おぢのニセコ山暮らし

山暮らしと世間のあれこれを書き綴ります

「震災復興祈念コンサート」実態は…

2012年04月09日 | Weblog

午前7時の気温は零度。なんだか寒々とした朝でござる。

雪はサラッと数ミリ降っただけ。曇り空で少し風がありまする。さて、きょうはどんな一日になるのでしょうか。

おぢは、体調良好。ではありますが、昨夜は休肝日のせいか、なかなか寝付けなかったのでござる。といっても、床に入って1時間ほどで朝まで熟睡。

いつもは5分しないでコトンと熟睡するゆえ、1時間も眠れないのは、異常事態なのじゃ。不眠症の皆さま、スマンこってす!!

さて、きのうは近くの蘭越町で「東日本大震災復興祈念コンサート」という催しが、町役場の主催で行われましたです。

札幌に避難しておる福島県民を呼び寄せて、コンサートも楽しんでもらおうという趣向でござる。

コンサートの出演者は、著名なハンガリーのクラリネット奏者などが続々登場するまことに豪華なもの。

ただし、単なるコンサートではござりませぬ。京大助教授にして同大原子炉実験所の今中哲二さんの講演があるのでござる。

そう、あの「熊取六人衆」のひとり、今中さんでござる。日本で初めて原発の安全性を問うた、伊方原発訴訟を支援した科学者グループが熊取六人衆なのじゃ。

でもって、この会を主催した蘭越町の町長は、元北海道町村会の会長にして、現在はご当地、後志町村会の会長でもありまする。

泊原発を抱える当管内、その町村会の会長が事実上の脱原発集会を催したことに、たいした意義がございます。

今中さんの講演は短いものでしたけど、質疑応答が興味深いことになっておったです。

福島から札幌へ移住してきた方たちからは、「被爆はどうか」「子どもの検査はどうしたら」といった切実な声も聞かれたのでござる。

また、ご当地泊原発への質問もござった。今回の福島第一原発事故では、カン総理が「ベント」を巡って大騒ぎしましたが、「泊原発のベントはどうなっているのか」というもの。

今中さんによると、「泊原発はPWR(加圧水型原子炉)で、ベントはない」のだそうだ。どうやら原子炉圧力容器が大きいので、水素爆発はないとしているためらしい。

今中さんは「今後ベントを付けることになるでしょう」と話しておったです。そう、泊原発は水素爆発などを避けるためのベントがないことになっておるのでござる。はぁ???

また、今回の事故では、水位計がしっかり機能しなかったのも事故の大きな原因の一つでござる。そこで、「泊原発の水位計はどうなっているか」さらに質問がありましたです。

今中さんは「アメリカのスリーマイル原発事故と同じ水位計が付いていて、交換のしようもない」のだそうな。

スリーマイル事故の原発は、泊原発と同じPWR(加圧水型原子炉)でござる。あの事故は、「原子炉冷却材喪失」事故ともいわれるそうです。

つまりどういうことが起こったかというと、水位計が正しい水位を示さなかったため、運転員が冷却水が過剰だと誤った判断をし、非常用炉心冷却装置を手動で停止。

冷却水が流出して燃料棒が破損、結果、メルトダウンしたのでござる。

その正しい水位を示さなかった水位計と同じものが、いまも泊原発に付いておる。しかも今中さんによれば、交換できないという。

事故はたいていの場合、人為的なミスが重なりまする。スリーマイルでも、フクシマでも水位計は誤った数値を示して、大事故につながっておる。

スリーマイルと同じ水位計しか付いてない泊原発、安全と言い切ることなど、できるわけがない。

話は戻って、このコンサート、きょうは午前10時から「低線量被爆に向き合う~チェルノブイリの教訓から学ぶ~」だそうな。

講師はベラルーシ科学アカデミーの先生やらウクライナ国立放射線医科大学研究所の先生だそうな。凄いコンサートでござる!!