浜名史学

歴史や現実を鋭く見抜く眼力を養うためのブログ。読書をすすめ、時にまったくローカルな話題も入る摩訶不思議なブログ。

戦後民主主義

2014-11-14 23:58:50 | 日記
 今日は静岡市を経由して富士市に行った。1960年代末から70年初めにかけて富士市とその周辺で闘われた富士川火力反対闘争、田子の浦ヘドロ問題を闘った当事者から話を聞くためである。

 そのために、このブログで紹介した2冊の本を読んでいった。その2冊の本、今日話を伺ったHさんの話からわかることは、やはり民主主義や環境権などは闘いとるものであるということだ。2冊の本の著者、Hさんも、環境破壊の状況に対してやむにやまれず立ち上がった。

 企業の垂れ流しなど環境破壊に対して、何とかしなければならないと思い、人々と語らい、学び、行動していく。そういうなかで、憲法などに書かれているものを自らのなかに血肉化していく。その過程は、憲法の人権規定を実現していくことでもある。

 いい憲法が制定されても、それはただ単なる文字である。その文字に血を通わせた人々が戦後民主主義をつくってきた。

 戦後民主主義は、そうした無数の人びとの努力のなかでその姿を現してきたのである。いわば、彼らは戦後民主主義の「彫り師」である。

 今日その「彫り師」の一人から、貴重な話を伺った。Hさんは東電社員だった。しかしHさんは、東電の富士川火力反対闘争に率先して入り込んでいった。その結果、出勤しても仕事がない状態におかれたりした。でも闘い続けた。

 Hさんのような「彫り師」によって造られた戦後民主主義を崩壊させてはならない。

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北星学園大学事件

2014-11-14 20:50:15 | 政治
 「慰安婦」問題に関する『朝日新聞』バッシングに関わって、「慰安婦」記事を書いた元記者・植村氏が勤める北星学園大学に、様々な脅迫や嫌がらせが集中した。その内容を知れば知るほど、怒りが湧いてくる。

 今週号の『週刊金曜日』は、この問題を特集している。『週刊金曜日』だけではなく、1930年代の天皇機関説事件や矢内原事件を彷彿させるこの事件については、良識あるメディアはもっともっと報道して、脅迫・嫌がらせをする者どもを孤立させるべきである。

 ボクは『朝日新聞』を購読していないのでわからないが、この北星学園大学の事件について、『朝日新聞』はどう報道しているのだろうか。『朝日新聞』は、植村氏を守るべきであり、同時に、学問の自由などの人権侵害に強く抗議すべきであるし、植村氏とその家族にたいする嫌がらせや脅迫と、植村氏と共に断固闘うべきである。もちろん朝日新聞労組、新聞労連も、である。
 ボクは1930年代の再来を望まない。記者諸君も同様だろう。報道の自由、学問の自由への侵害を座視すべきではない。

 ウルトラ・ナショナリストは、democratic powerが一歩引き下がればそれに味をしめて、さらに一歩も二歩も進んでくる。

 あのヘイトスピーチに対するカウンター行動により、ヘイトスピーチ集団の動きをかなり抑えることができている。それを見習うべきだ。
 
 ところで北星学園大学が不当な攻撃により、様々な損失を被っている。そのため、植村氏の講師の契約を次年度は更新しないと言っている。

 果たして、そういう不当な攻撃に屈せざるを得ない状況をつくりだしてよいものだろうか。

 ボクたちに一体何ができるのかを考えなければならない。もちろん、朝日新聞社、同労組、そしてメディア関係者、さらに大学関係者・・・・
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