「風立ちぬ」を見てから、
第二次世界大戦関連の書物を読みあさってる。
この本を読んで、
映画館で見たんだけど、
「硫黄島からの手紙」を借りて、もう一度見た。
戦力の差は歴然としていて、
硫黄島ははじめから、勝ち目のない、絶望的な戦場だったのだそう。
そもそも、第二次世界大戦そのものが、
日本と比べもにならないほどの発展を遂げていたアメリカには
最初から勝ち目がなかったように私は思う。
指揮官として硫黄島へ赴任した栗林中将は、
アメリカ留学の経験もあり、米軍には勝てぬ。
自分の役割が「勝つ」ことではないと。
本土の人々のために、少しでも長く持ちこたえて、
米軍の本土進攻を遅らせることと、
大本営から物資も食料・水の援助も打ち切られ
見放された中で、
「五日で落ちる」と言われた硫黄島を
三十六日間にわたって持ちこたえさせた。
戦って死んでいった人たちのおかげで、
私たちは生かされてるんだなと思った。
多くの犠牲者(兵士だけでなく本土の人々も含めて)を出して、
舵を握る者の責任は重いな・・・・・・
戦犯として処罰されたのも納得できる。
国の為重きつとめを果し得で 矢弾尽き果て散るぞ悲しき
仇討たで野辺には朽ちじ吾は又 七度生まれて矛を執らむぞ
醜草の島に蔓るその時の 皇国の行手一途に思ふ
(栗林中将の辞世の句)
『散るぞ悲しき』
著 者:梯久美子
出版社:新潮文庫