喫茶去

徒然に、日々の生活を書き留めたいと思います。喫茶去、まあ、お茶でも飲んで、のんびりしていって。

散るぞ悲しき

2013-08-23 | 読後感

「風立ちぬ」を見てから、
第二次世界大戦関連の書物を読みあさってる。



この本を読んで、
映画館で見たんだけど、
「硫黄島からの手紙」を
借りて、もう一度見た。

戦力の差は歴然としていて、
硫黄島ははじめから、勝ち目のない、絶望的な戦場だったのだそう。
そもそも、第二次世界大戦そのものが、
日本と比べもにならないほどの発展を遂げていたアメリカには
最初から勝ち目がなかったように私は思う。

指揮官として硫黄島へ赴任した栗林中将は、
アメリカ留学の経験もあり、米軍には勝てぬ。
自分の役割が「勝つ」ことではないと。
本土の人々のために、少しでも長く持ちこたえて、
米軍の本土進攻を遅らせることと、
大本営から物資も食料・水の援助も打ち切られ
見放された中で、

「五日で落ちる」と言われた硫黄島を
三十六日間にわたって持ちこたえさせた。

戦って死んでいった人たちのおかげで、
私たちは生かされてるんだなと思った。

多くの犠牲者(兵士だけでなく本土の人々も含めて)を出して、
舵を握る者の責任は重いな・・・・・・
戦犯として処罰されたのも納得できる。


国の為重きつとめを果し得で 矢弾尽き果て散るぞ悲しき

仇討たで野辺には朽ちじ吾は又 七度生まれて矛を執らむぞ

醜草の島に蔓るその時の 皇国の行手一途に思ふ
                   (栗林中将の辞世の句)




『散るぞ悲しき』
著  者:梯久美子
出版社:新潮文庫


 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする