浜名史学

歴史や現実を鋭く見抜く眼力を養うためのブログ。読書をすすめ、時にまったくローカルな話題も入る摩訶不思議なブログ。

非正規労働者の増加と多忙化

2014-11-21 20:03:06 | 社会
 今週号の『週刊金曜日』の特集は、「非正規労働者2000万人時代」である。
自らの生活費を自ら稼がなければならないのに、その賃金は「家計補助」的賃金。とくに「契約社員」や「派遣社員」は、正規の労働者と同様の働き方をしているのに、充分な賃金を得ることができない。そういう人が増えているのだ。それだけではなく、低賃金であるにもかかわらず、重い責任が課せられ、加重な労働が強制される。バイトでさえも「ブラックバイト」と呼ばれる、低賃金・過酷労働が蔓延している。

 ボクの学生時代は、親の収入が右肩上がりで伸びていた時代なので、アルバイトは小遣い稼ぎのために片手間でやっていた。ところが現在は、親の賃金低下・学費の高騰により、学生のアルバイトはみずからの学費や生活費を稼ぐためのものになっている。

 日常生活に貧困がまとわりつく時代となっている。

 安倍政権は、そうした状況の改善を図るでもなく、さらに非正規を増やし、労働者の残業手当を奪い、長時間労働で働かせようとしている。

 労働組合の主流は、そうした働く者と連帯する意思をもっていない。労働者「冬の時代」を変革する可能性はないのだろうか。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

壊憲のための総選挙

2014-11-21 13:32:43 | 政治
 何のための解散か、『産経新聞』が11月19日付で、次のように報じている。

 安倍晋三首相が消費税再増税を先延ばしし、衆院解散・総選挙の断行を決めたのは、大目標である憲法改正に向け、できるだけ議席を失わずに済むタイミングは今だと考えたからだ。
 「憲法改正を考えると、自民党の衆院議席を20~30議席も減らさずに、現在の294議席を可能な限り維持できるタイミングを計りたい。まさに勝負だ」首相側近は10月下旬、周囲にこう語っていた。憲法改正の発議には、衆参両院で3分の2以上の賛成が必要となる。あと2年余りの衆院任期中に、必ず選挙を迎えなくてはならないのだから、議席確保に有利な時期を選ぶのも当然である。


 選挙の争点として前面に出してくることはないだろうが、「壊憲」を志向していることは間違いない。自民党憲法草案をとりあげて批判していくことも重要であると思う。


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

よい文である。

2014-11-21 09:37:53 | メディア
 今日の「中日春秋」。

 骨の折れる仕事は世の中にあまたあるが、インドのニューデリーに住むカイラシュ・サトヤルティさん(60)は、文字通り骨を折っている
 ▼まだ子どもなのに過酷な労働を強いられ、学校に行けない子を助け出すことに打ち込み、これまでに八万人を救出してきた。子どもらを安い賃金で酷使し、もうけている経営者にとって、サトヤルティさんは敵だ
 ▼だから何度も襲われてきた。「脚も頭も背中も肩も、とにかく私は体中の骨を折られた。仲間二人は殺された。若いスタッフが袋だたきに遭うなんて、しょっちゅうだ」と語っている
 ▼全世界では一億六千八百万人が、十八歳に満たないのに危険で有害な仕事をしている。十数年前に比べれば三分の二に減ったが、それでも驚くべき数だ。日本でも人気のスマートフォンやスポーツ用品が安く買える陰には、児童労働があるという指摘も繰り返されてきた
 ▼サトヤルティさんの原点は子どものころに見た光景だという。同じ年ごろの子が学校に行けず、通りで靴磨きをしていた。「こういう問題に立ち向かわなくては…。これは、必ず合格しなくてはいけない道徳のテストだ」と考え続け、行動して、今年のノーベル平和賞に輝いた
 ▼児童の酷使などを禁じた「子どもの権利条約」が採択されてから、きのうでまる二十五年たった。私たちはまだまだ、テストに合格しそうもない。


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする