今日『歴史評論』12月号が届いた。ボクが購読している唯一の歴史系の雑誌である。その表紙ウラなどに本がたくさん紹介されている。もちろん歴史関係の本がほとんどだ。だが果たして売れるのだろうか。おそらく売れない。ボクは何らかのことを書いたり、話したりしなければならないという状態におかれた時だけ、歴史関係の本を買う。したがって、「現代」に関係するものがほとんどで、近代以前の本は、よほど面白いものでなければ買わない。
今の学生は、学費も高く、親がすべてを仕送りで学生生活を支えることができなくなっているから、本を買うカネはないし、アルバイトで時間をとられるから本を読む時間がない。
そして学生以外は、研究者だけが買う。今は、研究書はほとんど売れない。だから本を出そうとする人(著者)が出版の経費を負担するのがふつうになっている。
それにしても、本が売れない、本が売れない、といいながら、出版点数は多い。某書店なんかは、経営のためにたくさん出版する。というのも、いちおうこの会社の本は、図書館などが買う確率が高いので、出版すればとにかく一定数は売れる、だから出版する。
電車に乗っても、本を読んでいるのは高齢の人だ。若い人はスマホ。
本が、生活から消えていく。他方で、読む人の所にはたくさんの本が蓄積されていく。しかしそれはきわめて少ない。
ボクの知り合いは、本を読む人が多い。その本の後始末をどうしようかと悩んでいる人が増えている。ボクも含めて、生きられる時間が少なくなっているからだ。