浜名史学

歴史や現実を鋭く見抜く眼力を養うためのブログ。読書をすすめ、時にまったくローカルな話題も入る摩訶不思議なブログ。

絵はみずから語らない

2017-04-16 21:43:00 | その他
 『芸術新潮』3月号の特集は、ミュシャである。今国立新美術館で行われているミュシャ展の展示、全20点の巨大なスケールの「スラブ叙事詩」を掲載している。ミュシャと言えば、花に彩られた豪華な美しい女性の絵が有名で、私はそれしか知らなかったのだが、そうではない歴史写実的なものがあった。

 今日、NHKの日曜美術館でミュシャを取り上げていた。「スラブ叙事詩」の絵は、『芸術新潮』の写真よりテレビ画面のほうがきちんとみることができた。これは東京まで行かなければならないのかなと思った。

http://www.mucha2017.jp/

 というのも、ミュシャの豪華な女性の絵は写真でも充分だが、「スラブ叙事詩」は、みずからの目でみないと分からないし、語れない。

 以前にも書いたが、絵はみずから語ることをしない。それにことばで表現されているわけでもない。絵を見る自分が、絵と対面する中で、その絵をことばで表現しようとする。おそらく、そのことばは人によって異なるだろうと思う。芸術はそうでなくてはならない。演劇でもそうであるが、みる人の感想が全く同じであったのなら、それは芸術ではない。

 芸術を鑑賞するというのは、まったくの個人的な作業である。絵で言うならば、その絵に自分は何を見いだすのか。あるいは、絵が語りかけるものを、自分はどう受けとるのか。

 「ヴォドニュヌイ近郊のペトル・ヘルチツキー」のほぼ中央に、絵を見る者をみつめる女性が描かれている。『芸術新潮』の写真の場合は、絵が小さく、その女性の顔の表情は見えない。テレビでは、その女性の眼が映し出されていた。
 この絵は、その女性の表情や眼をみつめないと、それが語りかけるなにものかを知ることはできない。ナマの絵を見るという意味がそこにある。

 展覧会で図録を購入することがあるが、その図録の写真、最近はよくなってきたが、やはり現物とは大きく異なる。光が違う。本物の絵は、光をみずから放つ。写真は、光を反射する。

 スペインに行って、ゴヤの「着衣のマハ」と「裸のマハ」の実物をみた時、それに気付いた。

 日曜美術館の問題点。絵はみずから語ることはない。しかし、その番組の司会をする者は、絵を前にして話す。今は、井浦新という男性と女性アナウンサーがその役をしているが、井浦のコメントはいらない。井浦のコメントを話させるなら、ただ絵を映し出しておくだけでよい。彼のコメントは、私にとっては雑音である。

 絵はみずから語らない、だから見る者に語らせて欲しい、誰にも邪魔されずに。
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桜花

2017-04-16 07:03:09 | その他
 ネモフィラが真っ盛りである。水色が絨毯のようにひろがっている。そしてその後ろのストロベリートーチが少し赤色の花をつけ始めた。そして大きな鉢に植えてある日本スミレは、小さな紫色の花を可憐に咲かせている。近年は、ネモフィラとストロベリートーチ、そしてチューリップが春の花壇を飾る。

 そしてダリアのような百日草は、芽が出てきた。これはこの後に花壇や家の周りに植えつける。

 近所では、花の苗を買ってきて植えているが、私の場合は種から育てる。庭には、野菜の種をまいたプラスチックの容器が並べられている。キュウリ、ナス、レタス、ズッキーニ、ししとう、ピーマン・・・これらもすべて種から育てる。生長してきたら畑に植える。

 水遣りなどがなかなかたいへんである。

 昨日普通列車で静岡市に行ったが、窓の外から桜の花がよくみえた。今が満開なのだろうか。

 桜の花のように咲いてぱっと散る、というようなことが、軍人のあるべき姿といわれたのは70年以上も前のことだが、いつも思うのは、桜の花は毎年咲く。桜の木は、春になると毎年花をつける。花は散るが、木は生き続ける。

 考えてみれば、桜の木は、日本のありかたを示しているのかもしれない。いつも末端は責任を取らされて散っていくが、おおもとは何の影響も受けず生き続ける。日本軍も、死ぬのは下級兵士、飢えに苦しんだのも下級兵士。軍幹部は敗戦まで豊かな食事にありつき、戦後は隠匿物資でゆったりと生きていた。

 やっと暖かくなってきた。

 しかし、日本周辺は戦争の兆し。トランプ政権が北朝鮮を攻撃するという情報がある。金正恩は、アメリカ何する者ぞといきりたつ。彼らはいつも安全地帯。庶民は無防備で日常生活を送っている。戦争が起きれば、まっ先に被害を被るのが庶民。

 所詮庶民は桜花か。
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