浜名史学

歴史や現実を鋭く見抜く眼力を養うためのブログ。読書をすすめ、時にまったくローカルな話題も入る摩訶不思議なブログ。

【本】矢部宏治『日本はなぜ、「基地」と「原発」を止められないか』(集英社インターナショナル)

2014-11-22 23:39:03 | 
 この本は、沖縄の話から始まる。
 テレビのニュースなどで、米軍機が沖縄の住民が密集して住んでいる上空をひっきりなしに低空飛行をしていること、しかしその近くにある一定の場所の上空では米軍機は低空飛行していないという事実、その場所とは米軍人らの住居があるところであること、米国では住民が住む上空の低空飛行は禁じられていること、危険だからだ、だから米軍機は米国の法は守る、しかし沖縄の住民が住むところで低空飛行することはかまわない、という話から始まる。

 こうした人権侵害の事実があるにもかかわらず、日本政府はその状態を変えようとはしない。日本人の人権が侵害されても、それを放置する。

 次の話は、鳩山民主党内閣のこと。鳩山政権は、普天間基地の県外または国外への移設を提案したこと、しかしその案をこともあろうに米国(米軍)に対してちくったり、批判したりした官僚がいたこと、その名は防衛官僚・高見沢將林(たかみざわのぶしげ)と外務官僚・齋木昭隆であること、そしてその政権とともにあった小沢一郎に対して検察が執拗な攻撃を繰り返したこと、それにマスコミも協力したこと、である。

 このような事例をもとに、「日本の本当の権力の所在が、オモテの政権とはまったく関係のない「どこか別の場所」にあることが、かなり露骨な形で明らかになった」(17頁)とし、どこに「本当の権力」があるかを、戦後史の展開のなかで明らかにしていくという内容である。

 ボクはこの本をざっと読んだ。すばらしい本だ。そして今、もう一度読み直し始めている。今度はじっくりと。

 安倍政権はじめ日本の政治が、どうにもこうにもならないという現実。その理由が解き明かされる。

 総選挙がおこなわれる。日本政治の本質をしっかとみつめるべきである。この本の価格は、1200円+悪税である。

 ぜひ、ぜひ読んで欲しい。
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