浜名史学

歴史や現実を鋭く見抜く眼力を養うためのブログ。読書をすすめ、時にまったくローカルな話題も入る摩訶不思議なブログ。

「節電」という名の統制

2011-07-03 22:38:22 | 日記
 いったい電力会社は、「節電」の必要性を、具体的に説明したのだろうか。どうもおかしい。先日記したように、別に「節電」することが悪いというわけではないが、「節電」ということから全国各地で一斉に店頭から扇風機が消えるというのは、おかしい。みんなが一斉に「節電」のために扇風機を購入する・・・・!!

 このことに、私は恐怖を覚える。

 さらに、「節電」の根拠が明確にされていないのに、「節電」ということばが一人歩きし、国民のある種義務であるかのようになっている。このことに、私は恐怖を覚える。

 ファシズム!?

 
 さて「計画停電」のときも、東電は根拠を示さずに、「計画停電」を強行した。これは武田教授によって完膚無きまでに、それ東電の謀略であることが示された。

 引用させていただく。

http://takedanet.com/2011/06/post_98ab.html

発事故が起こった後の3月14日、東電の設備は6300万キロワットもあるのに、東電管内の国民が使った電気は、わずか2800万キロワットだった。

それでも東電は「計画停電」をすると言い張っていた。

その理由は「原発が事故を起こしたから」ということで、多くの国民は「仕方が無い」と思った。
・・・
3月14日の状態

電気設備    6300万キロワット

やられた原発   200万キロワット(運転中のもの(203))

差し引き    6100万キロワット(作る事ができた電気)

消費量     2800万キロワット
・・
えっ!と驚く数字だ。

福島第一原発の発電量は全部で470万キロワットだが、事故当時、4号機から6号機までは定期点検中で、もともと動いていなかったから、3月14日に東電が「実質的に事故でやられた原発の発電量」はわずか200万キロワットだったのだ!

残りは6000万キロワット。それに対して東電管内の国民が使った電気は2800万キロワットだから、ジャブジャブ余っている。

これほど余っているのに「計画停電」をした。国民は大変な迷惑を被ったが、政府(経産省)も、マスコミもこのトリックはほとんど言わなかった。

・・・
どこにトリックがあったのだろうか? 実は「福島原発が想定外の津波で壊れたから停電」ではなく、

1) 東電は原発だけではなく、火力発電の耐震性もサボっていた、

2) 設備をいつも休ませていた。

の2つが主な原因だった.

繰り返して言いたいのだが、3月の計画停電は、

「地震で福島第一が事故を起こしたから電気が足りなくなった」

のではなく、

「地震や危機に対する東電のあまい体質がもたらしたもの」

だった。

実際に東電はどんな状態に陥ったのだろうか?(単位は万キロワット)

総発電能力               6266

福島第一で動いていてダメになった量    203

福島第一で休んでいた量           78

津波でやられなかった福島第一       188

津波でやられなかった福島第二       440

地震でやられた火力発電所の量       680

(止まった総量)            1588

(津波に関係なく泊まった量)      1308

地震後の総発電量            4678
3月14日の消費量           2800
・・・
これでもまだとんでもなく余っていた(約2倍)。

「計画停電」を大々的に発表したが、現実には実施しなかった。それは、詳しく調べると現実には電気はあったということになるからだ。

でも、こうして内容を見ると、ずいぶん印象と違う.

東電は「津波でやられた。想定外だった」と言っているが、実は津波で破壊したのは、6266キロワットのわずか3%、203キロワットに過ぎない.

今回の震災はマグニチュード9という大地震だったが、福島原発は震度6である。震度6で原発も火力発電もやられて、電気が来なくなるということになると、東電は「何やっているのだ。地震の備えが出来ていないじゃないか!」と言われるので、福島第一の1から4号機が津波に襲われたことを全面に出して釈明した。

もちろん、地震でも津波でも備えなければならないのだが、実はこの説明もウソなのだ。本当のところは、大震災で停止した発電量1588キロワットの内、実に82%の1308キロワットが「地震」だけで壊れたのだった。

それも震度6以下である。つまり、

1) 現実には3月14日の計画停電は必要がなかった(設備能力は2倍あった)、

2) 普段から稼働率が低い運転をしていたので、そのツケがまわった、

3) 計画停電の理由として東電が言った「津波」の影響はわずか3%だから、これはウソで、「普通の規模の地震」で、多くの原発、火力発電が壊れたからだった、

というわけだ。

でも、自分たちのミスは「大人しい国民」と「自分たちをかばってくれる政府とマスコミ」に押しつけるという、いわば小児病の会社、それが東電のようだ。
・・・・・・
今、滑稽なことが全国で始まっている.

これから来る夏、電気が足りないから「節電」をしなければならないと言われている.それも東京ばかりではなく、名古屋でも大阪でも、また全国のほとんどのところで冷房温度を上げたりして、「省エネ」に努めている。

いったい、どうしたことだろうか? 本当に電気は足りないのだろうか?

東電の福島原発と中部電力の浜岡原発は止めたけれど、それだけでなんで日本中で「節電」が必要なのだろうか?

また私たちは騙されて、暑い夏を過ごそうとしている。もう、日本の誠意はどこに行ったのだろうか?









コメント
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