浜名史学

歴史や現実を鋭く見抜く眼力を養うためのブログ。読書をすすめ、時にまったくローカルな話題も入る摩訶不思議なブログ。

【映画】「タクシー運転手~約束は海を越えて」

2018-07-16 20:53:22 | 映画
 韓国映画。1980年5月に実際にあった光州事件。全斗煥軍事独裁政権に抗して民主化運動を行った光州市民に、軍は銃器をつかい鎮圧を試みた。光州市を閉鎖し、韓国の軍隊は市民を無差別に殺戮した。その実際の姿は、隠されていた。しかしドイツのジャーナリストは光州に潜入し、軍が市民を殺戮する姿を撮影、数々の危険に遭遇しながらも何とか脱出し世界に報じた。

 この映画は、そのドイツ人ジャーナリストをソウルから光州に運び、そして脱出させたタクシー運転手を描く。

 前半部のタクシー運転手のある意味滑稽な日常生活は、金儲けのために外国人ジャ-ナリストを乗せてから、徐々に変化していく。タクシー運転手の日常生活からは想像できない出来事が起きていた。光州で何が起きているかを撮影に来たジャーナリストと同一行動をとるのだから、無数の危険と隣り合わせであった。

 ジャーナリストの問題意識を持っていなかったタクシー運転手は、しかし光州の状況、光州市民の怒りと闘いに触れる中で、彼自身も変化していく。光州の姿を世界に伝えて欲しい、これは抵抗する光州市民の意志であると同時に、タクシー運転手の意志となった。

 光州における軍と市民との行き詰まる闘い、市民に対して無差別に銃弾が撃ち込まれる。ジャーナリストとタクシー運転手は、それを見届け、世界に伝えるべく光州を脱出。

 光州事件は、世界に発信される。

 後半、私は拳を握りながら、必死に画面を追った。私の目は喰いいるように、事態の展開を追った。

 韓国は、このような過酷な歴史を経て、今がある。

 私は韓国史を勉強し、それを書いたことがあるが、韓国の近現代史は、壮絶であった。植民地支配、南北分断、朝鮮戦争、軍事独裁政権・・・・・・韓国市民の苦痛を日本人がどれほど同時代的に見つめていたのか。日本の責任は、実は重大である。私は、韓国のこうした歴史を繙く時、日本人としての責任を感じ、申し訳ないと思う。

 韓国の今は、光州事件など韓国の人々に襲いかかった圧迫や迫害と闘い、振り払ってきた歴史が支えているのである。とても感動的な映画である。多くの人に見てもらいたい。

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スルガ銀行の不正融資

2018-07-16 08:35:39 | その他
 私は某社の辞典で、岡野喜太郎のことを書いたことがある。岡野喜太郎は、スルガ銀行の創始者である。スルガ銀行の会社沿革史にも、岡野喜太郎のことが記されている。

https://www.surugabank.co.jp/surugabank/corporate/history/#event-1887

 岡野は、地域住民の経済生活の向上を助けるという扶助の精神で金融事業を営んでいた。そうした創業の精神を知っている私は、今回の不正融資の事件が大きく報じられている中、スルガ銀行に匿名で創業者の精神を踏みにじることのないようにというメールを送った。創業者が地下で泣いているだろう。

 しかしスルガ銀行は、みずからの不正について、表面では謝罪をしながらも、実質的には居直っているようだ。信用を失った金融機関がどうなるか。

 スルガ銀行の創業者一族は、長泉町にビュッフェ美術館を持っている。またその周辺にも、いくつかの施設を展開している。

 私はスルガ銀行に口座を持っているわけではない。しかしビュッフェ美術館に何度も足を運び、また創業者の精神を評価したことから、スルガ銀行に特別の思いをもっていた。

 もうスルガ銀行に対するプラスの評価は捨てるべきである。

 ただ、高額の借金をした人々、うまい話にはウラがある、のである。ほんとうに儲けられるものは富豪らがすでに行っていて一般の人には渡さない、ということを知っておくべきだ。うまい話には、詐欺と虚構が隠されている。

 なぜか、そんなことで金が儲かるわけがないというような詐欺的な儲け話に投資している人々がなくならない。騙されやすいのだろうか。それとも金がありすぎて詐欺的なものにも投資してみようとおもうのだろうか、一か八かだ!というように。

 スルガ銀行の行ったこと、それが公になったとき、その後のスルガ銀行の対応には、驚き呆れたが、ふつうの人々は、詐欺的な儲け話にのらないことを肝に銘じるべきである。

「優等生」称賛の裏で恫喝や重圧 スルガ銀、不正の構図
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