昨日の『東京新聞』に「三菱電機 自浄能力欠く」という記事があった。三菱電機が空調機器の検査を意図的に、それも30年以上にわたってサボり続け、あたかも検査をしていたかのようにしていたのである。
だがこのようなニュースは何度もあった。それほど日本の産業界は堕落しているということだ。2019年には、SUZUKIによるブレーキ検査の不正が大々的に報じられた。それ以外の会社、三菱系の企業が多いが、検査不正は日常茶飯事となっている。
要は、売れればいい、売れてカネが入れば良い、その商品が悪かろうと知ったことはない、ということだろう。まさにこれは新自由主義的な資本主義の本質である。カネ、カネ、カネ・・・・である。
労働者や会社・工場のある地域、製品をかえりみずに、ひたすら物を作り売る、そしてカネを得る。民間企業が、そこで働く人びと、立地地域の住民、消費者を無視ないし軽視して、ひたすらカネ儲けを追求する、そこに株主資本主義の真の姿が現れる。
新自由主義は、おそらく資本主義の末期に現れる鬼っ子のようなものだろう。それが世界を席巻している。なかでも日本の民間企業はその先頭を走る。
その民間企業を、効率的な経営をしていると賞賛して、自治体も学校もそれに倣う。
絶望的な社会に向けて、世界は突き進んでいるようだ。
昨日届いた『選択』7月号に、「世界は「一千年に一度」の干ばつに」という記事があった。米、中、ロシアを熱波や干ばつが襲い、すさまじいことになっているという。資本主義は、とりわけ新自由主義的資本主義は、自然界のバランスを破壊してきたことが示される。もちろん日本も破壊国である。
人間の未来は、明るくない。絶望的な現実を克服する契機はないものかと思う。