「慰安婦」問題はなかった、という妄説がある種のブームのように生まれ、そして去った。きっかけは『朝日新聞』の、「慰安婦」報道に関して吉田清治の偽りの証言を掲載したことを訂正するという8月の訂正記事だ。『朝日』は、ただこの吉田証言のみを否定したのであって、「慰安婦」問題を全体を撤回したのではなかった。にもかかわらず、新聞、週刊誌が激しい批判を加えた。まさに1930年代の再来であるかのような状況だった。
吉田証言は『朝日』を批判する『読売』も載せていた。おのれのことを棚に上げて、『読売』は激しい批判を繰り広げた。1990年代、「慰安婦」問題に積極的に関わっていた良心的な女性記者がいた。彼女は『読売』の記者で、この問題を熱心に報道していたことを覚えている。
さて本書は、「一点突破・全面否定」により歴史認識を「修正」し、「日本は戦争中も悪いことはしていない」と主張したい者ども(国際的には、きわめて恥多き姿勢である!)に対する、有効な、それもきわめて具体的な資料を駆使しての反論が詳述されている。『朝日』攻撃とともに主張された事柄に関しても、いかにその主張が間違っているか、あるいは根拠なき主張であるか、あるいはためにする批判であるかを、明確に証明する。
「慰安婦」問題に関心を持ち、『朝日』攻撃の不当さを知りたい人は読んでおいたほうが良い。
だがしかし、もっとも読んで欲しい妄説を主張する人々は、おそらく読まない。
もうあの狂気のような「慰安婦」バッシングのブームは去ったようだ。そのブームは、「慰安婦」認識を大いに歪めながら去って行った。だからボクらは、もう一度「慰安婦」認識を再構築していかなければならない。そのために、この本を読んでおきたい。
吉田証言は『朝日』を批判する『読売』も載せていた。おのれのことを棚に上げて、『読売』は激しい批判を繰り広げた。1990年代、「慰安婦」問題に積極的に関わっていた良心的な女性記者がいた。彼女は『読売』の記者で、この問題を熱心に報道していたことを覚えている。
さて本書は、「一点突破・全面否定」により歴史認識を「修正」し、「日本は戦争中も悪いことはしていない」と主張したい者ども(国際的には、きわめて恥多き姿勢である!)に対する、有効な、それもきわめて具体的な資料を駆使しての反論が詳述されている。『朝日』攻撃とともに主張された事柄に関しても、いかにその主張が間違っているか、あるいは根拠なき主張であるか、あるいはためにする批判であるかを、明確に証明する。
「慰安婦」問題に関心を持ち、『朝日』攻撃の不当さを知りたい人は読んでおいたほうが良い。
だがしかし、もっとも読んで欲しい妄説を主張する人々は、おそらく読まない。
もうあの狂気のような「慰安婦」バッシングのブームは去ったようだ。そのブームは、「慰安婦」認識を大いに歪めながら去って行った。だからボクらは、もう一度「慰安婦」認識を再構築していかなければならない。そのために、この本を読んでおきたい。