A Challenge To Fate

私の好きな一風変わった音楽を中心に徒然に綴ったページです。地下文化好きな方は見てやって下さいm(_ _)m  

キノコホテル@鴬谷 東京キネマ倶楽部 2012.12.8 (sat)

2012年12月10日 00時26分28秒 | ガールズ・アーティストの華麗な世界


<サロン・ド・キノコ~四次元の美学・前編>

「マリアンヌの誘惑」レコ発ミニ・ツアー東京公演2Daysの初日。「四次元の美学」というタイトルは支配人が古いポルノ雑誌で見つけたという。前回のキネマ倶楽部公演ではバルコニーでの支配人の入浴シーンから始まったが、この日のオープニングは支配人のヴァイオリン演奏。本編はアルバム同様イザベル=ケメ鴨川のフィードバック・ノイズ「四次元の美学」でスタート。4回の衣装替えを挟み2度のアンコールを含み全19曲2時間10分のステージは、4人組ゴーゴーダンサー「マッシュメイト」の踊りも華やかな充実したものだった。古いキャバレーを改装した東京キネマ倶楽部の雰囲気にピッタリの昭和チックな世界を堪能した。この日と翌日の二日間で完結するとのことなのでセットリストは違う。この日は定番ナンバー「真っ赤なゼリー」をやらなかった。

あとでツイッターをチェックすると痴漢行為に関する痛いツイートが目立ちショック。ステージ真ん中に小さいキャットウォークがあり支配人やケメちゃんが前に出てきて演奏するシーンがあったが、そのとき身体に触ったり足を掴んだり狼藉を働く輩がいたらしい。また一般の女性客が痴漢被害にあったとの告発もあった。支配人がMCで「おじさんばっかりね~」とため息をつくほど年配男性率が高かった。そのひとりとしてたいへん嘆かわしいことである。女性からはキノコホテルは好きだけど男性客が最低だから実演会に行きたくないとの声もある。こんな行為を普段やったら犯罪だし、(行ったことはないが)キャバクラなど風俗店でも「おさわり厳禁」が基本でしつこい客は怖いお兄さんに連れて行かれる。アーティスト/タレントも生身の女の子であるということを肝に命じるべきだ。



二日目の後編ではベースのエマちゃんがこの日を持って退社することが発表されたそうだ。普通の女の子になるとのこと。唯一の初期からのメンバーで演奏も観る毎に凄くなっていただけに残念。エマちゃん4年間お疲れさまでした。新従業員は12/20下北沢CLUB Queの「東雲音楽工業忘年会」から参加するらしい。

▼このサインのメンバー全員がいなくなる


以上でレポはおしまい。


特別編
【マリアンニャ様とオヘンロさんのフォト日記】

▼本年度ベストカップル誕生。


▼(左から)かしゆかです、あ~ちゃんです、のっちです!三人揃ってパフュームです!


▼おい鬼太郎、髪型がマリアンニャ様と同じだぞ。


▼支配人、ムチでしばいて下せえ!


▼実演会は楽しいニャ~。


▼バニビちゃん、カワユす!


▼あ、灰野さんだ!こんにちわー。


▼みんなで行こう忘年会。


▼新しい従業員ですニャ。


従業員
刷新したら
サービス向上

<キノコホテル 来年早々凄いイベントが続々決定!>
2013.1.21 (Mon) 渋谷O-East Guidance ~導き導かれる人生~ 8th Anniversary企画
共演:中村達也+MASATO(ドラムセッション)/アーバンギャルド他

2013.1.24 (Thu) 新宿ロフト JUN TOGAWA GOES ON 3ヶ月連続マンスリーライヴ第一弾
戸川純 vs キノコホテル

2013.1.26 (Sat) 東高円寺U.F.O. CLUB U.F.O. CLUB 17th Anniversary BEAUTIFUL HUMANLIFE SPECIAL!!
共演:ムッシュかまやつ with ザ・トランプ/松石ゲル&サイケV(名古屋)



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八十八ヶ所巡礼@下北沢 CLUB Que 2012.12.7 (fri)

2012年12月09日 00時28分10秒 | 素晴らしき変態音楽


八十八ヶ所巡礼ワンマンツアー○△□
"八十八ヶ所巡礼 2デイズ ワンマン"

日本の誇る変態プログレ妖怪バンド八十八ヶ所巡礼(以下八八)の年末東京2Days初日。以前も書いたがこのバンドのスタンスは極めて独特である。メディアへの露出は殆どない。ライヴやCDのフライヤーを作らない。広告は打たない。映像はPVしか公表しない。オフィシャルサイトではライヴ/ディスコグラフィ/バイオ以外の情報は掲載しない。ライヴのMCでも告知はしない。ファンはライヴ会場の物販での掲示かサイト/ツイッター@88kasyoでしか新しい情報を得ることはできない。そんなフリーメイソンめいた秘密工作による口コミだけで確実にCDは売れライヴもソールドアウト。現代日本のロック・シーンの七不思議のひとつである。

2010年にゆらゆら帝国が解散したときファンの間で次のおススメは誰?というネタがネットで盛り上がった。ジャックス、裸のラリーズ、割礼、ボアダムス、ヒカシュー、INU(町田町蔵)などベテランから嘘つきバービー、シベールの日曜日、BO NINGEN、蛸地蔵、オシリペンペンズなど新世代バンドの名が挙がる中で八八もかなりの支持を集めた。これらのバンドを見ると明らかに日本ロックの本流から外れた一種独特な隠花植物的(アングラとは言いたくない)な雰囲気を持つアーティストばかりである。音楽性には想像以上の振り幅があるが、この中でも八八のプログレ+メタル+仏教をごちゃ混ぜにしたスタイルはユニーク極まりない。また「親孝行バンド」「日本万歳!」と右翼的な決め台詞で煽る姿勢もウィットに富んでいて面白い。もしかしたら大真面目なのかもしれないが。

CLUB Queのキャパは280人。二日間で560人。観客は圧倒的に20代の若者である。ヴィレヴァン常連風のサブカルっぽい男女が多い。下北沢は八八のホームグラウンドでもあり、高円寺を中心とする中央線文化とはひと味違う洗練された香りがある。左のマーガレット廣井側に女子が、右手のKatzuya Shimizu側にギター小僧らしき野郎共が集中する"右高左低"型。これは新生不失者と同じ構図である。ギターソロでShimizuが前方に出てくると観客が腕を上げて歓声を上げ、それに応えてShimizuもメタルギターヒーロー宜しくエビ反りや歯弾き・背中弾きなどトリッキーな奏法で煽る。激しいビートはギターもベースも必要以上にクネクネ動き回り変拍子を多用した複雑なものだが客はモッシュで盛り上がりっぱなし。新曲を2曲披露した。一聴して八八とわかる変態ナンバー。前方はかなり熱くなっており、普段あまりMCをしないマーガレットが「真ん中の方の女子たち辛くないかい?」と気遣う場面も。アンコールを含めて110分のステージだったがそこで鳴らされた音数は普通のロック・バンドの倍の高密度の濃厚な演奏だった。演奏力では今の若手の中でも群を抜いて優れていることは間違いない。このブログでもライヴ・スケジュールを告知するので是非ライヴを体験することをおススメする。



物販で八八初の公式グッズ「オヘンロさん」が販売されていた。キモかわいい素敵なヤツ。


フラッシュ・ディスク・ランチがやっていたので10年ぶりに顔を出す。アナログ盤オンリーで頑張っている貴重なレコ屋である。店長の椿さんに「お客さん向かいのライヴの帰り?」と尋ねられ何???と思ったらこの日は下北沢GARDENでカクタスの来日公演だった。やはりオヤジロック好きは隠しようがないようである。

今日八八
明日キノコ
いと楽し

俗世の姿が想像出来ない八八のメンバーであるが、Katzuya Shimizuのバンド外活動を発見した。ギター小僧&オヤジは参加してみてはいかが?→コチラ

<八十八ヶ所巡礼ライヴ・スケジュール>
12/14(金)・15(土) 2days 天王寺fireloop
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ネコ動画94:ロックするニャンコ2連発~DJニャンコとドラムニャンコ

2012年12月08日 00時23分44秒 | ネコ動画
■この猫すごい。DJのようにレコードをスクラッチ、そして最後は・・・


DJとしての才能を持ち合わせている猫がいました。
アナログレコードをスクラッチする映像をご覧ください。



独特の間合いでキュッキュッ♪
なかなかセンスがあるんじゃないでしょうか。
最後はDJだけでは飽き足らなくなったのか、お立ち台状態になってます。
(らばQ)

■猫のデス・メタル・ドラマーがYouTubeで話題に


猫のデス・メタル・ドラマーがYouTubeで話題に。オーストラリアのデスコアバンドThy Art Is Murderの「Whore To A Chainsaw」に合わせて男性が猫とともにエア・ドラムを披露する、それだけの映像ですが、すでに再生回数が128万回を超えています。なお、この男性はフロリダのバンドVisionairesのメンバーのようです。
(amass)



ニャンだろな
不思議楽しい
ニャンコロック

▼ニャンコのフリー・インプロ・バンド

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牝豚は黙ってなさい!~キノコホテル「マリアンヌの誘惑」

2012年12月07日 00時26分19秒 | ガールズ・アーティストの華麗な世界


キノコホテルの3作目のオリジナル・アルバムがリリースされた。徳間ジャパンからヤマハミュージックコミュニケーションズ(以下YMC)に移籍しての第1弾である。YMCには取締役でもある中島みゆきを筆頭に矢野顕子、谷山浩子といった大御所女性歌手が所属する。若手では中村中、坂本美雨、手嶌葵等がいるがロックではなく歌ものである。傘下の中田ヤスタカ主宰contemodeレーベルにはcapsuleやCOLTEMONIKHAがいるがこちらはクラブ系。ロック系がいないわけではないが、ヒット性のあるロック・バンドは恐らくキノコホテルが初めてではなかろうか。キノコホテルの為に復活したWAXレーベルを離れることになった舞台裏に関しては知る由もないので邪推するのは辞めておこう。

キノコホテルを最初に聴いたのは2008年2月インターFMの朝の番組だった。ジョージ・ウィリアムス、古川タロヲ、マイク・ロジャースがDJの「Good Morning Garage」という番組で"フランク・シナトラからセックス・ピストルズまで"をキャッチフレーズに朝っぱらからパンクやオルタナやインディ・ロックをガンガンかけるイカし(れ)たプログラムだった(現在は18:00~20:00「6 O'Clock YATSURA」として放送中)。特にギャルバン贔屓で国内外のガールズ・ロックがよく紹介され未知のカッコいいガールズとの出会いがあった。ある朝流れたファズ・ギターとオルガンのガレージGSナンバーに電撃ショックを受けた。それがキノコホテルのインディ・デビュー曲「真っ赤なゼリー」だった。早速ネットで検索しオフィシャルサイトを見つけた。その時はギターとドラムは違うメンバーだったが「支配人」「秘書」「経理」「広報」とホテルの従業員を模した世界は出来上がっていた。同年5月にサザナミ・レーベルからリリースされたガールズ・コンピ「Girls Sazanami Beat Vol.1」に収録され、新宿JAMでのレコ発イベントで初めてキノコホテルを観た。six、THE LET’S GO’S、That’s a NO NO!、その名はスペード、The Cloversなど現在もガレージ・シーンで活躍するバンドの中で、キノコホテルの独特の世界観と卓越した演奏力は際立っていた。サザナミ・レーベルの主宰者カマチガク氏に「キノコは凄いね。サザナミで出すの?」と尋ねたら「サミー(前田)さんのところですよ」と応えた。イベント終了後物販席にメンバーがいたのでサインを頼んだら3人は快く書いてくれたがマリアンヌ支配人だけ頑として書かなかった。他のメンバーが「支配人は人見知りだから」と気を使っていたのが印象的だった。

その後メンバー・チェンジを経て2009年3月DVD「キノコホテルの夜明け」発売記念実演会を観た。2部構成で前半は前回と同じボヘミアンルック、後半は赤のミリタリーでエンディングでマリアンヌがオルガンの上に乗って演奏、紫パンツが眩しかった。既にガレージ・シーンを超えて幅広いファンにアピールしていた。以来キノコノトリコになり何度も実演会へ通った。六本木Super Deluxeでのワンマンは最前列で支配人まで2mの至近距離で観た。その頃は開演前にメンバーの寸劇を交えたショートビデオを流し、実演会では最後の曲でイザベル=ケメ鴨川が客席へ乱入しファズ・ギターを弾きまくりマリアンヌ支配人とディープ・キスをするというパターンが多かった。

メジャー・デビューしてからは実演会は下北沢CLUB Queと新宿ロフトが中心になり、ある日ステージ最前列でモッシュに巻き込まれ酷い目に会って以降は後列から眺めることにした。人気が高まるにつれマリアンヌ東雲の個性が発揮された。キノコホテルの支配人として従業員をこき使い、ドS発言を繰り返す倒錯したサディストのイメージ。まさに映画「愛の嵐」のルチアのように。


この新作ではアートワーク、曲名、歌詞、さらに限定デラックス盤<夜の玩具箱>に封入された写真集と全5種類をランダムに封入した夜の格言バッジ(私のは表題の格言だった)まで見事にマリアンヌの妖艶な「エロス+独裁」感が漲っており、今までのキノコホテルの世界の集大成となっている。デラックス盤のみ収録のシークレット・トラックの生々しいサウンドには思わず背筋が凍りく。



このアルバムのレコ発「サロン・ド・キノコ~四次元の美学 ツアー」で現在の体制での営業を終了すると声明を出したが、確かにここまで完成するとそれを壊したくなるのが真のアーティスト足る所以だろう。ということはこのツアーは現在のキノコホテル美学の総決算となる筈であり見逃す訳にはいかないことは言うまでもない。胞子としては支配人に思い切り罵倒されたいものである。



革の鞭
ピシッと鳴らす
冷酷さ

マリアンヌ東雲の次なる構想がどうなるかは誰も知らない知られちゃいけない。

[12/7追記]
<夜の格言>コレクション




残るひとつは「この役たたず」。

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エリオット・シャープ@六本木Super Deluxe 2012.12.4 (tue)

2012年12月06日 00時29分52秒 | 素晴らしき変態音楽


Elliott Sharp's SysOrk:"Foliage" (2012)

出演:
エリオット・シャープ(ギター)
ジム・オルーク(ギター他)
臼井康浩(ギター)
八木美知依(21絃箏、17絃ベース箏)
横川タダヒコ(ヴァイオリン)
坂本弘道(チェロ)
パール・アレキサンダー(コントラバス)
山本達久(ドラムス)
高良久美子(パーカッション)
U-zhaan(タブラ)

ニューヨークを拠点としながらジャズ、ロック、ブルース、クラシックを自由に行き来する天才ギターリスト/作曲家、エリオット・シャープがオールスター・グループを率いてSDLXに登場!SysOrk(システムズ・オーケストラの略)と名付けられた10人編成の弦打楽団が演奏するのはシャープ作の最新グラフィック・スコア”Foliage”。プロジェクターを使って客席からも見えるように映し出される“Foliage”のスコアは、譜面・ヴィジュアル・アートのいずれとしても成り立っており、パフォーマー及びオーディエンスの聴覚と視覚を同時に刺激します。奇をてらったゲーム・ピースとは一線を画した“Foliage”はSysOrkをダイナミックな自己組織化アンサンブルとして機能させながら、演奏者1人1人の個性も最大限に引き出します。
Super Deluxe HPより)

エリオット・シャープの名前はジョン・ゾーン、クリスチャン・マークレー、アート・リンゼイなどと並ぶNYアンダーグラウンド・シーンの重鎮ミュージシャンとして20年前から知っていたが観たり聴いたりしたことはなかった。彼の活動はいち前衛ギタリストに留まらず、ブルースやワールドミュージック、現代音楽など多岐に渡り、サックスやエレクトロニクスを演奏したり、作曲家/プロデューサーとして映画・TV音楽や舞台音楽で活躍したり、カメレオンのように色を変え多面的で今ひとつとらえどころがなかった。2007年に制作された「Elliott Sharp: Do the don't」というドキュメンタリー映画には彼の様々な面が捉えられている。



エリオットが日本で知られるきっかけは様々な日本の音楽家とのコラボレーションであろう。何度か来日もしている。今年名古屋の前衛ギタリスト臼井康浩氏が2年ぶりのエリオットの来日ツアーを企画。全9公演は臼井氏とのデュオを中心に大友良英、八木美知依、ホッピー神山、ジム・オルークなどとのセッションを予定。その中でSDLX公演のみ冒頭に載せた告知にある通り演奏家よりも作曲家としてのエリオット・シャープに焦点があてられている。9人の演奏家も皆ひと癖ある個性派揃い。彼らによるシャープ作品が果たしてどういうものか予想がつかない。しかも事前に掲載されたグラフィック・スコアに一体どういう曲になるのか興味津津である。


2部構成で第1部は「KATALLASSO」と題された作品で世界初演とのこと。シャープは演奏せず指揮者に徹する。演奏者に合図しひとりひとり順番に音を出していく。シャープが指や身振りで指示を送るたびに演奏が変化する。指示は個別の演奏家に対するものの場合と楽団全員に向けてのものがある。譜面なしに即興で演奏されるので、ジョン・ゾーンのコブラに近い印象。ただし管楽器がない弦楽と打楽器のアンサンブルだからジャズではなく現代音楽に近い。特に坂本のチェロと横川のヴァイオリンが活躍し、レコメン系チェンバー・ロックの香りが漂う。徐々に盛り上がりまた潮が引くように弱音に戻る。起伏が余りなく視覚的にもシャープの指揮の動きしかないのでだんだん眠気に襲われる。ふと気付くと演奏が終わるところだった。


(動画の撮影・掲載に関しては主催者・演奏者の許可を得ています。以下同)

臼井氏にこの曲の譜面というか指示書を見せてもらった。
一枚の紙に5つの指示が書かれている。
1 グルーヴをつくれ
2 周りの人(の演奏を)を聴かずに即興せよ
3 周りの音を真似て即興せよ
4 他の人と違ったタイミングでグルーヴを作れ
5 逆に演奏をせよ
シャープの指揮はこの指示書の番号を演奏者に伝えていたようである。個々に違った指示を出すことで演奏のバラエティが広がる訳だ。指示に対してどう演奏するかは各人に任されているのでよほどの即興演奏の達人じゃないと曲として成立しない。それだけの力量を持ったメンバーが集まって初めて演奏可能な作品なのである。

それは第2部で披露されたグラフィック・スコア作品「Foliage」でさらに顕著になる。この曲は楽譜があるのでシャープもギターで演奏に参加。ステージ前方に設置されたモニターに映るスコアを見て演奏する。ステージ後ろのスクリーンに同じものが映写されるので観客にも何を演奏しているのか分かる仕組み。しかしそのスコアといったら!掲載されたものにはかろうじて楽譜の痕跡が残っているが、演奏が進むにつれスコアが滲んで溶けて流れ出し渦を巻き抽象絵画のような判読不明の文様になっていく。まるで水の上に垂らした絵具を掻き混ぜるように畸形化していく楽譜。それを解釈して10人のプレイヤーが演奏を続けていく。今度は譜面の変化に応じた演奏の流れが目に見えるので面白い。1時間を超える長時間の演奏は音だけ聴けば第1部と同様のミニマルな現代音楽だった。



ジョン・ケージ以来のアメリカ前衛音楽の伝統を継承するユニークな作品に未体験のNYシーンの深遠さを感じた夜だった。

エリオット
マーフィーは今
どうしてる

翌日発売されたばかりのNYアンダーグラウンド・ロックの雄ソニック・ユースの1985年のライヴCDがamazonから届いた。ニューヨークはやはりエキサイティングな街である。


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【閲覧注意】大量の蛇と共にカラオケ!? 挑戦者が超過酷な状況で歌い続けるアメリカ新番組が話題に!

2012年12月05日 00時43分06秒 | ラジオやテレビのこと


現在あるアメリカの新番組が、ネット上で大きな注目を集めている。

2012年11月23日から始まった『Killer Karaoke』というそのテレビ番組では、挑戦者に大勢の人の前で、自分の好きな曲を歌ってもらう。これだけ聞くと、それほど難しいチャレンジには思えない。

しかしこのテレビ番組『Killer Karaoke』では、自分の好きな歌であろうが、歌を歌い続けることなんてほぼ不可能である。なぜならその歌う状況が、信じられないくらい超過酷だから!

えっ? どれくらい過酷なのかって? 驚くことなかれ、動画「Karaoke Singer Gets Dunked in a Tank of Snakes」にも映し出されているように、ある女性の挑戦者は蛇が入った水槽で歌を歌わされたのだ! それも水槽にどんどん蛇が追加されていくから、過酷度は凄まじいレベルにまで上がっていく! 

こんな状況下で歌を歌い続けるなんて、到底無理である。現にこの蛇漬けにされた女性は、最後には歌うどころか、そのあまりの恐怖に涙目で「オーマイガー!」と叫び続けていた。

この他にも、全身に電流を流されながら歌うチャレンジに、ゲテモノを踏まされながら歌うチャレンジと、この番組は実に多種多様なスーパーカラオケを用意している。もし賞金がもらえるなら、みなさんもこのような超過酷なカラオケに挑戦してみたいだろうか? 記者(私)は、うーん……遠慮しておきたいと思う。
(Rocket News 24/文=田代大一朗)

▼こちらが蛇の水槽のなかで歌を歌った女性



カラオケを
歌うだけでも
命がけ

▼他にもこんなチャレンジが! 












それにしてもアメリカ人って○○だね~。
きっと日本のバラエティ番組が真似するに違いない。


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瞬殺警報発令中!!!!! 弾ける女子力ポップ~Silent Siren(サイレントサイレン)「Sweet Pop!」

2012年12月04日 01時20分29秒 | ガールズ・アーティストの華麗な世界


Silent Siren(以下サイサイ)を知ったのは"きゃりーぱみゅぱみゅを注文したあなたにお薦めの商品があります"とのamazonからのメールだった。若い娘4人が並んだHARAJUKU KAWAii!!系の派手なジャケットに「またデルモ(死語)出身の新人アイドル登場か~」と思いつつ一応チェックすると"読者モデルで結成されたガールズバンド"とある。アイドルグループじゃなくてバンド?神聖かまってちゃんのみさこ(ds)が結成した"バンドじゃないもん!"というドラム二人組アイドル・ユニットを思わせるが、虫の知らせで何となく興味が惹かれYouTubeで検索してトップに出てきたPVがこれ。



サムネを観ただけでギャルバン(女)好きの血が沸き立ち、甘いヴォーカルが始まると興奮で息が荒くなり体温が2度上がった。この衝撃はマゾンナの初ライヴにも匹敵するかも知れない。正真正銘のロックバンド、しかも極上ヴィジュアルのキューティー・パワーポップ。「うわぁ~ドラムのコがカワイイ!!!!」と激(劣)情がこみ上げる。まったく無防備なところに不意打ちを喰らっただけに突然の電撃ショックに言葉が出ない。

これまで数々のガールズ・アーティストを聴いてきたが、瞬殺でここまで惚れ込んだのは十代の頃の石野真子以来かも。制服姿に萌えたデビュー当時のSCANDALや妖しいガレージロックのトリコになったキノコホテルとも違って邪心なしに惹かれてしまうサイサイの魅惑(*)に歳甲斐もなくタダの骨抜きワンフー(死語)になってしまったことを告白したい。
*み‐わく 【魅惑】 [名](スル)人の心をひきつけ、理性を失わせること。「聞く人を―する甘美な旋律」「―的な笑顔」(デジタル大辞典)



とにかくライヴを観なきゃならんとローソンで直近の11/30 O-WestのイベントのチケットをGET。灰野さんがその日にタワレコで不失者のライヴを予定していると言っていたことはすっかり頭から飛んでいた。

全CDをamazonで購入。ティーン誌の表紙風のカラフルなデザインにメンバーのファッションチェックが掲載されたアートワークと特典生写真に驚喜しポップセンス溢れるギターロックと等身大の言葉で綴られた真っすぐな歌詞に痺れっぱなし。裏声混じりのハイトーン・ヴォーカルがチャットモンチーの橋本絵莉子を髣髴させ、サウンド的にも影響が感じられるが、チャットモのオルタナ感よりもプリプリやSCANDALのような正統派ガールズ・ロック色が強い。しかしヴォーカルのフワフワ感にDolly MixtureやHeavenlyなど「Twee Pop」と呼ばれる甘くキュートな80'sインディー・ギターロックの要素が溢れ、それに感性が中毒を起こしたのである。



サイサイは2010年「CUTiE」の読者モデルをしていた吉田菫(よしだすみれ:すぅvo.g)と梅村 妃奈子(うめむらひなこ:ひなんちゅds)により結成、山内あいな(やまうちあいな:あいにゃんb)と寒川綾奈(そうがわあやな:やなkey)を加え4人組となる。バンド名は「サイレン」と「サイレント」という逆の意味の言葉を組み合わせ、4人の気持ちを伝える「静かな警告」という意味でつけられた。SCANDALはダンススクールの生徒から選抜されたメンバーで結成されたいわば”作られた”バンドだったが、サイサイは4人が本気でバンドに憧れて自発的に結成された。2011年10月9日に行われたイベント「AGESTOCK2011 in TOKYO DOME CITY HALL」に出演。このイベントは今年早稲田祭できゃりーぱみゅぱみゅのライヴを企画した学生団体AGESTOCK実行委員会が主催する大型イベント。2011年は第4回目でデビューしたばかりのきゃりーぱみゅぱみゅも出演し同じステージを踏んだ。

2012年2月にミニ・アルバム「サイサイ」でCDデビュー。「東京ガールズコレクション'12」やラジオ番組のイベントに出演、7月に2ndミニ・アルバム「ラブシル」リリース、オリコンインディーズ週間アルバムチャート15位にランクイン。やなが7月31日をもってサイサイを卒業、この辺がアイドルっぽい。2ヶ月間3人組で活動し、9月に「Ray」の読モの黒坂優香子(くろさかゆかこ:ゆかるんkey)が加入。11月にシングル「Sweet Pop!」でドリーミュージックからメジャー・デビューした。ドリーミュージックは2001年8月に発足した新興レコード会社。加山雄三、森山良子、平原綾香、世良公則、FUNKY MONKEY BABYSなどが所属。今は無いが当初はTeenage Symphonyというレーベル内レーベルでゲントウキやbonobosなどインディー風味の良質なアーティストもリリースしていた。

サイサイの女子中高生からの知名度は非常に高くブログのアクセス数は全員合わせて一日15万アクセス以上というネクスト・リーダー的存在である。曲は大半がクボタナオキ作曲だが、歌詞は全曲すぅ自身が書いている。



11/30のイベント「palet × predia & Silent Siren スペシャルLIVE in Autumn 2012」の対バンを調べてみたらpaletはぱすぽ☆の妹分、prediaは"大人の遊び場"がテーマのセクシー系、どちらもアイドル・グループだった。またしてもヲタ集合のイベントか~。数日後に不失者@TOWER RECORDOMMUNE SHIBUYAの情報が解禁になりダブってしまったことに気づくが後の祭り。アイドル・イベントだからバンドは最初だろうと高をくくって会場に行くと何とサイサイがトリだと言う。サイサイの物販では生写真やタオルと共に蛍光ライトが売っており「やはりヲタ系ノリなのかな」と思った。最初のpaletはヲタ芸乱発のまさに最近のアイドル。次のprediaは音楽的には90年代の小室サウンドで懐かしいノリ。どちらも30分のステージでセッティング不要なので進行が早い。不失者を観るためにサイサイは途中までかと覚悟していたがこの調子なら全部観ても間に合いそう。

ヲタファンが見守る中サイサイの4人+サポート女性ギタリストが登場。想像よりもちっちゃくてキュート!!!すぅが「しぶやーっ」と叫んでスタート。なかなかしっかりしたリズム隊。すぅの歌は多少ぎこちなく音を外したりするがその分愛らしさと溌剌とした歌いっぷりで補っている。あいにゃんとゆかるんが振りを合わせるのがカワイイ。ヲタの皆さんも手拍子しOi Oiという掛け声で盛り上がる。「アイドル祭りに出られて嬉しいです!ちょっと緊張しています」とMC、アイドル風メンバー紹介にヲタの熱い声援が飛ぶ。全8曲45分のステージはまだまだ未完成ながら逆にそれが魅力的。毎回感じるのだがヲタの方々がいるとライヴが盛り上がる。終演後の握手会は諦めタワレコへ向かう道すがら12/24の「サイサイ祭り2012」に行こうと決めた。その日は昼夜2部構成。夜は静寂のラスト・ライヴだが昼の部は観れる。またしてもアイドル→灰野さんのハシゴである。



サイサイがチャットモンチーやSCANDALやきゃりーぱみゅぱみゅのように武道館クラスの人気者になるかどうかは判らないしはっきり言ってどうでもいい。肝心なのはこの二十歳そこそこの小娘たちに無条件降伏、永遠に勝ち目はないだろうという事実だ。とにかくフレッシュなロックの初期衝動とカワイイことへのこだわりを持ち続けて活動を続けて欲しいと願うだけである。
次回は握手するぞ!!!

ロリコンと
呼ばれてもいい
好きだから

12/1,2「HARAJUKU KAWAii!! FES 2012 in HIROSHIMA」に出演、きゃりーやIMALUとステージを共にした。

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マゾンナ@東高円寺UFO CLUB 2012.12.1 (sat)

2012年12月03日 01時18分56秒 | 素晴らしき変態音楽


【SILENT RUNNING vol.19″MASONNA 25周年ワンマンLIVE”】
LIVE: MASONNA

マゾンナ=山崎マゾ氏の久々のソロライヴ、しかもワンマン。これは歴史的なライヴになること必至。120名限定なので予約開始初日に電話して#6で予約完了。同じ日の昼間に隣の阿佐ヶ谷でマゾンナにも所縁のトークイベントがあり、ちょうどいいとハシゴすることにした。

Asagaya/Loft A 5th Anniversary
非常階段『蔵六の奇病』発売30周年記念トークライブ“アルケミー・デイ・オブ・ザ・デッド”


世界初のノイズ・バンド=非常階段の『蔵六の奇病 -30th ANNIVERSARY EDITION-』を始め、the 原爆オナニーズ、GARLICBOYS、赤痢といったアルケミーレコード関連作品が一挙発売されることを記念して開催されるプレミア・トークライブ!JOJO広重と縁の深いゲストを交えつつ、ここでしか見聞きできない秘蔵映像&貴重音源&稀少写真、門外不出のエピソードの数々がついに解禁!当日はJOJO広重のサイン会もあり!
【出演】JOJO広重(非常階段/アルケミーレコード主宰)
【ゲスト】平野悠(ロフト席亭)/地引雄一(テレグラフレコード主宰/イーター編集長)/ほか飛び入りゲストあり!?
【MC】椎名宗之(ルーフトップ編集局長)
(阿佐ヶ谷ロフトHPより)

先日の阿部怪異のライヴの後にBar Issheeに行ったら美川さんがいて、このトークイベントに行くかもしれないと言っていた。今年は渋谷UPLINK FACORY中心に「JOJO広重の裁判」、美川さんの「酒とノイズ」、広重さんの「ノイズ大学」とトークイベントも盛り沢山だった非常階段。「蔵六の奇病」発売30周年記念イベントも日野日出志さんを迎えてのノイズ大学やDOMMUNEでのアルケミー特集など何回か開催された。今回はライヴの現場を作ってきた地引さんと平野さんの参加が興味深い。飛び入りゲストは美川さん。実は氣志團の綾小路翔氏を予定していたらしいが体調不良で来られないとのこと。翔やんがいたら面白かったろうな~と思ったが、この4人のトークはなかなか含蓄深いものだった。前半は80年代のインディ・シーンについて。後半は現在の状況・今後の展望について。詳細を記すとたいへんなので割愛するが、平野さんの本『ライブハウス「ロフト」青春記』が無性に読みたくなった。もしかしたらマゾ氏が来るかなと期待したがライヴ当日じゃ来れるわけないか。

ロフトの隣のビルのインターネット・カフェで時間を潰し歩いてUFO CLUBへ向かう。



マゾ氏を最初に観たのは2002年7月17日新宿ロフトでの「ファン感謝デイ?! VOL.5」というイベントでの灰野敬二+山崎マゾのデュオだった。マゾンナのことは知っていたが音は聴いたことがなかった。灰野さんを観るのも数回目で大阪のノイズ・ゴッドとの共演が楽しみで会社を早引けしてロフトへ向かったことを覚えている。初顔合わせのデュオ演奏は45分くらいだっただろうか。灰野さんが発振器とヴォイス、マゾ氏が電子楽器とヴォイスだったと思うが、お互い腹の探り合いのまま煮え切らない共演だったと記憶している。そのイベントのDJで中原昌也氏が出ており初めて話をした。

マゾンナとしての初体験は翌年2003年6月15日日比谷野音での「せんごチルドレン2」というイベントでゆらゆら帝国、Theピーズ等との対バンだった。確かTheピーズとゆら帝の間にマゾンナが出演した。トイレヘ行って席へ戻る途中、黒装束の長髪がステージを走り抜けてジャンプしてエフェクターの上に着地。その間30秒。アッという間の出来事だった。唖然とする客と大喝采する客が混在。話には聞いていたが目の当たりにすると狐につままれた心地。席を外していた友人が「何かあったの?」と尋ねたことを思い出す。

その後もUFO CLUBを中心に何度かマゾンナのライヴを観たが長くて2分程度。灰野さんとチコヒゲさんのデュオと対バンした時にもマゾンナのパフォーマンスは1分で終了。灰野さんが自分たちの演奏時間が延びたと喜んでいた。

一方2004年10月31日武蔵野美術大学でのイベント「轟音教室」で灰野さんと2度目の共演をした時には1時間近くどっぷり四つに組んだ演奏を繰り広げた。その日の日記には「2年前の共演ではヴォイスとノイズジェネレーターだけのMasonna状態だったマゾ氏がSpace Machine風エレクトロニクスを駆使して多彩なセッションを繰り広げた。メルツバウの秋田さんと灰野さんのセッションと音は似ているかもしれないが、ルックスが兄弟のようで、お互いアクションも売りの灰野&山崎のほうが観ていて面白い」とある。


最初に買ったマゾ氏の音源は3枚組7"「Inner Mind Mystique」。布製のカバーのポケットにレコードが入った特殊パッケージがヴァイナル・ジャンキーの心を直撃した。片面に1曲ずつ計6曲入でメルツバウや非常階段とは違ったアシッド感のある轟音ノイズにイチコロだった。次に買ったのが限定290枚のデビューLP「Masonna VS Bananamara」。レア盤なので結構いい値段だったが、当時ノイズのアナログ盤の値段が高騰していたのでホワイトハウスやMBやラムレーに比べればそれほど高くはなかった。モノラルで刻まれた変質的な宅録ノイズに圧倒され次々にアナログやCDを集めた。


2002年にはサニーデイ・サービスやゆらゆら帝国を擁するミディクリエイティヴから「YAMAZAKI MASO 15th ANNIVERSARY FREAKOUT TRIPLEX SERIES」としてマゾンナ、CHRISTINE 23 ONNA、SPACE MACHINEという山崎氏の3つのユニットが同時にメジャー・リリースされるという快(暴)挙がなされる。タワレコ店頭をマゾンナのPOPが飾るという快(怪)現象が発生。非常階段のベスト盤「真・雑音伝説」がテイチクから発売されたのが2004年だからマゾンナの方がメジャー進出が早かった訳だ。今思うとミディの担当者がサニーデイ・曽我部氏かゆら帝・坂本氏に騙されて出しちゃったのでは?と思えなくもない。音を聴けば商業ベースに乗るかどうか判るでしょ。ただし90年代後半には徳間ジャパンから灰野さん関連のCDが一挙に発売されたしメジャー・レーベルのインディ・シーン進出が目立っていたことも事実ではある。

2000年代半ばからマゾ氏はよりダイレクトなサイケデリック・ロックに接近、エンジェリン・ヘヴィ・シロップの戸田房尾嬢とのCHRISTINE 23 ONNAはガレージ・サイケ・バンドACID EATERへと発展。新宿Red Clothでライヴを観たが、アクションは派手ながら破綻することなくヴォーカリストとして責任をまっとうするマゾ氏の姿が印象的だった。

いつものように前置きが長くなった。

マゾ氏のライヴを観るのは2009年の灰野+チコヒゲ対バン以来3年ぶり。オフィシャルHPのLive Dataを見ると2010年以降は数えるほどしかライヴをやっていない。激しいライヴによる消耗により休養していたのか、FUSAO(戸田房尾)嬢経営のブティック「Freak Scene」の店長の仕事が忙しいのか判らない。それでもツイッターやYouTubeで大阪でのライヴの模様は伝わってきたが、活発に様々な活動を繰り広げる非常階段に比べ、25周年にしては地味な気がしていた。そんなところへワンマンライヴのニュース。果たして何分演奏するのかがツイッターやフェイスブックで話題になった。大阪では2分半だったとか昔は頑張って20分やったことがあるとか様々な憶測が流れた。何秒でも何時間でも構わない。伝説のライヴとなることは間違いない。

UFO CLUBに入って「しまった!」と思った。タバコの煙が充満しているのだ。灰野さんをはじめ最近行くライヴは殆ど禁煙だし、分煙のライヴハウスも増えているので油断していた。開演まで1時間。この煙に耐えられるだろうか。演奏が始まったら観客が荒れることが予想出来たのでステージ脇からこっそり観ようと思っていたが、灰皿が壁際にあるので煙くて溜まらない。最も煙から遠いところはステージ前ド真ん中だと気がつき危険を承知で最前列で待つ。海外で名を馳せるマゾンナだけに外人客の姿が目立つ。

店長の道下氏がDJブースにいて通好みのB級サイケを流している。1980~90年代私はサイケのコレクターだった。きっかけは大学受験で京都に行った帰りに十字屋でザ・シーズの「フューチャー」を買ったこと。以降ジェファーソンやデッドやクイックシルヴァーなどメジャー系では飽き足らずPsychoやEVAといったサイケ再発専門レーベルの盤起こしのブートもどきを買い漁り、知られざる名(迷)盤を求めて中古レコード店を彷徨い歩いた。モダーンミュージックやF'lmore Records、Windといった専門店は品揃えはいいが値段が高いので、もっぱらディスク・ユニオンやレコファンなど一般的な店に通った。今ではサイケのレア盤として高価なレコードが廉価盤コーナーにあったりしていい時代だった。しかしCD時代になり、幻のレア盤どころか未発表音源までどんどんCD化されるようになり急速に熱が冷め、2000年以降はノイズ/アヴァンギャルド系に走った。この日のSEは20数年前を思い出させる懐かしい選曲だった。オルガンと女性コーラスのプログレ風展開の曲。これ好きだったな~。えーと確かC.A.Quintetだっけ.....などとひとりノスタルジアの世界に浸ってしまった。

そろそろ時間だな、と身構えているとカーテンの向こうからチェック中らしきノイズ音が聴こえてきた。来るぞ来るぞ~と緊張が高まる。後ろは見えないが満員の客が息を詰める気配が伝わってくる。客電が落ちカーテンが開く。「うぉー!」っという歓声。が、カーテンの後ろには誰もいない。それなのにシャウトが聴こえる。え、どこ?と思う間もなく後列の客からざわめきが。振り返るとカメラのフラッシュに浮かぶ黒尽くめのロングヘアー。後列から客を掻き分けての登場だ。そのままステージに駆け上がりマイクスタンドの足元のエフェクターを踏んだ途端に破裂する射撃音。痙攣ししゃがみ込みジャンプして駆け回る。後ろからガンガン押されステージに倒れ込まないようにするのに必死の頭の中にフラッシュバックするマゾ氏の超絶アクション。もう何が何だか判らない。一瞬爆撃が治まって気を抜くと再び銃撃スタート。目の前に迫ってくる。来たか!と思ったらステージ後ろに駆け戻りキリストのように手を広げたポーズ。おおカッコいい!と思った一瞬にジャンプしてエフェクターの上に着地。空き缶ノイズジェネレーターを手に再びコチラへ向かって来る。ヤバい!と思ったらそのまま客席へダイヴ。客は大騒ぎだが後列の人は何が起っているか判っただろうか。他の客に小突かれ蹴られ散々な有様。マゾ氏はステージへ戻るとそのまま袖へ去ってしまった。丁度3分間で終了。事情の飲み込めない客が「あの~終わったんですか?」と話しかけてきたので「予想より長かったよ」と応えた。


(撮影・掲載に関しては出演者の許可を得ています)

満足げな人も居れば唖然とした表情の人も居る。DJブースには亀川氏や石原氏など知った顔のミュージシャン仲間の姿。たぶん東京で初めてのワンマン公演、ひと目観たいと集まったのだろう。

[12/3追記:コサカイフミオさんにコメントをいただき調べてみたら2004年11月23日下北沢シェルターでワンマンライヴが開催されていた。レポートはコチラ。内容が私の記事と似ていてマゾ氏のブレのなさが良く分かる。]

物販でDJ YAMAZAKI MASOのMIX CDRが販売されていた。C.A.Quintetが入ってたので購入。家に帰って聴いて開演前のSEは道下氏のDJじゃなくてこのCDRを流していたことを知る。半分以上名前も知らないレア・サイケ。マゾ氏のサイケマニアぶりに改めて感動した。


マゾンナが
ジャンプする
その一瞬のニルヴァーナ

25年間が凝縮された3分間。これほど純粋な結晶体を味わったのは初めてだ。
これでタバコさえなければネ。

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不失者@TOWER RECORDOMMUNE SHIBUYA STUDIO 2012.11.30 (fri)

2012年12月02日 00時47分40秒 | 灰野敬二さんのこと


【TOWER RECORDOMMUNE SHIBUYA】 不失者

実はこの日は不失者の前にアイドル系のイベントに行き、そちらのレポートも併せて掲載しようと思っていたのだが、不失者のライヴが余りにも強烈だったため単独のレポにした。今までもきゃりーぱみゅぱみゅ→灰野さんのハシゴが何度かあり、今回もアイドル→不失者だし、タワーレコード渋谷の同じ会場で不失者の前の時間にモーニング娘。のイベントがあり、アイドルと灰野さんの符合について書くつもりだったが、そんな不遜な気持ちを頭の中から吹き飛ばすほど凄まじく素晴らしいライヴだった。この模様はTOWER RECORDOMMUNE SHIBUYAでライヴ配信されたのでご覧になった方も多いだろう。

前のイベントで目当のアーティストがトリだったので、開場時間21:00ギリギリにタワレコに到着。集合場所のB1入口からずっと人が階段に並んでいて昇れど昇れど列は尽きない。結局最上階6Fまで息を切らして昇り最後尾に辿り着いた。無料ということで今まで灰野さんを見たことのなさそうな若者が多い。宇川直宏氏がタワーレコード渋谷店と手を組み、オリジナル番組の配信やシブヤカルチャー情報を発信する、空前絶後のカルチャー・プラットフォーム「タワーレコードミューン シブヤ」。その中核となるB1イベントホールは最新の音響装置とバーカウンターを備えた宇川イズムの粋を凝らしたスペースである。長蛇の列が入りきれるかとの心配は杞憂に終わり全員が入場してもまだまだ余裕がある。この会場でのライヴが無料だなんて素晴らし過ぎる。

予定時間の45分押しで22:15に不失者のメンバーがステージに登場。10月上旬のヨーロッパ・ツアーの凱旋公演である。ヨーロッパでのライヴの動画がいくつかYouTubeにアップされていて日々深化するバンドの姿が垣間見られた。最初のKiyasu氏のスネアの一音で9月の渋谷WWWとは桁違いの演奏になることを確信した。亀川氏のベースの重低音爆撃、♪俺はお前たちの言いなりにはならない!♪という灰野さんの激情ヴォーカル、空気を切り裂くシャープなギター。途轍もない確信に満ちた音の絡み合い。特に激しいアクションで叩きまくるKiyasu氏の堂々たるドラミングはツアー前とは別人のような成長ぶり。不失者特有の凍りつくような緊張感に加え爆発寸前のエネルギーがはち切れそうに漲っている。それにしても音響がとてもいい。アンプやPAやモニター、照明など機材に厳格な灰野さんも納得したようで何の迷いもなく(どんな環境でも全力を出す灰野さんだから当たり前だが)演奏に没入している様がひしひしと伝わってくる。


(動画の撮影・掲載に関しては出演者・主催者の許可を得ています。以下同)

灰野さんとKiyasu氏が凄まじい気合いで暴れまくり、普段はクールな亀川氏も身体を揺らしてハイスピードなフレーズを繰り出す。一音一音無駄な音は一切無し。容赦なく襲いかかる魂の音塊に聴き手は翻弄されるばかり。3曲目「おまえ」で新生不失者らしいパワー全開のハードロックが炸裂。三者が轟音で絡みあうハードな曲の次に打って変わって糸の上を歩くようなピリピリした緊張感に空気が微妙に振動する静寂ナンバー。集団投射の高柳理論とは全く違ってあくまでロックに拘る灰野さんの意志が貫かれているブレのなさが実感出来る。



タワレコの告知にミニライヴと書いてあり配信時間も決まっているので短時間で終わるのかと思ったら、曲が終わるたびに譜面をめくり続ける。これはもしかしたら、という期待と不安が的中、23時を廻っても終わる気配はない。終電が気になる観客が次々帰る中演奏は続き、終演は深夜15分前。何と90分に亘るロングセットを展開した。昔の不失者なら時間に関係なく演奏を続けたかもしれないが、かろうじて終電前に終わった。



終演後の灰野さんは音響とスタッフの対応の良さに満足した様子。ただし照明が明る過ぎてやりにくかったとのこと。UST配信用の撮影があるからしょうがない。成長ぶりに感激したと伝えると「ツアーで散々鍛えたし、練習もたくさんやっているからね」と言いつつ「今日の演奏で30点」と手厳しいお言葉。ドミューンのスタッフが配信の視聴者がのべ14000人に達しツイッターのTLが不失者で埋まったと報告。「もっともっとカッコ良くなるからね」と灰野さん。一瞬の映画「ドキュメント灰野敬二」の続きかと思うほどの自然な言葉に灰野さんの信念の深さが滲み出ている。メンバーやスタッフに「帰れる?車で送って行こうか」と気遣いを見せる。そんな優しさがあってこその灰野マジックなのである。

不失者は
常に深化
し続ける

この凄まじい成長が12/21六本木SuperDeluxeでのワンマン・ライヴでさらに深まっているかと思うと恐ろしいほどだ。

<灰野敬二ライヴ情報>
12.02(日) 金沢Kapo gallery
12.08(土) 徳島県北島町立図書館2Fハイヴィジョンシアター
12.11(火)  松山 Studio BIGNOSE 「SPACEGRINDER presents…『EXTREMEDIVES, vol.122』-2012年年末special 第壱弾!!!-」
12.15(土) 新大久保EARTHDOM BIGスパゲティ企画 「雑煮音鍋セッション祭VOL.3
12.21(金) 六本木SuperDeluxe SDLX十周年記念ワンマンLIVE 不失者
12.24(月・祝) 秋葉原CLUB GOODMAN 「静寂」 Last Live ブラック・クリスマス
12.30(月) 高円寺ShowBoat 灰野敬二 ワンマンライブ
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阿部怪異/集団投射@渋谷WWW 2012.11.29 (thu)

2012年12月01日 03時25分14秒 | 素晴らしき変態音楽
doubtmusic presents 阿部怪異と集団投射

1.阿部怪異(JOJO広重g/T.美川electronics/吉田達也ds/isshee b)


最初に美川さんが阿部怪異の紹介。子連れ狼の悪役に30年前にインスパイアされ美川さんと広重さんを中心に活動し1982年に停止したユニット。今年非常階段で様々な活動をする中でまたやってみようという話になり、再結成になったとのこと。

MCが終わると美川さんが「ワンツースリーフォー!」と叫び爆音演奏がスタート。最初から飛ばすところは非常階段と同じだな、と思ったら1分強で演奏終了。即座に吉田さんが「ワンツースリーフォー!」とカウントし再び爆音、1分で終わり、次にissheeさんがカウント、以下この繰り返し。この辺で「非常階段を30秒ずつ演っている」と紹介されたピナコテカからの唯一のカセット作品のスタイルを踏襲していることに気づく。確かにカセット音源は短く編集された演奏の断片が繋ぎあわされたものである。

短時間演奏の連続といえば、JUKE/19の45曲入LP「JUKE/19」やゲロゲリゲゲゲの75曲入ライヴ盤「Tokyo Anal Dynamite/パンクの鬼」、モーガン・フィッシャー編集の51曲入コンピ「ミニチュアーズ」、ザ・レジデンツ40曲入「ザ・コマーシャル・アルバム」、ESPレコードのサンプラー42曲入「THE ESP SAMPLER」、1981年の「テン・ミニッツ・ソロ・インプロヴィゼイション・フェスティバル」の記録カセット等を思い起こす。



カウント~演奏の繰り返しを3周、3×4=12曲やったところで、長尺演奏に突入。広重さんと美川さんがフィードバック・ドローン・ノイズを鳴らす中吉田さんの超絶変拍子ドラムとissheeさんの脈動するワウファズ・ベースが響きノイズ演奏の絶頂に登り詰める。広重さんの速弾きノイズ・ギター、美川さんのスペーシーなエレクトロが桃源郷へ誘う。波が引いたところで再びカウント~演奏を1周やって終了。計算上は合計17曲になる。1分の演奏がそれぞれ違う表情を見せトータル40分間飽きることのない演奏だった。特に吉田さんのドラムとヴォーカルが際立っていた。


(動画の撮影・掲載については主催者および出演者の許可を得ています)

客席にコサカイフミオ氏の姿もあったので「一緒に演りたくなかったか」と聞いたら、客席から広重さんと美川さんの演奏を観れるチャンスは滅多にない、との返事。確かに演奏者は自分のバンドのライヴを生で観ることは不可能だからね~。

終演後美川さんに確認したら、阿部怪異はどらっぐすとぅあの常連客が経営していたライヴハウスで演奏する目的で結成されたユニットで、第五列とは無関係とのこと。

[12/1追記:阿部怪異の結成の経緯・メンバーについて美川さんから貴重な詳細情報をいただいた。『常連客が経営していた訳ではなく、常連客がメンバーとなって結成されたのです。そのハコ(蛍池クルセード)のオーナーだったのが、INUのギタリストだった北田君のお父上で、北田君は店長みたいなことをやっていたような記憶がありますが、自信はありません。存続期間も1年程度だったと思いますが、現在の非常階段の母体となった「腐食のマリイ」のライヴや最初の東京から遠征してきた角谷美智雄さん(故人)や工藤冬里さんとのセッションもそこで行われたのでした。かつて阿部怪異のメンバーだった人は、私と広重さん以外では、NGの林直樹さん、ジュラジュームの八田尚彦さん、Eel Ghostの猪狩亘さん(故人)、非常階段の岡俊之さん、海保有子(Woo)さん、ペコちゃんはエロティックスの藤本勝士さん、LD50(だったと思います)の坂本葉子さんといった面子が名を連ねていました。』]

バンドというよりコンセプトで、"カウント~演奏を3周→20分間演奏→また1周"という演奏形式のことだと言う。吉田さんとは80年代に一緒にコピー・バンドをやり、その後インキャパシタンツのライヴに参加してもらったことがある。広重さんは非常階段で共演したことがあると言っているが、たぶん勘違いで初共演の筈。非常階段ともインキャパとも違う一回限りの演奏は大変貴重なものだった。


2.集団投射(井野信義b/藤川義明as/今井和雄g/本田珠也ds)

集団投射はフリーのみならず日本ジャズ界の大巨匠、故・高柳”JOJO”昌行さんが提唱・実践した演奏コンセプトである。1969年に結成した「ニュー・ディレクション・ユニット」において「漸次投射(Gradual Projection)」と「集団投射(Mass Projection)」という二つの演奏=即興形態を提唱した。独特の音楽理論や演奏概念に基づいた思想を展開し、それ故に他のミュージシャンや評論家やライヴハウスとの衝突も多かった氏の演奏の中核にはこの二つのコンセプトが透徹していた。「漸次投射」は「沈黙に大きな役割を与え空間を浮かび上がらせる形態」すなわち<静>であり、「集団投射」は「聴き手が時間的経過についてのあらゆる感覚を失って連続体としてのサウンドしか意識しなくなるまで速度を速める形態」すなわち<動>である(「解体的交感」CD 佐々木敦氏ライナーより)。高柳さんの著述は膨大な量があるが、どれも難解かつ観念的で解読するのが困難である。手っ取り早く阿部薫さんとの共演盤か70年代のニュー・ディレクション・ユニット名義の作品を聴いてみればよい。少ない音数の中に生じる間(空間)の緊張感を伝えるのが「漸次投射」で、全員が徹頭徹尾全力で音を奏で続けるのが「集団投射」である。



井野さんと藤川さんはニュー・ディレクション・ユニットのメンバーだった。今井さんは高柳さんの私的スクール「高柳昌行煉塾」の唯一の卒業生。この3人で「集団投射」を名乗り2度ピットインで演奏した。今回初めてドラマーに若手No.1の本田氏を加えたカルテットでのステージ。

井野さんは広瀬淳二さんや坂田明さんとの共演で何度も観たことがある。今井さんは8月のノイズ温泉での激烈なソロが目に焼きついている。藤川さんは2003年8月に大泉学園in Fで灰野さんとベースの翠川敬基さんとのトリオで観た。本田氏も何度かピットインやスーデラで観ている。しかしこの四者が高柳メソッドを実践するとどうなるのか。

本田氏以外は阿部怪異のメンバーに比べれてかなり年長なのでルックスはかなり地味だ。しかし演奏が始まった途端に空気が音でパンクする。冒頭から全てを捨て去った激烈な演奏。機材トラブルで今井さんのギターの音が出ないが他の3人は誰も気にせず自分に没頭している。あたかもアクション・ペインティングのように音の上に音が重なり塗り潰していく。ギターが直ると俄然ヴォリュームアップの四つ巴。髪振り乱して弦を掻き毟る今井さんの迫力は恐ろしいほど。ノイズ温泉でのソロは「ひとり集団投射」だったんだな、と納得する。音量は阿部怪異より小さいが、そのエネルギーは上回っている。凄まじいのは40分間一瞬も立ち止まらず超ハイテンションの演奏が持続することだ。下手なノイズ演奏より格段にノイジーであり同時にテクニシャン揃いの奥深さが感じられる。音楽を聴くというレベルを遥かに超えたひとつの「体験」だった。終了後アンコールを求める拍手が起こるが、これ以上何を聴こうというのだろうか?案の定アンコールはなし。

本田氏におつかれさまと挨拶したら「ホント疲れたわ~」と疲労困憊の様子。美川さんによれば演奏前のミーティングで井野さんが「3時間くらいやろうか」と言っていたらしい。この演奏を3時間や演ったら演奏者も観客も別の次元にワープしてしまうのでは?究極の「Altered States=変性意識状態」になるであろう。

阿部怪異=80年代ロック、集団投射=70年代ジャズの即興の対決といえるイベントだった。同じ即興・ノイズでも大きく趣の異なる演奏を目の当たりにして音楽の深淵を垣間見れた素晴らしい夜だった。

怪異する
投射する
ノイズする

翌日は不失者、その次はMASONNAワンマンという濃厚な3日間の始まりである。
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