浜名史学

歴史や現実を鋭く見抜く眼力を養うためのブログ。読書をすすめ、時にまったくローカルな話題も入る摩訶不思議なブログ。

ひょつとこ

2020-06-20 21:28:17 | 芥川
 芥川龍之介全集の第一巻を、少しずつ読み進めている。読んでいて思ったのは、この全集は私しか読めないな、ということである。旧字旧かな遣いである。ルビがあったりなかったり、となると私より若い人は読み進めることは難しい。

 私が岩波文庫を読みはじめた高校生の頃、旧字旧かなだった。ただし漢字にはほとんどルビがあった。だから読んでいるうちに旧字を覚えていった。しかし読むことは出来るが、書くことは困難だ。

 さて、「ひょつとこ」の主人公は山村平吉である。舞台はおそらく神田川。神田川を花見する舟、それに乗った、もちろん酒を飲んだり踊ったりする人々。それを橋の上から眺める人々。これを書いているのは、そのなかのひとりである。

 平吉は日本橋の絵具屋。酔っ払って舟の上でバカ踊りをしているのだが、脳溢血で死んでしまうのである。

 平吉は酒を飲む。飲まずにはいられない。

何故かと云うと、酒さえ飲めば気が大きくなって、何となく誰の前でも遠慮が入らないような心持ちになる。踊りたければ踊る。眠たければ眠る。誰もそれを咎める者はない。

 ではしらふの時はどうかというと、「ふだんの平吉程、噓をつく人間は少ないかもしれない」と書かれるほど、噓をつくのだ。「第一彼は、殆、噓をついていると云う事を意識せずに、噓をついている」。

 その平吉が突然亡くなったのだ。

 平吉は、しらふのときは噓をつきまくり、酒を飲んだときには気を大きくして立ち回る。だとすると、ほんとうの平吉はどこにあるのか。
 ないのだ。

 芥川は山村平吉について書いたのだが、しかし山村平吉という人間を書いたのではない。山村平吉は虚構の人物であろう。その虚構の人物の虚構を、芥川は書いたのである。虚構の虚構。

 ひょっとしたら、「ほんとうの人間」なんてないのかも知れない。


 
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アベノマスクは使うな!

2020-06-20 20:22:38 | コロナ

そのマスク、清潔? 家に届いた実物を調べてみると…

 アベノマスクは、「カビノマスク」、「ムシノマスク」・・・・あゝ怖い!!
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老年

2020-06-20 11:22:59 | 芥川
 芥川龍之介に「老年」という短編がある。

 房さんは老人である。若い頃は浮名も流し、うた沢(三味線音楽)や俳諧の点者もやった風流人である。しかし今は楽隠居である。

 集まりがあってもじっとしていて、求められても、

 「いや、もう、当節はから意気地がなくなりまして」

と丁重に断る。そして静かにその場を離れ、ひとり猫を相手に語りかける。

 年齢を重ねると、人々の間に交じって動き、話すということも、心の疲労を覚える。そうなると人々との交わりからそっとぬけでることが心の安静をたもつ方策であることを知る。

 そしてひとりであることの静謐を味わう、のである。

 私もそういう心境に入りつつある。


 
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検察は巨悪を摘発せよ

2020-06-20 07:44:54 | 政治
河井克行・案里事件で検察が安倍首相の地元事務所を捜査対象に…文春も「検察は安倍秘書の動きを調べ、調書も作成ずみ」と

 河井夫妻を引き揚げたのは安倍晋三なのだから。
 
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