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社会保障・働き方改革本部・2040年に向けて

2018-11-25 15:33:25 | Weblog
厚生労働省は来年の消費税増税をもって介護保険制度の2025年の備えは完結し、これからは2040年に備えると、その改革本部設置の資料に書いた。
2040年に備える項目として、この本部資料では年金支給年齢、ICT活用などを記している。

これに対し、私見として2040年に向けて取り組む項目としては、高齢者の定義が最大のテーマで、介護特に居宅介護支援事業からはICT活用と生産性向上、成年後見人制度での中核機関、高齢者保有資産の流動化活用商品開発を実現していくことを挙げる。
高齢者の定義変更について、折茂肇は2006年日本老年医学会雑誌1月25日号に「活気ある長寿社会を目指して」と題した論文のなかで医学的見地を駆使して「65歳以上を高齢者とする現行の高齢者の定義をかえ、75歳以上を高齢者と定義し、高齢社会にふさわしい社会全体の仕組みを構築すべき」と提言をし、高橋紘一も同様の主張を2007年に「図説東京の福祉実態(226)東京都区市の2005年『国勢調査』人口―高齢者の定義を75歳に」で行っている。高橋はさらに2009年にも日本福祉大学研究紀要上で「高齢者の定義を『65歳以上』から『75歳以上』に変更し、それにふさわしい社会経済構造に組み替える」ことを主張し、高齢者の定義を65歳以上にしたのは平均寿命が男女とも65歳前後だったことで、これを前提として「社会経済の仕組みを組み立ててきたのだが、今や、前提条件が崩壊した」と指摘した。さらに高橋は「高齢者の定義を『80歳以上』と定義」することまで踏み込んでいる。
最近では本年6月開催された日本老年学会総会において萩原俊男は会長講演として「疾病や自立生活者の年代別頻度からみても、現在の65歳という高齢者の定義は不適当」であり、高齢者は75歳以上とするのが妥当で「この定義変更こそが高齢者問題の根本的解決」だと明言し、これらをうけて「高齢者の定義と区分に関する、日本老年学会・日本老年医学会 高齢者に関する定義検討ワーキンググループからの提言」(2017年1月)で65歳以上の人を
65歳から74歳を准高齢者
75歳から89歳を高齢者
90歳以上を超高齢者と区分することを提言した。
高齢者の定義変更に至る作業には雇用に係る企業、年金の受給開始年齢、医療そして介護への影響が及ぶことから、これらの分野での議論から合意を作っていくことになり、2040年に向けたビジョンの作成を行っていくのが改革本部の仕事だろう。

ICT活用では、データ構築に向けた作業が進行しており、着実な予算措置と実行をタイム施ケジュールに落とし込むことにより実現できると見ている。

成年後見人制度での中核機関設置は市町村会の意向を受けて直営に限ることなく委託での設置ができることになっているので市町村には中核機関を設けることが求められる。
中核機関が稼働することで任意成年後見人の啓発が行われ判断能力低下以前からの後見人契約が普及し、これが財産、人権だけにかぎらず死後の支援など、高齢者に限らず医療介護の関係者にとって現下の支障を解決していくことが期待される。さらに高齢者保有の資産の活用、相続、処分での活用も期待される。

高齢者保有の資産は各年代を通じてその額は多く、なかでも土地家屋の保有によって生じる相続や空き家の問題が生じているが、資産の活用を促す金融商品の開発も欠かせない。

これら高齢者定義の変更、ICT活用、成年後見人中核機関の設置そして高齢者保有資産の項目は2040年に向けた課題だが、厚労省で扱う範囲を超えている課題でもある。
来年の消費税増税をもって2025年対応は完結し、これからは2040年に向けた施策を模索していく社会保障は厚労省の範囲を超えた調整、議論、施策の立案実行という新たなステージたつことを予感させる。
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