『東奥日報』社説。
2017年4月22日(土)
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おごりをまず自覚せよ/政権幹部の不用意言動
安倍内閣の政務三役や自民党幹部による不用意な言動が止まらない。
今月に入ってからだけでも今村雅弘復興相の東京電力福島第1原発事故に伴う自主避難者対応を巡る無配慮な発言や、山本幸三地方創生担当相の文化財保護などに絡む事実誤認的な発言が続き、18日には中川俊直衆院議員が女性問題で経済産業政務官を辞任した。
また、自民党幹部では古屋圭司選対委員長が、沖縄県うるま市長選に立候補した野党系候補の公約に関して「市民への詐欺行為にも等しい沖縄特有のいつもの戦術」と自身のフェイスブック(FB)で批判していたことが表面化した。
閣僚や自民党幹部の言葉が原発事故の被害に苦しむ福島県や、基地問題を抱える沖縄県の住民に対して向けられているのは憂慮すべきことだろう。
さらに問題なのは、一連の失言が、森友学園問題などを巡る稲田朋美防衛相の答弁や「共謀罪」の趣旨を盛り込んだ組織犯罪処罰法改正案審議での金田勝年法相の迷走が政治問題化した後に起きている点だ。安倍政権全体のおごり、緩みを批判する声が上がっている。
2013年参院選、14年衆院選に続いて勝利を収めた昨年夏の参院選後には、次のようなことがあった。
昨年9月、臨時国会冒頭の衆院本会議で、安倍晋三首相が、自衛隊員らをたたえるために所信表明演説を中断して拍手、多くの自民党議員がこれに応えて、一斉に起立し拍手するという一幕があった。大島理森議長が着席を促した。
その翌月には、山本有二農相が佐藤勉衆院議院運営委員長のパーティーで、環太平洋連携協定(TPP)承認案について「強行採決するかどうかは佐藤氏が決める」と言及した。さらに後日、山本氏は自身のこの発言について「冗談を言ったら(閣僚を)首になりそうになった」と軽口をたたいた。
一連の出来事が、「自民一強」のおごりの表れと指摘されても仕方がない。おごりがあったとしても、反省があれば、自らを律することはできるが、相次ぐ失言からは反省どころか、おごりへの無自覚さすらうかがわせる。おごりという言葉だけでは、片づけられない深刻な状態なのではないだろうか。