浜名史学

歴史や現実を鋭く見抜く眼力を養うためのブログ。読書をすすめ、時にまったくローカルな話題も入る摩訶不思議なブログ。

【演劇】こまつ座「きらめく星座」

2020-06-29 18:51:08 | その他
 井上ひさしの演劇だけを上演するこまつ座。静岡県は、5月後半から6月はじめにかけて巡演する予定であったが、COVID-19 のためにほとんど中止となった。浜松は5月22日からであったが、一ヶ月ほど遅れての公演となった。

 座席は、横、前後ろを空けるようにして、「距離」をとっての観劇となった。観劇の風景も、COVID-19 以前とは、まったく変わってしまった。今までのように演劇を見られなくなってしまったということがとても残念である。
 また劇団も全国で中止が決まり、経営的にも苦労しているはずだ。

 さて私はこの劇をずっと前に見ている。私は集英社文庫で、この戯曲を持っているが、奥付をみたら1988年刊行であった。おそらくそれ以前にどこかで見て、よかったので購入したのだと思う。

 こまつ座はいつも見応えがある。今回も、である。演劇は、もちろん戯曲をもとにして上演される。戯曲の完成度が高いと自ずから上演される劇も良いものになる。井上ひさしの戯曲は言うまでもなく完成度が高い。

 今回見ていて、あらすじはほぼ頭に入っていたが、細部にはこんなところがあったのかと驚いたことがある。
 ひとつはオデオン堂の息子が軍隊から脱営して逃げまわるのだが、最初は九州の炭鉱に入り込む。そこで朝鮮人労働者と一緒になり、朝鮮人が強制的に連れてこられたこと、賃金が支払われていないことを知るのである。それが語られていた。
 また「帝国の道義」ということばがあった。大日本帝国の戦争政策には「道義」がないことを、脱営した息子と傷痍軍人である妹の夫がほぼ同時に語るのである。

 井上ひさしの戯曲は、明るく、楽しい。しかしそのなかに問題とすべき現実が入りこんでいる。戦時体制下の統制や動員、そのなかでの密告の横行、物不足、しかし戦争で儲けている者たち、そして企業整備令によるオデオン堂の廃業・・・
 楽しいが故に、よけいにそうした現実が明瞭になる。最後の場面、市川春代の「青空」という唄を楽しそうにうたうのだが、それを空襲警報が中断させる。
 戦争は明るく、楽しい日常を奪う、いや破壊するのである。

 7月の観劇は、加藤健一事務所である。加藤健一事務所の劇は、加藤健一自身が楽しむためのものでしかない。加藤が静岡県出身だということからしばしば上演されるのだろうか。加藤が選んで上演する劇は、表層的な人間関係のみが面白おかしく演じられるだけで、見た後すぐに消えていく、記憶に残らない。

 久しぶりに中心街に行ったが、浜松市民のほとんどはマスクをして、秩序正しい行動であった。
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東京都にアラート

2020-06-29 07:20:39 | 政治
 東京で、今日も58人の感染者が出た。人口が多いから、ということは理由にはならない。なぜかといえば、突出して東京都に感染者が多いからである。

 要するに、東京都はきちんとした対策をとらないからだ。

 今日、浜松市で感染者が出たが、その人は東京で働いていることから、東京で感染したと推定される。
 東京都がきちんと対処しないからだ。東京都と都知事にアラートを突きつけたい。

新型コロナ 浜松市で70代男性 新たに感染(静岡県)
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怒り

2020-06-29 07:20:39 | 政治
 昨日のCOVID-19 の感染者は、東京60である。その周辺、埼玉8,神奈川9、千葉3,栃木5,茨城1である。東京を中心とした関東圏がもっとも多い。そして関東圏では感染者が増加している。

 とりわけ東京の多さは群を抜く。きちんと感染症対策をしていないからだ。東京都のCOVID-19 のHPをみると、まったく何の意味もない項目しかない。居住地が都外か都内か、年代、性別、それだけだ。静岡県の場合、感染経路を調査しそれを明示している。
 人々に開示すべき情報すらまったく開示しないで、もっとも多数の感染者をだしている東京都のありかたは、犯罪的でさえある。

 一日遅れで配達される昨日の『東京新聞』をみて驚いた。なんと小池百合子都知事は、コロナ対策はうまくいっていると言うのだ。

 この数字を見れば、うまくいっていないことは明らかではないか。厚顔無恥極まれりである。

 都知事選挙が行われているが、小池の再選が確実視されている。東京都民は、アホと言うしかない。
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