グローバルネイチャークラブのガイド日記

グローバルネイチャークラブ(旧グローバルスポーツクラブ)のガイド仲間が観察した伊豆大島の自然の情報を中心にお届けします。

「安全学」を学ぶ学生さんとのツアー

2017年11月08日 | ツアー
10日ほど前のことになりますが、東北大学で「安全学」を専攻する学生さんたちの半日ツアーを案内しました。火山観測ロボットの実験で大島に滞在していた学生さんたちの最終日のツアーです。

「安全」はとても幅広いテーマなので「どうすれば学生さんに役立つツアーができるのかな?」と考えました。

で、ツアーの安全については、安全対策をまとめた店の資料を手渡しました。
火山噴火や土砂災害については、霧で見えない三原山以外の現場をいくつか、見てもらうことにしました。

まずは31年前に元町に迫った溶岩流と、土砂崩れの土砂が植生回復を進めている現場を見にいきました。

川の流れのように続く「溶岩流」を歩いて体感!

下流から上流に向かって、10分ほど歩きました。


土砂崩れによる被害を軽減するために、沢沿いに設置されている砂防ダムも見学。

「火山島で暮らす」ための現実の一部を知っていただきたくて、立ち寄りました。

続いて地層大切断面へ。

実験で忙しかった学生さんたちは、暗くなってからしか見に行けていなかったようなので、色のある(?)地層を見てもらいました☺️

山が吹き飛んで火砕流が島中に流れたり、大きく地面が削られるようなナニゴトカが過去に起こっていたり、液体の溶岩が沢を流れてきたり、マグマのしぶきが大量に飛んできて積もったり…火山島で生きるのはなかなか大変ですが、それでも人はこの島に、暮らし続けてきたのですよね…。

続いて「海の精」さんの製塩工場(快く見学を了解してくださいました)を見学。

海水組み上げ口が固い溶岩で囲まれ、台風の大波からも守られている風景や、海岸付近のマグマ水蒸気爆発の後と思われる地形、島の気候風土に合わせて工夫された結果、今の形で塩作りが行われていること等を紹介しました。

と、ここまで回ったところで「そうだ海でおやつを食べよう!」とお思い立ち、海を目指しました。

が…

台風21号後の沢には、大量のゴミが堆積!

人の胸高ぐらいまであった段差は、砂でほぼ埋め立てられていました!

砂がこれほど動くということは、ここまで波が上がってきたということですよね!

台風前はなかった大きな木も、砂地の通路(とい表現で良いのか不明ですが)に引っかかっていました。

台風パワー恐るべし(^_^;)

そしてそのパワフルな波の力の中で、壊れなかった丸い石がすごいです!

「頑張ったね〜」と、褒めたたえたくなりました☺️

みんなで波の音を聞きながらティータイム☺️


黒い砂浜をちょっとだけ歩いて…


高温の溶岩が積もったことでできた「赤い丘」を見てツアーを終了しました。

ツアーが終わってから「(火山観測ロボットの)プロジェクト1年目は機器開発、2年間以降は地学視点を加え、5年目で教授から『機器開発だけだなく、そこにすむ人たちの視点も会わせた実習に組み替えられないか』との提案があり、新たにできた実習メニューである」ということを知り、とても嬉しく思いました。

今回学生さんを引率されていた久利先生は、東日本大震災後、ずっと科学と住民をつなぐ活動をされてきた方です。

ツアー中は少ししかお話しする時間が取れませんでしたが、いつか時間を作ってゆっくりお話を聞かせてもらいたいと思いました。

学生さんからは「2人は気が合いそうだと思いました」と太鼓判押されたし(笑)、
今回も素敵な出会いに本当〜に感謝です!☺️☺️☺️

(かな)
コメント
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