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島田一男「小説・社会面記事―特ダネ記者」(廣済堂文庫)

2010-05-27 13:58:04 | 経営
を読んだ。
昭和26年ごろの新聞事件記者の話を綴っている。
島田一男という作家を知らなかったが文章は軽妙、推理小説の分野だが内容は今読んでも興味深い。
なかでも面白いのは昭和20年代の雰囲気が出ていること。
「ところが、部長、天下はそろそろ波おだやかでなくなりそうだからありがたい」
「おやッ亀ちゃん、いやにからむねェ」と記者とその部長の会話。
つづいて
「部長、三輪子はあれでも、もとは華族さまの奥方だ」
「存じ上げてますよ、毎日亀ちゃんのヘタクソな記事を読まされているから・・・・・もと子爵中野隆麿氏夫人、おっと、中野?中野か・・・・読めたよ、亀ちゃん、だんなが鼻の穴をおっぴろげてるわけが・・・・・。この広告の依頼者は中野隆麿氏か?」と続く。
なんとも昭和戦後まもなくの時代風景が読み取れる。子爵とか言葉だけでなく会話のやり取りがそうした雰囲気を醸し出していることに興味を覚える。
最後に収録されている「恐風」はトランクを使った死体のトリックなど興味を飽きさせない。
読んだ文庫はいくつかの短編をまとめたものだが今読んでもフィクッションとして通用する内容を持っている。
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