は小さな花々
210 恥ずかしいと感じるとき
211 ストイックでなければ跳べない
212 自分の心の奥にライバルを持て
213 自分の豊かさに気づけ
214 痛みは船長の声
215 魅力の秘密
216 自分を取り戻す方法
217 好かれるための技術
218 闘う者は敵と似てくる
219 人は誰を憎むのか
220 二種類の賞賛
221 固くも柔らかくも生きる
222 赦す心の難しさ
223 欲得と激情の結婚
224 喧噪が慰めになるとき
225 完全なる幸福の条件
226 好きと嫌いの理由
227 憎しみを感じるときは自分が弱い
228 慰めない慰め
229 重い心は人から人へ移る
230 奉仕の評価について
231 行動は決して自由ではない
232 悩みの小箱から脱出せよ
面白かった本まとめ(2012年下半期)
<今日の独り言>
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・生きている限り、やむをえざる必然的なものがたくさん生まれてくるものだ。つきあい、世話、面倒、始末、労苦、尽力、愛執、確執、別離、変転、喪失、等々。それらから身を引き、やりすごすこともできる。けれども、なるべくならば、一つひとつのやむをえざる事柄を引き受け、丁重にしまいまで扱ってやったほうがいい。すると、手がける前にはずいぶん重いだろうなと思っていた事柄が意外にもだいぶ軽いことに気づくだろう。そして、あらゆることが自分自身のものになるだろう。
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・すでに誰かが確立した道をたどるな。誰か先達の流儀、誰かリーダーの導きのままに自分を合わせていくな。自分の道を行け。ただ漠然とした中に自分の道を広く築け。そして、自分を自分自身が導いて、堂々と進むがいい。
・手を合わせ、物欲しげな顔で懇願するな。もらえると思うな。もらうことだけを考えるな。もらう権利があると思うな。自分では何もせずに人からもらってどうする。何もせずにもらっても、それはいつまでも自分のものにはならない。むしろ、奪え。自分の力で。
・この世に生きている限り、さまざまな障害に出くわすものだ。憎まれ嫌われること。妨害。ねたみ。悪い噂。いやがらせ。卑劣な暴力。ハニートラップ。不信。欲得。冷遇。これらにあっさりと屈して自分を失くしてしまう者もいる。また、これらを自分の成長の肥やしにしてしまう者もいる。その人にとって、さまざまな障害や不都合や理不尽はもはや毒物ではない。彼にとって、それらは自分を高く立派な人間にするための強壮剤なのだ。
・原石を磨かなければ輝く宝石とはならない。同じように、才能を持っていたとしても、才能を存分に発揮させて作品や行動として表現しなければ意味がない。そのために必要となるのは、持続力、あるいは持続を楽しむ力、精神的な強靱さ、肉体的な精力である。
・人生にはつらいことが起きる。悲劇も起こる。しかし、苦しいからといって自分は運が悪いのだと思わないでほしい。むしろ、苦しみを与えてくる人生を尊敬するようになってほしいのだ。いったいどこの軍の大将が、吹けば飛ぶような弱い一人の敵兵にわざわざ強い兵をそろえた一個師団を差し向けようか。だから、苦難は人生からの贈り物だと思ってほしい。苦しみによって、この精神が、この心が、生きようとするこの力が、ますます鍛えあげられるのだとほくそえんでほしい。
・世界の意味を探しに行った者、人生の意味を探しに行った者、自分の意味を探しに行った者らは、砂漠で手ぶらのまま途方に暮れていることだろう。意味はどこにも置かれていないし、隠されてもいない。最初から意味は存在していないからだ。しかし、意味がないからといって、世界や人生がむなしいというわけではない。意味、すなわち、何がどうであるかということ、どれほどのものであるかということは、自分が決めるものだからだ。自分がいきいきと生きれば、人生はいきいきと輝く意味に満ちる。暗く生きれば、真夏の昼であっても世界には暗雲が垂れ込めるだろう。
・すぐそこで、あることが行われている。きみは、少し離れたところに立ち、傍観するのだろうか。それとも、そこへ歩み寄り、みずからも手を下すのだろうか。あるいは、眼をそむけ、こっそり立ち去ろうとするのか。今までのきみはどうだったろうか。これからのきみはどうするのだろうか。そして今、きみはどうするのか。
・聖書にあるように、隣人を愛するがよい。しかし、まずはこの自分自身を愛さなければ。自分を少しもないがしろにすることなく、しっかりと愛さなければ。とにかく自分をだいじにしなければ。
・きみは、きみの目標をどこに置こうとしているのか。誰かの目標を真似ているのかあるいは、少しだけ頑張ればすぐに手が届きそうな場所を目標としているのか。もしくは、ファンタジーに満ちた目標を思い描いているのか。どういう目標であろうとも、きみの目標は、きみ自身を超え出たところに置かなければならない。しかも、過去の人間たちと連なる道の遙かなる果てに。
・「そんなものにはまったく意味がない。失笑ものだ。どんな価値もないじゃないか。まったくの役立たずだ」敵はそんな言葉を吐いて、ぼくたちがひるみ、自信と気力をなくするのを待っている。そのくせ敵は自分自身を築きあげることすらできないやつらだ。だから、ぼくたちは敵にはとうていできもしないことをして闘おう。つまり、自己を高く築き上げ、この時代にまったく未知の新しい価値を創造することによって。
・私には本を書くときの目標がある。それは、私の著書を読んだ人が思わず爪先で立たねばいられぬほど弾んだ気分になること。
・わたしたちの一つひとつの行いが、わたしたち自身を新しく築き、いかようにも変えていく。どんなことを考えるのか、何を選ぶのか、どういう感情を持つのか、何を信じるのか、何を恐れ、何を軽蔑するのか、何を偽るのか、何をするのか、あるいは何をしないことが多いのか。これらふだんの一つひとつのわたしたちの生き方と行いが、自分というものを絶えず築き、また改造していく。心や人間性を変えるだけではない、自分の体をも変える。今の自分はその結果であるし、明日の自分はこれからの自分の行い一つひとつによって築かれるのである。
・何をするにしても、全身全霊をこめてなすべきだ。納得のできるいい結果を生み出すためにではなく、自分自身をないがしろにしないためだ。全力でお行わなかったり、ところどころ手を抜いたり、いいかげんに行って放置したりするのは、結局のところ、自分の行為をバカにすることだ。それでは、自分のすることに価値も意味も持てなくなる。それは、自分を緩慢に殺していくことに等しい。
・友達にするなら、仕事熱心なやつにしなよ。働き者は人としてちゃんとしてるのが多いからな。また、仕事が好きだというのはコツがすぐ呑みこめる才能を持ってるからだし、集中力があるのさ。そういうやつは周りから信頼されているものだ。仕事に打ち込んでないやつはからきしだめだ。口では大きなことを言って、仕事を転々としてるやつもあまりよくないな。そういうやつは暇なもんだから、あらぬ妄想を事実のようにして吹聴したり、人のことを悪くばかり言ってるもんだ。ひどいときには人の問題にまで当然のように口を差し挟んでくる厄介者さ。
・卓越した人間、傑出した才能を持つ人間、時代を先取りして身につけている人間、そういう人たちの考え、意見、ふるまい、行動を、一般の人々はまるで理解できない。というのも、人は自分の能力を遙かに超えた事柄については、理解どころか、想像すら及ばないからである。それゆえに、高度な人間はしばしば変人、または奇矯な人と見られる。あるいは、一般の人々の眼にとまることもない。
・自分とはちがう考えの者よりも、自分と同じ考えを持つ者をよりいっそう尊重するようにと若者に教え込むと、その若者は確実に駄目な人間になってしまう。同じ意味で、群れること、頼ること、相手に合わせることを上等な価値として教え込むと、若者はすぐに自己を見失い、どうしようもない人間が出来上がってしまう。
・智恵と賢明さに欠けた人の特徴はこうだ。すぐ怒る。憤懣をぶちまける。愚痴を言う。いらだつ。落ち着きがない。智恵が増えていくほどに、怒りや憤懣が少なくなる。
・容赦のない敵が現れ、その敵と闘わざるをえなくなる。そのときにこそ嬉々として闘え。運命が味方しているからだ。運命がおまえに勝たせるためにこの敵を送ったのだ。おまえは運命の最高級の待遇を受けているのだ。
・わたしたちはもっと強靱であるべきだ。人の意見や人間関係に少しも左右されず、染まらず、流されず、本来の自分を保ち続けるべきだ。そのために役立つのは、捨てる潔さ、勇気、洞察力だ。世間の波の中で社交的に生きながらも漂流してしまわないように。そして、孤独を恐れず、むしろ孤独になることに自分を全面的に見出す楽しみを味わうこと。
・できるだけ上機嫌でいようとし、ちょっとしたことにもたくさん笑い、きらびやかなことを好み、しかめっ面など一つもせず、子供っぽいほど無邪気な女性たち。そんな彼女たちを、軽薄だの、下品だの、浮ついているだのと非難する人がいる。しかし、どうだろう。彼女っちはこの世の蜂蜜ではないだろうか。世の中にはシビアなことがあまりにも多い。胸がふさがれるほど悲惨で深刻な事態が溢れている。その中で、彼女たちはわたしたちの心を休め、ほっとさせ、やわらげてくれるじゃないか。彼女らがいなかったら、この世は耐えがたいだろう。
・音楽を愛するには、少なくとも音楽が奏でられている間はじっと聴き入っていなければならない。初めて聴くなじめないものであっても、まずは我慢して聴くことが必要だ。そうしてようやく、その音楽のよさがわかってくる。物に対しても人に対しても同じだ。今までのものとはちがうと言って端からはねつけていては愛せない。寛大に受け入れる気持ちで接しなければ、そのものを理解できない。やがてあたかもその寛容さに感謝で応えるかのように、最初に見えていたヴェールがとかれ、その魅力や美しさがはっきりと見えてくるだろう。わたしたちにしても、そういうふうにして人から愛されてきたのだ。
・ささいなことでいい。何か一つのきっかけでも掴んで自分を幸せにせよ。できる限り、機嫌よくあれ。気分上々にせよ。そうして、自分が本当にしたいことをなすがいい。
・疲労は人を危うくし、力を弱める。すでに自分で充分に克服しきった事柄さえも、ひどく疲れているときは人を押しつぶす原因になるし、ふだんはささいにしか思えなかったことがひときわ巨大に感じられるようになる。疲労が人の感情や判断力をはなはだ脆くするからだ。そんなときは本来の自分に回復するまで、安全な場所でゆったりと休むしかない。
・喜びや感動をひとしおのものにしたいのかい。だったら、まず必要とされるものは苦痛と困難だ。苦痛がまったくないのならば、喜びには何の味もなくなってしまう。あるいは、そもそも喜びを感じなくなってしまうじゃないか。
・小さな悩み事で悶々とすれば、それはわたしたちを小さくしてしまう。しかし、大きな苦悩を抱えるならば、それはわたしたちを大きな人間にする。なぜならば、大きな苦悩はわたしたちを陶冶して力を不屈なものとし、今までとは異なる新しい眼を与え、また、ある種の新しい生まれ変わりの機会を与えてくれるからだ。
・残念ながら、多くの人は知らなさすぎる。自分が溢れるほど豊かだということを。何にだってなれる。何だってできる。言葉のあやではなく、まったくそのとおりの意味で、現実として。なれない、この状況ではなれそうもないと言うのは、まだ怠けたままで何もしたくないからだ。しかし、自分が意志すれば何にでもなれる。実際にそうなった人がそれが真実だとよく知っている。自分の豊かさに気づけ。そして、豊かな者として動け。
・何か能力がすぐれているから、何か外見が標準以上に美しいからという理由で、その女性が身近の男性に好かれるというわけではない。もっと簡単で確実な方法がある。それは、その男性の前で困った様子を見せることだ。すると、男性は一種の父性愛をくすぐられ、目の前の女性を庇護してあげたいという気持ちにさせられる。そしてまた、彼のそういう気持ち、つまりは本能を引き出してくれる特別な存在としてその女性を気に入るようになるのだ。
・悩む人というのはいつも閉じ籠もっている。従来の考え方と感情が浮遊している狭くて小さな箱の中に閉じこもっている。その箱から出ることすら思いつかない。その悩みの小箱に詰まっているものはみな古いものばかりだ。古い考え方。古い感情。古い自分。そこにあるものはすべて昔から同じ価値を持ち、同じ名前を持っている。そのことに気づいただけで、すでにその悩みの箱から脱出する方法が知れてくる。名前と価値を自分で決めることだ。病気を新しい世界への端と名づけ、困難や苦労を試練と名づけ、彷徨を遍歴と名づけ、貧しさを手持ちの満足の練習と名づけ、逆境を跳躍のチャンスと名づけるように。すると、そこに自分だけの新しい価値も自然と備わってくる。これだけで、生きることがだいぶ軽やかになってくるものだ。
<目次>
Ⅰ 生について
001 待たずに進め、生きろ!
002 今が永遠に続いてもいいほどに
003 仕事が自分を強くする
004 人生について考えるのは暇なときだけにせよ
005 一つひとつの事柄をきちんと引き受けよ
006 生きゆく力
007 過去を愛しすぎるな
008 自然が教えてくれること
009 自然は成し遂げる
010 挑戦し続ける人生を
011 貧しい生き方をするな
012 苦悩は生きる力を汲み出す
013 固まれば破滅する
014 よきものは生をうながす
015 人生は形を持たない
016 人生は生ききる旅路
017 賞賛された若者へ
018 もっともっと成長しなさい
019 若者よ、急ぐな
020 衰えの魅惑
021 憂いなき蝶のように
022 ひとり砂漠を進め
023 つらいから青春だ
024 死刑の重さ
025 求めても得られないなら
026 自分の足で進め
027 自分の力で奪え
028 立ちどまれば階段にされる
029 毒を強壮剤に
030 いつ死ぬかわからない
031 私のモラル
032 人生には苦と快の両方がある
033 人生はさすらいだ
034 小さく生きるな
035 体の欲望に価値をつけない
036 才能を生かすもの
037 苦しみは人生からの贈り物
038 固定した考えから脱出せよ
039 高みへと登るために
040 魚のいいわけ
041 創造する者へのヒント
042 人生の意味はこの手にある
043 勇敢であれ
044 人生を自分のものにせよ
045 行いが運身を生む
046 きみはどう生きるのか
047 自分の仕事こそ最高と信じよ
048 目標をあきらめるな
049 気持ちのままに
Ⅱ 愛について
050 愛だけが導く
051 愛しすぎることの危険
052 愛からなされることは
053 愛という名の橋
054 愛は善悪の彼岸に
055 愛の力は人の宝石を掘り出す
056 移り気の愛
057 愛する者と愛せたい者
058 まずは自愛
Ⅲ 己について
059 自己を超えた目標を持て
060 自己をあらわにせよ
061 欠点という名の教師
062 あらゆる体験はつながっている
063 群れの中では自分がいなくなる
064 不安な人は愛されたがる
065 最高の闘い方
066 理想さえも超えて行け
067 著者としての目標
068 行いが人を築く
069 破れ目から新しい自己を見る
070 脱皮し続けよ
071 裸の自分を見よ
072 事実は自分でコントロールできる
073 自分のための庭師
074 弱さや貧しさを美しく
075 自分への喜び
076 不満は自分との闘いの拒否だ
077 理想への道がモラルになる
078 自分自身へのためらい
079 公正であるための孤独
080 自由のしるし
081 見栄っぱりは自分をだましている
082 ありきたりの意見だけしか出ないのは
083 自分をないがしろにするな
084 本を書くということ
085 内なる野生を解放しよう
086 自己がもっとも高くなる真夏を
Ⅳ 言について
087 いつ、何を語るべきか
088 香り高い言葉を使え
089 相手を傷つけたいのなら
090 クリエイターは旗を立てよ
091 言葉に含まれる歪み
092 言葉という大海へ漕ぎ出せ
093 相手が答えやすい問いかけをせよ
094 嘘が語る真実
095 語り尽くせないもの
Ⅴ 人について
096 人は刻々と変わり続ける
097 生きるべき姿勢がわからないときには
098 強さと冷酷さは違う
099 狡猾な人の本質
100 人を助けるときの心理
101 友にするなら働き者を
102 友のための沈黙
103 友への同情の深さ
104 歓待は安心していない証拠
105 自分の中の悪に向き合え
106 愛される強者になれ
107 私が憎む人
108 自由に耐えきれなくなった者が待つのは
109 卓越した人は理解されない
110 献身と呼ぶべきものは
111 本当に楽しめない人は悦楽を追い続ける
112 独創的な人とは
113 天才とは
114 他人の不幸を喜ぶ心理
115 同じ人間だと感じるとき
116 若者を破滅させる毒薬
117 動物が言葉を話したら
118 動物から見たヒト
119 偉大さを知るために
120 高尚な人間をつくるもの
121 才能を発揮させるために
122 愛想のよさと不信
123 人格そのものが露出するとき
124 人に何を見るか
125 堂々とした人間
126 約束するということ
127 こういう人には近寄るな
128 批判や悪口にとりあうな
129 大言壮語する人にかぎって
130 人間を美味しく味わう
131 天才はきみとかけ離れた存在ではない
132 人は変われる
Ⅵ 知について
133 真実の痛み
134 新しいものへの怖れ
135 思想は星座のように意味を持つ
136 知恵は怒りをへらす
137 知の基本
138 美女と真理
139 知恵は武器だ
140 勉強の効果
141 一冊の書物
142 肉体は大いなる理性だ
Ⅶ 世について
143 行為こそが本道
144 この世から逃げるな
145 世間の人々の見方
146 何ひとつそのままには見ていない
147 価値を生むもの
148 態度が人を承服させる
149 道徳は人それぞれ違う
150 権威は生きる力をすり減らした者に支えられる
151 国際化は人間を洗練する
152 文化は林檎の皮
153 国家よりも自分の理想に賭けろ
154 テロリズムが現れるとき
155 世間の無理解
156 大人の中の子供
157 慈善の条件
158 語られる自然と真の自然
159 威厳を示そうとする連中の正体
160 地獄の視点
161 すぐれた物書きは集合精神を持つ
162 原因と結果について
163 勝利に偶然はない
164 敵が現れる喜び
165 印象はいつも一色に染まっている
166 狂気の集団性
167 高貴な人間
168 世間の波の中で漂流しないために
169 高みから何を見るか
170 女性はこの世の蜂蜜
171 女性の存在
172 怯えから賛成する人
173 政治家か見える二種類の人間
174 他人を救うのは簡単ではない
175 そのままの世界とは
176 哲学者の求めるもの
177 価値評価のラッピング
178 縛られている人々を大衆と呼ぶ
Ⅷ 美について
179 人間のみが美しい
180 野の花
181 芸術的本能が人を生かす
182 芸術を生む条件は陶酔である
183 芸術を創り出す力
184 夜のための音楽と月
185 音楽は魂を外へ連れ出す
186 音楽そのものの歓び
187 愛することを学べ
188 音楽は女性
189 音楽の力
190 何が美醜を分けるのか
Ⅸ 心について
191 内心の幸福のために
192 気分を上げてから事をなせ
193 疲労の危険性
194 苦痛という名の調味料
195 感じ方は常に変わる
196 勝手に理解しているだけ
197 悲しみを忘れさせてくれるもの
198 大いなる苦悩と格闘せよ
199 依存への欲求
200 どんな判断にも色がある
201 生活条件が価値観を変える
202 道徳は内側から湧く
203 理解されたくない理由
204 何かを成し遂げようと思うなら
205 行いの貫徹のために
206 母性愛の中にも好奇心が
207 人はわかりにくいものをありがたがる
208 拒絶される幸福感
209 好意は小さな花々
210 恥ずかしいと感じるとき
211 ストイックでなければ跳べない
212 自分の心の奥にライバルを持て
213 自分の豊かさに気づけ
214 痛みは船長の声
215 魅力の秘密
216 自分を取り戻す方法
217 好かれるための技術
218 闘う者は敵と似てくる
219 人は誰を憎むのか
220 二種類の賞賛
221 固くも柔らかくも生きる
222 赦す心の難しさ
223 欲得と激情の結婚
224 喧噪が慰めになるとき
225 完全なる幸福の条件
226 好きと嫌いの理由
227 憎しみを感じるときは自分が弱い
228 慰めない慰め
229 重い心は人から人へ移る
230 奉仕の評価について
231 行動は決して自由ではない
232 悩みの小箱から脱出せよ
面白かった本まとめ(2012年下半期)
<今日の独り言>
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