昭和天皇を主人公にした映画「太陽」を、機会があって観ちゃった。
札幌では30日から公開されるけど、あのイッセー尾形が昭和天皇を演じておる。
ほかに皇后を桃井かおり、侍従長を佐野史郎が演じておって、いわば役者ぞろい。
聞くところによると、ニッポンでの公開は難しいとされておった作品じゃ。
「天皇を主人公にした映画」だものぉ、いまどきは右翼の皆々様が怖くて公開できないと、映画関係者は思っておったようだ。
だけど、すでに封切られた東京・銀座シネパトスでは同館の初日動員記録・興行収入記録を更新する大人気。
映画配給関係者の杞憂ってやつだったわけ。
逆にこれを配給した、ほとんど無名の配給会社は大儲けという。
まことにめでたい限りじゃね。
まぁ、紀子さんが男児生んじゃったり、昭和天皇の靖国にかかわるメモが見つかったりで、グッドなタイミングだったしね。
監督はロシアのアレクサンドル・ソクーロフという、おぢとは同年代のオヤジで、実は世界が注目しておる監督のひとりじゃ。
この映画、サンクトペテルブルクの国際映画祭ではグランプリを獲得したのだそうだ。
お話は、「現人神」だった昭和天皇が「人間宣言」するまでを描いているのけれど、イッセー尾形がいい味出してるのよ。
政治的なお話はかなり省略されておって、孤独で学者でインテリな天皇が、ある種ユーモラスに描かれておる。
それにこの監督、溝口やら黒澤やらニッポンの大監督もきちんと勉強しているよう。
で、映像も黒澤風の様式美さえ感じさせるのじゃ。
今年一番の芸術作品かもしらんね。
おヒマな方は、ぜひご覧あれ!!