浜名史学

歴史や現実を鋭く見抜く眼力を養うためのブログ。読書をすすめ、時にまったくローカルな話題も入る摩訶不思議なブログ。

新聞がつかうことば

2020-06-16 11:06:31 | メディア
 『東京新聞』6月14日付の「新聞を読んで」というコラムに、上西充子さんが「「反発」と見る目線」を書いている。

 その出だしをここに書いておこう。

 このところ各紙の記事中の「反発」の文字に目が留まる。「誤解を招くこととなりおわびしたい」という釈明と同様の違和感があるのだ。「誤解を」という釈明には、「誤解したらそちらの側に問題はあるのだが、仕方がないのでこちらが頭を下げてやろう」という思いが感じられる。同様に「反発」という文字からは「わけも分からず感情的にいきり立って、やっかいな人たちだ」という目線を感じるのだ。

 『朝日新聞』も『読売新聞』も『毎日新聞』も、そして『東京新聞』も「世論の反発」とか「野党は反発」とか「反発」ということばを多用している。

 上西さんは

 記者としては、「野党は反発」「世論は反発」と記しても見下しているつもりはなく、簡潔な表現として用いているだけかもしれない。しかし、では「検察OBも反発」と書くだろうか。

 と疑問を呈している。

 たしかに記者たちに「見下している」という思いはないかもしれない。しかしその目線は権力者と同じなのだ。記者たちは権力者と同じ立場にいて、権力者への批判や抗議を「反発」と捉えているのである。それが「反発」ということばの使用となって現れるのだ。
 結果的には権力者の視線から「見下している」のである。

 そういう視線から書かれた記事であることを前提に、私たちは記事を解読していかなければならない。
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新型コロナウイルス「相談の目安」

2020-06-16 10:42:15 | 政治
 『東京新聞』6月14日の第一面は、新型コロナウイルスに感染した人々を重篤化し、死に追いやった、悪名高き厚労省作成の「受診の目安」がどのような経緯で作成されたかを追跡する記事で埋められていた。

 悪名高き厚労省が示した目安は、

 以下のいずれかに該当する方は相談する。
 風邪の症状や37.5℃以上の発熱が4日以上続く方
 強いだるさや息苦しさがある方


であった。新型コロナウイルスに感染したかも知れないと思った人々が保健所に相談しても、この条件を満たしていないと検査・受診を拒否され、重篤化し、なかには亡くなられた方もでた。

 しかしこの目安、どのような経緯で作られたのかについて、厚労省は明らかにしていない。そこで『東京新聞』が調査をしたわけである。

 ところがこの目安を決めたとされる専門家会議、極めて重要なことが決定されたにもかかわらず、議事録がない。そしてその会議に参加した人々は記憶にないという。経緯が分からないのである。なんという無責任な厚労省、専門家であろうか。
 私は以前からこの「専門家会議」に参加する「専門家」を、専門家とは認めないと書いてきた。専門家というのは自らの言動に関して責任を取る人が専門家なのである。

 重要なことを決定したにもかかわらず、議事録もなく、参加した「専門家」も「記憶がない」というのだという。
 「専門家」の人々は責任をもった発言をしていないということでもあり(ということはいい加減なことを発言したということでもある)、また医学的・科学的根拠なしに発言していたのであろう。

 わが国では、重要なことがきわめていい加減なやり方で決められているということである。

 そしてこのことについて厚労省も、「専門家」も、誰も責任をとらない。「専門家会議」の脇田隆字座長は、「会議では肺炎が疑われるようなら早く受診してもらう方がいいと言っていた。それがうまく伝わらなかったのであれば表現ぶりが悪かった」と語ったという。

 「表現ぶり」が悪い?しかし、その「表現ぶり」が早い段階から検査抑制だと厳しく指摘され大きな問題となっていた。しかし、「専門家」の面々は、その「表現ぶり」を点検したり、修正することもしなかった。

 日本の新型コロナウイルス対策は、そうした無責任者集団によってつくられている。
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隠されたコロナ死

2020-06-16 08:05:04 | コロナ

4月の「超過死亡」激増 東京1056人“隠れコロナ死”の可能性

 検査をしない日本の厚労省の医系技官ネットワーク。

 アジアの他の国はCOVID-19 と、検査を大量に行い、果敢に闘っている。しかし日本は、放置している。無症状の感染者が、日本社会にCOVID-19 を運んでいく。

 要は、日本の権力者は、身内にはカネをあげるが、庶民に関してはカネにならないことはしないのである。
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