浜松演劇鑑賞会の例会、こんにゃく座「オペラアルレッキーノ」をみた。
演劇をみる度に、コロナ禍、演劇に関係している人々は、苦しい日々を送っているだろう、と思う。だから、今日も舞台の人々は必死に演じていたし、また楽しんでいたように思う。演劇人は、舞台に立つというそのことに喜びをもっているはずだから。
さて感心したことは、まず舞台装置。旅回りの公演だから、できるだけ舞台装置は簡素な方がよい。その点でなかなか工夫していた。カーテンを円形にしてそれを効果的につかっていた。
内容は軽妙で面白かった。とはいっても、大声で笑うことはなかった。イタリア原産の内容だから、軽妙で面白い、というしかない。深刻に考えるというものではなく、気軽にみていればよい、というもの。ただし、小間使いのズメラルディーナの台詞に、男たちが法律や制度をつくっているから男たちにとって有利な社会になっている、というような内容のものがあった。原作は18世紀前半のイタリア人だ。もし原作にそういう内容のものがあったら、先駆的!といえるのではないか。
ミュージカルは必ず楽しくハッピーエンドになる。オペラと言っても、ミュージカルみたいなものだった。したがって最後はもちろんハッピーエンド。三組のカップルができた。「結婚」ということを理想としていた時代の話のように思えた。今は非婚の時代、「結婚」は当たり前で良いことだという価値観はなくなっている。
たまにはこういう劇も良い。