浜名史学

歴史や現実を鋭く見抜く眼力を養うためのブログ。読書をすすめ、時にまったくローカルな話題も入る摩訶不思議なブログ。

【本】『Q&A「慰安婦・強制・性奴隷」 あなたの疑問に答えます』(御茶の水書房)

2014-11-13 22:06:38 | 社会
 「慰安婦」問題はなかった、という妄説がある種のブームのように生まれ、そして去った。きっかけは『朝日新聞』の、「慰安婦」報道に関して吉田清治の偽りの証言を掲載したことを訂正するという8月の訂正記事だ。『朝日』は、ただこの吉田証言のみを否定したのであって、「慰安婦」問題を全体を撤回したのではなかった。にもかかわらず、新聞、週刊誌が激しい批判を加えた。まさに1930年代の再来であるかのような状況だった。
 吉田証言は『朝日』を批判する『読売』も載せていた。おのれのことを棚に上げて、『読売』は激しい批判を繰り広げた。1990年代、「慰安婦」問題に積極的に関わっていた良心的な女性記者がいた。彼女は『読売』の記者で、この問題を熱心に報道していたことを覚えている。

 さて本書は、「一点突破・全面否定」により歴史認識を「修正」し、「日本は戦争中も悪いことはしていない」と主張したい者ども(国際的には、きわめて恥多き姿勢である!)に対する、有効な、それもきわめて具体的な資料を駆使しての反論が詳述されている。『朝日』攻撃とともに主張された事柄に関しても、いかにその主張が間違っているか、あるいは根拠なき主張であるか、あるいはためにする批判であるかを、明確に証明する。

 「慰安婦」問題に関心を持ち、『朝日』攻撃の不当さを知りたい人は読んでおいたほうが良い。

 だがしかし、もっとも読んで欲しい妄説を主張する人々は、おそらく読まない。

 もうあの狂気のような「慰安婦」バッシングのブームは去ったようだ。そのブームは、「慰安婦」認識を大いに歪めながら去って行った。だからボクらは、もう一度「慰安婦」認識を再構築していかなければならない。そのために、この本を読んでおきたい。



 
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「たかじん」

2014-11-13 09:53:39 | 社会
 「たかじん」という人については、ほとんど知らない。しかし、「・・・そこまで言って委員会」などという番組が、放言をまき散らしていたことは聞いたことがある。

 さてその「たかじん」、父が在日コリアンだったそうだ。
http://lite-ra.com/2014/09/post-464.html

 そしてその「たかじん」について、あの百田が『殉愛』なるものを書いて、キャンペーンをしたそうだ。しかし、そこには「嘘」が多々あるという。

http://lite-ra.com/2014/11/post-626.html

 このリテラ、それ以外にも、「たかじん」と百田について、いろいろ情報を流している。ご覧あれ!

http://lite-ra.com/2014/11/post-623.html

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「財政危機」(?)

2014-11-13 08:53:34 | 政治
 多くの日本人は、本当にやさしい。何に対してかと言うと、政治権力に、である。たとえば、先日の記事。運動会の歓声や子どもが遊んでいるときに発する声がうるさいからといって、市当局に「騒音」だとして連絡してくるというのだ。
 しかし浜松市の場合、上空を航空自衛隊機が飛び回る。そちらの騒音が、ボクはとてもうるさい。

 しかし、そういうまさに騒音について、「うるさい!」という抗議は少ないそうだ。

 さて衆議院の解散が報じられるようになった。総選挙には何百億円のカネがかかる。自民党の議員ですら、解散総選挙の「大義」はないといっている。それでも総選挙をするというとき、安倍政権の頭には「財政危機」はない。
http://www.huffingtonpost.jp/2014/11/11/election-cost_n_6143130.html?utm_hp_ref=japan

 実際通常会計は莫大な赤字である。しかし、政府はいっこうに緊縮財政を組もうという発想はなく、公共事業などに莫大なカネを投じている。「財政危機」なんか糞食らえ!という感じである。地方自治体も同じ。たとえば浜松市は、浜松市をセールスしようという、アホみたいなところに大金をつかう。それによって市長は、旅行三昧だ。

 為政者は「財政危機」を気にしない。彼らが「財政危機」を叫ぶときは、増税のときだ。といっても、増税の対象は国民のみである。企業に対しては、ほとんど納めていないのに、日本の法人税は高すぎると言って、減税するというのだ。他方、国民、とりわけ貧しい人々を直撃する消費税の増税にはとても熱心だ。

 政府も自治体も、企業にはたくさんの補助金を散布している。企業が土地を購入して工場を建設するというと、固定資産税をまけてあげたり、補助金をだす。その企業のために道路をつくってやる。高速道路への出入りが容易になるよう、スマートICをつくってあげる。至れり尽くせりである。

 いつでもどこでも、しわ寄せを食らうのは、庶民のみ。庶民は、しかし、政治権力に、どこまでもやさしい。文句を言わない。文句を言う相手は、哀しいかな、自分よりも力のない人々に対してである。

 歪んでいる、と思う。

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