愛媛新聞のコラム。読んでいて、静かに感動した。
地軸
山城さんの訴え
2017年6月18日(日)(愛媛新聞)
本当に日本で起きていることなのか、目を疑った。全国から何台もの大型バスで押し寄せる機動隊。座り込みを続ける住民らの中に分け入り、一人ずつ数人がかりでひきずり出す▲
沖縄の米軍基地前で繰り返される光景だ。フリージャーナリストとして沖縄の最前線を記録し続ける三上智恵さんの映像は、がくぜんとする現実を映し出す▲
二度と戦争の島にしたくないとの住民の切なる思いは届かない。政府は新基地反対を示す選挙結果をことごとく無視、話し合いに応じず、最後の手段の非暴力デモも強制排除する▲
映像には山城博治さんの姿もあった。市民団体「沖縄平和運動センター」を率い、病を押して日々基地の前に立つ。機動隊に車の上から引きずり下ろされ負傷した女性を案じ、やりきれなさに泣き崩れる表情が忘れられない▲
彼は活動中、有刺鉄線を切断した器物破損容疑で逮捕され、5カ月もの間拘束された。家族と会うことも許されず、抗議運動からの離脱を迫られたという。だが「私も沖縄県民も弾圧に屈しません」。「人権のとりで」とされる国連人権理事会で先日、民意の尊重を訴えた▲
沖縄では歌い、踊り、語り合いながら、しなやかな抵抗が続く。活動する人に通勤の車から手を振ることも連帯だと、山城さんは先月今治で講演した。「共謀罪」法が成立、人権や表現の自由侵害は人ごとではない。まずはこの国の現実を知ることから連帯したい。
地軸
山城さんの訴え
2017年6月18日(日)(愛媛新聞)
本当に日本で起きていることなのか、目を疑った。全国から何台もの大型バスで押し寄せる機動隊。座り込みを続ける住民らの中に分け入り、一人ずつ数人がかりでひきずり出す▲
沖縄の米軍基地前で繰り返される光景だ。フリージャーナリストとして沖縄の最前線を記録し続ける三上智恵さんの映像は、がくぜんとする現実を映し出す▲
二度と戦争の島にしたくないとの住民の切なる思いは届かない。政府は新基地反対を示す選挙結果をことごとく無視、話し合いに応じず、最後の手段の非暴力デモも強制排除する▲
映像には山城博治さんの姿もあった。市民団体「沖縄平和運動センター」を率い、病を押して日々基地の前に立つ。機動隊に車の上から引きずり下ろされ負傷した女性を案じ、やりきれなさに泣き崩れる表情が忘れられない▲
彼は活動中、有刺鉄線を切断した器物破損容疑で逮捕され、5カ月もの間拘束された。家族と会うことも許されず、抗議運動からの離脱を迫られたという。だが「私も沖縄県民も弾圧に屈しません」。「人権のとりで」とされる国連人権理事会で先日、民意の尊重を訴えた▲
沖縄では歌い、踊り、語り合いながら、しなやかな抵抗が続く。活動する人に通勤の車から手を振ることも連帯だと、山城さんは先月今治で講演した。「共謀罪」法が成立、人権や表現の自由侵害は人ごとではない。まずはこの国の現実を知ることから連帯したい。