首相夫人の昭恵という人は、森永という会社の社長「令嬢」だという。
森永というと、私は森永ヒ素ミルク事件を思い出す。私の遠い記憶の中には、モリナガの製品は買わないようにしようというものがある。だから今も買わない。
※ちなみに雪印も買わない。雪印の創業者はあの田中正造と関係がある方だ。しかし、食中毒事件を起こし、会社は公式に謝罪をしたが、裁判ではみずからの罪を認めずに争っていた。だから私は買わない。
森永乳業がつくった粉ミルクにヒ素が混入し、多くの子どもをヒ素中毒にした。
安倍昭恵の問題が生じたので、いつかNHKのETV特集で放映されたドキュメンタリーを見せてもらった。
事件が起きてから60年ほどが経過した。障害をもった子どもたちはすでに還暦を過ぎている。その親たちも高齢となったり、あるいは亡くなられている。
この60年間という時間。こういう事件を引き起こした企業は存続しているが、事件の被害者は、子どもだけでなくその家族も筆舌に尽くしがたい苦難の道を歩んできたことと思う。被害者に対して、森永乳業は恒久的な補償をしているというが、彼らの人生を元に戻すことはできない。
一度でもこういう事件を引き起こした企業は、まことに罪作りである。
このドキュメンタリーの中で、被害者の石川さんは、「記憶」ということをしきりに強調されていた。こういう事件があったということを、記憶というかたちで残したい、という強い希望が表明された。
私たちも、この事件を忘れない、伝えていくということをしなければならないと思う。石川さんは、石川さん自身が事件を表現しながら生きている。その意志をみずからのものにしたいとおもう。