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浜名史学

歴史や現実を鋭く見抜く眼力を養うためのブログ。読書をすすめ、時にまったくローカルな話題も入る摩訶不思議なブログ。

山本俊一『日本らい史』(東京大学出版会)

2011-07-24 15:06:30 | 日記
 「静岡県におけるハンセン病問題」について研究を始めている。その一環として、『日本らい史』を読んだ。この本は1993年に刊行されている。

 基礎的な文献になるとは思うが、時の流れが行ったり来たりしたり、史資料をならべて解説するという記述で、初心者としてはそれなりに学ぶことはあったが、表面的な記述に終わっている。おそらく著者は、ハンセン病の問題性についての認識をあまり持っていないのであろう。記述が鋭角的ではない。

 静岡県におけるハンセン病問題に関する語句・人名と言えば、神山復生病院、駿河療養所、飯野十造、そして明石海人、村越化石らがあげられる。

 この『日本らい史』を読んでいていくつか学んだこと。

 明治初期、浜松の普済寺に、起廃病院の分院が置かれていたこと、戦後、聖隷病院の創設者である長谷川保が国会議員時代、ハンセン病問題でいろいろ動いていること、これらを学ぶことができた。

 私としては、ハンセン病者の生の軌跡をまず学びたいと思っている。

 研究は始まったばかりであるが、被差別、在日コリアンなど差別に関する研究をしてきた私は、ハンセン病問題の研究をその集大成にしたいと思っている。

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自衛隊はアメリカ軍の傀儡?

2011-07-24 10:19:02 | 日記
 アメリカの属国である日本は、当然アメリカの戦闘機を買わなければならない。欲しい戦闘機ではなく、アメリカ国防総省が「これがいいよ」というものでないと、親分であるアメリカのご機嫌を損ねてしまう。

 何が何でもアメリカの言いなりの日本。


FX飛ばさず選定へ 防衛省 1兆円の買い物なのに… 

2011年7月24日 朝刊

 次期戦闘機(FX)の選定をめぐり、防衛省が実機による飛行審査を省略し、書面だけで決めようとしていることが分かった。未完成の米ロッキード・マーチン社のF35戦闘機に有利に働く可能性が高まり、関係者から「不公平だ」との不満が出ている。東日本大震災で巨額の復興資金が必要とされる中、不透明な選定により、巨額の税金を投入すれば「無駄遣い」との批判を浴びるのは必至だ。 (編集委員・半田滋)

 FXは老朽化したF4戦闘機の退役に伴い、約四十機の導入を予定している。総額一兆円の巨額な航空商戦となる。

 防衛省に正式に売り込みを提案したのは、F35のほか、米ボーイング社のF/A18、英BAEシステムズ社のユーロファイターの三機種で、年内に決定する。

 外国メーカーから購入する戦闘機の選定は、実際に飛ばして運動性能を比較検討してきたとされる。今回、飛行審査を外した理由について、防衛省幹部は「飛行審査で分かるのは操縦士の感覚的なもの。必ずしも行う必要がない」と強調するが、書面などで示されるデータだけでは、必要な運動性能があるのか確認できない。

 日米共同開発した航空自衛隊のF2戦闘機の場合、完成後に主翼の強度不足などの欠陥が次々に判明、机上のデータと実機の性能との落差が際立った。

 かつて航空自衛隊はレーダーに映りにくいステルス機のF22戦闘機の導入を追求したが、米議会が輸出禁止を決定。ゲーツ前米国防長官から「(F22後継の)F35はどうか」と進言され、今日に至っている。

 そのF35について米政府監査院(GAO)は今年四月、「飛行試験で能力の4%が証明されたにすぎない」と苦言を呈するほど開発が遅れている。

 他国での導入実績もある残る候補二機種を含めて、防衛省が飛行審査を選定条件にすれば、F35は脱落しかねない。そこで飛行審査が消えたとの見方が関係者から示され、「FXは出来レース」との批判が強まっている。
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こういう人が大臣!

2011-07-24 10:14:00 | 日記
 「朝日新聞」の記事。大臣ともあろう人がこういう発言をして良いものだろうか。経産省がやみくもに原発推進政策を進めてきて、さらに安全対策も怠ってきた結果の事故。海江田氏が率先して事故現場に行って陣頭指揮でもするのなら賞賛されるだろうが、過酷な労働環境であるが故に、せめて被曝量を管理して労働者の健康を維持するために労働安全法が制定されている。

 大臣は、労働安全法を遵守するような発言をすべき。海江田さん、あなたが線量計をつけないで現場に行ったらどうですか。


「線量計つけず作業、日本人の誇り」 海江田氏が称賛関連

 海江田万里経済産業相は23日のテレビ東京の番組で、東京電力福島第一原子力発電所事故後の作業に関連し、「現場の人たちは線量計をつけて入ると(線量が)上がって法律では働けなくなるから、線量計を置いて入った人がたくさんいる」と明らかにした。「頑張ってくれた現場の人は尊いし、日本人が誇っていい」と称賛する美談として述べた。

 番組終了後、記者団に対し、線量計なしで作業した日時は確かでないとしたうえで、「勇気のある人たちという話として聞いた。今はそんなことやっていない。決して勧められることではない」と語った。

 労働安全衛生法では、原発で働く作業員らの健康管理に関連し、緊急作業時に作業員は被曝(ひばく)線量の測定装置を身につけて線量を計るよう義務づけられている。作業員らが被曝線量の測定装置をつけずに作業をしていたのなら、法違反にあたる。厚生労働省は、多くの作業員に線量計を持たせずに作業をさせたとして5月30日付で東電に対し、労働安全衛生法違反だとして是正勧告している。
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地域の重層性

2011-07-24 08:02:32 | 日記
 静岡県下においては、市町村史の編纂は下火になった。もう長期間刊行されることはないだろう。

 私はいつも不満に思っていることがある。現在のようにグローバリゼーション、国際化だとかが叫ばれている時に編纂される市町村史のほとんどが、その視点を持っていないことである。特に近現代史がそうだ。

 前近代史、とくに戦国時代までは史料があまりないため、当該の市町村をこえて、県レベル、あるいは県を超えたレベルでの記述がなされる。ところが近世になると、史料の残存状態がいいので、地域にべたっとはりついた記述となる。しかし、江戸期の庶民は、他の地域と交流しなかったのか、そんなことはない。江戸期は商品の流通や国内市場がかなり発展していたし、人々は伊勢参りなどで他の地域に行っていたはずだ。
 もちろん、これとて史料がないと書けないから、何とも言えない。

 では近現代ではどうか。近現代では、地域は重層的な様相を呈しているはずだ。当該の地域を中心にするのは当然だが、その地域には国家の政策、国際関係などが入り込んできているはずだ。近代日本国家は中央集権的な制度を構築した。したがって、国策がどうなっているのか、それに対して地域はどう対応したのか、国策とおりにはならないのであって、その国策と地域の実情を踏まえた地域の対応との偏差が記述されなければならない(農業政策でも、産業政策でも、政府の政策を踏まえない記述ではまったく不十分である)。そしてその国策は戦争などを通して地域を国境から外に押しだしていく関係をつくるし、また人や物も国境をこえていく。

 残念ながら、近現代は史資料がかなりあるので、地域だけの史資料だけで書けてしまう。そうすると、古代中世よりも狭い範囲の記述になってしまう。

 地域はもっとダイナミックなものであると思う。そのダイナミックな動向が記述されない。それでよいのか。

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ほらほら、「原子力マフィア」が、監視を行う。

2011-07-23 10:37:22 | 日記
 経産省がメディアの監視を行っていたことが、『東京新聞』の記事で明らかになった。聞くところによると、メディアで原発に関して記事などを書くと、「原子力マフィア」からいろいろな「ご説明」が行われるらしい。常に「脱原発」の記事が載らないように、監視をしていたようだ。


エネ庁が原発記事監視 4年で1億3000万円

2011年7月23日 07時06分
 経済産業省資源エネルギー庁が原発に関するメディア情報を監視してきたことが、本紙の調べで分かった。本年度発注分を含めると、外部委託費の総額は四年間に約一億三千万円に上る。昨年度までは、いずれも電力会社役員らが理事を務める財団法人が受注していた。

 同庁の資料などによると、昨年度までの三年間は「電源立地推進調整等事業(即応型情報提供事業)」として、新聞や雑誌の記事を監視する事業を年約一千万~約二千四百万円で外部委託していた。

 委託先は、東京電力の勝俣恒久会長が非常勤の理事を務める「日本科学技術振興財団」や、経産省原子力安全・保安院のOBや元原子力安全委員会委員長らが役員になっている「エネルギー総合工学研究所」といった財団法人ばかりだった。

 事業は、一部に同庁ホームページ(HP)にあるQ&Aコーナーの更新が含まれているが、主には「不正確または不適切な報道を行ったメディアに訂正情報を送る」こと。ただ同庁によると、メディアに訂正を求めたことは一度もない。

 Q&Aのページは現在、福島第一原発の事故を受けて「苦情が多く寄せられたため」(担当者)閉鎖されている。

 本年度は震災に伴う第一次補正予算に「ネット上の不正確情報の監視」として八千三百万円を計上。

 十五日には委託先を決める入札が行われ、広告代理店が落札した。

 福島第一原発の事故で原発への不安が大きくなり、ネット上で情報が乱れ飛んだことを受け、従来の新聞記事の監視を縮小し、一般市民がツイッターやブログなどを通じて発信する情報の監視に重点を置く。

 監視により「不正確または不適切な情報」が見つかった場合は、原子力の専門家などのアドバイスをもとに、同庁HPに、その情報を打ち消すような内容を掲載するとしている。

 資源エネルギー庁原子力立地・核燃料サイクル産業課の話 原子力について正確に報道されていない場合もある。報道内容を把握し、適切な広報のあり方を検討するため続けている。

(東京新聞)
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カネで買われる自民党議員

2011-07-23 10:31:17 | 日記
 原発推進政策を行ってきたのが、自民党、公明党などの議員たち。そういう議員を「原発マフィア」の一員にするために、電力会社がカネをばらまく。

 とにかく原発には、カネがまとわりついている。そのカネにまとわりつく輩たちが、危険に目をふさいで原発を推進する。「カネは一時、土地は万年」ということばがあるが、彼らには一時のカネが必要で、そのカネのためには、危険をかえりみない。

 さて今日の『東京新聞』。


自民個人献金、72%が電力業界 09年、役員の90%超 


 自民党の政治資金団体「国民政治協会」本部の2009年分政治資金収支報告書で、個人献金額の72・5%が東京電力など電力9社の当時の役員・OBらによることが22日、共同通信の調べで分かった。当時の役員の92・2%が献金していた実態も判明した。電力業界は1974年に政財界癒着の批判を受け、企業献金の廃止を表明。役員個人の献金は政治資金規正法上、問題ないが、個人献金として会社ぐるみの「組織献金」との指摘が出ている。福島第1原発事故を受け、原子力政策を推進してきた独占の公益企業と政治の関係が厳しく問われそうだ。



 自民党が原発と手を切れない訳がここにある。
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『取り返しのつかないものを、取り返すために』(岩波ブックレット)

2011-07-17 19:41:11 | 日記
 発刊されたばかりである。「節電」により少し暗い電車の中で読んだ本だ。よい本である。500円+悪税だからそんなに高くはない。

 内容は、内橋克人の「不安社会をつくる」、なだいなだの「靖国合祀と憲法」、大江健三郎「九条を文学の言葉として」、小森陽一「井上ひさしさんの言葉」の4つ、いずれも講演の記録である。話し言葉がそのまま活字化されているので、とても読みやすい。

 作家で劇作家である故井上ひさしさんを偲んでの講演の数々、しかしその内容は大震災を真正面に据えて知的刺激に満ちたものだ。

 内橋さんの講演は、主に原発に焦点を絞っているが、そのなかで様々な論点を提示する。まずデンマークなどと比較した日本の惨状。日本のメディアは、外国の情報をあまり報道しないので、日本と異なる国民尊重の事実を知り、日本政治の貧困に唖然とする。

 そして「不安社会」についての説明。その特色として「私たちの社会では、経済的な変動、あるいは社会的な変動がおこると、そのしわ寄せはかならず、社会的弱者のもとに集中してい」るということ。本当にその通りである。社会的弱者の姿は、日常生活のなかでは余り目にすることはない。しかし少し目をこらすと見えるのだが、多くの国民は見ない。「どこまでいっても日本人というのは、当事者になってみないとわからないものなのか」という井上ひさしの嘆きが記される。
 私も思う、日本人の多くはいろいろな事実が知らされても、想像力をたくましくしないので、実際に当事者になってはじめて気づく、しかし、直面したことだけ知らされるが、そのことが過ぎ去れば忘れてしまう。問題を解決すべきものとして自らの俎上にのせようとしない。

 なぜならそこには「頂点同調主義」(故哲学者・久野収のことば)があるからだ。「“てっぺん”、お上のいうことにすべて合わせていく、同調していく、みずから好んで、ということです。お上に逆らって社会的排除を受けるのが、怖い。私たち日本人は、律儀で、忍耐強く、義理堅く、きわめて礼儀正しい。今回も、災害にあたって、そうした評価を海外で受けたというような報道がなされています。もちろんそれは美徳です。美徳ではあるけれども、そのことのなかの、なにが問題なのか。頂点、つまり支配層、上層、丘紙の言うがままに「同調」していって、結果において「てっぺん」が間違いを犯せば、国民みんなが間違う。異議を唱えることができません。これを頂点同調主義ーてっぺんに同調して生きるーと呼ぶのです」。

 今回の放射能の汚染でも、お上がいうから安全だ、」などという人が多いようだ。お上がやることを疑う、お上がやることに抵抗する・・・そういう精神が今求められている。

 今静岡で歌川国芳展をやっているが、江戸時代の歌川も天保の改革に対して抵抗している。抵抗や批判こそが、政治や社会、芸術でも文学でも、進歩をもたらすのである。

 大江の「九条を文学の言葉として」も、知的で刺激的だ。「人間は悲しい気持ちで考えると真面目になる」は、現今のテレビ番組を想起すればよくわかる。権力の保持者たちは、バカ番組を垂れ流して、人間を悲しくさせない、真面目にさせない、そのようにしている。

 小森は、井上ひさしの『吉里吉里人』(新潮文庫)から、すばらしい文章を引用している。これも読むべき小説だ。

 さて、この本の中で大江が井上ひさしの『日本語教室』(新潮新書)から何カ所か引用している。それがよかったので購入して読んでみた。簡単に読めておもしろかった。日本語に関する知識を少し得ることができた。

 暑さを忘れる本であった。
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金、カネ、かね・・・・・・

2011-07-17 19:23:28 | 日記
 原発にいつもまとわりついているのは、カネだ。

 玄海原発を立地させている玄海町、原発立地自治体に湯水のごとく投入されるカネを、無駄遣いする。この『佐賀新聞』の記事にある町道整備事業。総事業費は20億円近く。そのうち15億円余が国からだ。原発はこういう無駄遣いを誘発する。このようにカネが入るので町はこんなものにカネを投入するのであるが、この無駄遣いに町は4億円以上を投入する。無駄な道路をつくらなかったら、町はこの4億円あまりを福祉などにつかうことも可能だ。こういうカネのつかい方をなくさなければならない。

 "プルサーマル交付金” 町道整備資金、相場の10倍

 東松浦郡玄海町が玄海原発のプルサーマル受け入れに伴う核燃料サイクル交付金を活用し、本年度から着手した町道整備事業に疑問の声が上がっている。延長1・8キロで、総事業費は約20億円。町道の整備費は1キロ1億円が相場といわれ、通常の10倍に相当する。将来的には唐津市内を通って西九州自動車道に直結し、住民の避難道としても活用する計画だが、市側には西九州道へのアクセス整備の予定はなく、玄海町の構想に困惑している。

 核燃料サイクル交付金は国から支給された60億円のうち、玄海町に30億円、県と隣接の唐津市に各15億円が配分された。

 同町が整備を計画しているのは町道長倉-藤平線で、2003年に完成した農業用の藤ノ平ダムの管理道路(幅6・5メートル)を幅7メートルに拡幅、歩道も設置する。整備区間は1・8キロ、総事業費は概算19億5500万円。このうち15億2500万円が同交付金で、15年度の完成を目指す。

 町道整備は工事が容易なら1メートル当たり10万円前後で済むというが、「ダムに隣接した道路の整備で制約が多く、山を削るなど費用がかさむ」と町財政企画課は説明する。

 将来は現在建設中の西九州道北波多インターチェンジ(唐津市)と直結、産業用道路や災害時の避難道路として活用する構想。しかし、そのためには隣接する唐津市が少なくとも6キロ近く延長整備する必要がある。

 市道路河川課は「玄海町から打診はなく、当面改修する計画もない。避難道とはいえ、付近に集落はなく、市が整備する必要性は見い出せない」と困惑気味。町は県の支援を期待して県道昇格を働き掛けているが、県道路課は「新たな県道昇格は考えていない」としており、今のところ見通しは立っていない。

 同交付金は「地域振興につながる新規事業」が条件。自治体の使途はいきおい“ハコもの”に傾斜しがち。玄海町は既に薬草研究所と次世代エネルギーパーク整備に活用しており、町財政企画課は「新たな観光拠点ができる以上、アクセス整備は欠かせない」と強調。一方で、住民からは「交通量も少ないのに、今のままで十分。国から流れてくる大金を無理して使っている印象をぬぐえない」と疑問の声も漏れてくる。


http://www.saga-s.co.jp/news/saga.0.1993535.article.html

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福島の子どもは牛以下?

2011-07-16 17:35:08 | 日記
 高レベルの放射能を含んだ稲わらを食べた牛の肉が、高濃度の放射能を含んでいると大騒ぎしている。私の家庭は牛肉はほとんど食べないから、この汚染された牛肉とは無縁である。

 福島県とその周辺の放射能汚染は、かなり高くなっている。したがって、私の家庭では放射能汚染されている可能性のあるものは買わない。生産農家などのことを考えても、それでも私は、放射能汚染された可能性のあるものは食べたくはない。

 しかしふと考える。福島県の多くの地域の放射能汚染は、チェルノブイリ原発事故の場合、避難すべきだとする値となっている。だが、そこで生活する子どもたちを疎開させようという動きは起きていない。

 私たちが検査をすり抜けた汚染牛肉を食べた場合と、福島県下で生活している子どもたちと、どちらがたくさん被曝するか。答えは明らかだ。

 残念ながら、日本人は、「当事者」になったときにしか考えないようなのだ。汚染牛の問題が出てきた時には、それを食べるかもしれないと言うことからの「当事者」性が生ずる。しかし福島県に住んでいないから、福島県下の子どもたちが被曝していることには想いが及ばない。想像力欠如。
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ちぐはぐな節電

2011-07-16 07:02:29 | 日記
 昨日「静岡」へ行った。JRの普通電車で行ったのだが、社内は電灯がついていなかった。駅に着くと社内は暗くなる。私は読んでいた本から何度か目を離さざるを得なかった。

 ところが掛川駅付近からは電灯がついた。そして静岡の手前、用宗か安倍川あたりで再び「節電にご協力をお願いいたします」というアナウンスの後、再び消された。
 
 なぜ浜松駅と静岡駅周辺だけ、「消灯」されるのか。

 また帰りに「天竜川」で降りたが、駅舎の階段付近は、たいへん明るいのに、電灯はつけられていた。


 「節電」については何度か書いてきたので繰り返さないが、JRは本当に「節電」するつもりなのか、それとも「一億総
節電」の“時流”に流されているという(つまり節電に協力している)フリをしているのか。


 いずれにしても、日本社会は、おかしな雰囲気だ。
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これはひどい!!

2011-07-16 06:47:03 | 日記




 『毎日新聞』の記事、「東日本大震災:福島第1原発事故 東電が賠償仮払い拒否 幼稚園、ホーム「対象外」」である。原発事故を起こした時、それに伴って起こされた損失は、十二分に補償されなければならない。こういう恣意的なことがおこなわれるのだから、原発はもうなくさなければならない。



 東京電力福島第1原発事故で被害を受けている事業者に対する損害賠償を巡り、東電が幼稚園や老人ホーム、診療所への仮払金の支払いを拒否していることが、毎日新聞の入手した文書などで分かった。支払い対象の事業者を中小企業に限定し「学校法人や社会福祉法人、医療法人は法律上、中小企業に該当しないため」と説明。将来の賠償も「分からない」としており、全被害者への賠償責任を定めた原子力損害賠償法に反した姿勢に厳しい批判が出ている。【清水憲司、松谷譲二】

 東電広報部は毎日新聞の取材に対し「学校法人などにも仮払いする必要性が高いことは十分認識しており、対象範囲の見直しを進めている」と回答した。

 原発から約9キロの福島県浪江町で私立浪江幼稚園を経営する学校法人「大谷(おおや)学園」が、中小企業に1社当たり最高250万円の仮払いが始まったことを知り、6月14日、仮払いを請求した。

 その後、東電・福島補償相談センター(福島市)が同22日付でこの文書を出した。文書には「学校法人は(法律上)財団法人で、中小企業ではないので対象外。(今後の補償も)分からない」と記載されている。

 原賠法は文部科学省の「原子力損害賠償紛争審査会」が損害の範囲を判定する指針を策定すると規定。審査会は4月の1次指針で、救済対象の事業者を「営業被害などを受けた多数の事業者ら」と幅広く定めており、中小企業に限る法的根拠はない。

 毎日新聞の取材では、他に南相馬市の幼稚園を経営する学校法人▽同市で特別養護老人ホームを運営する社会福祉法人▽富岡町で診療所を経営する医療法人--が仮払いを拒否された。福島県によると、福島第1原発から半径30キロ以内には▽6学校法人▽22医療法人▽15社会福祉法人--がある。

 浪江幼稚園の大谷清子(せいこ)園長は「園児約160人が皆いなくなり収入はゼロなのに人件費などで月100万円の支出がある。仮払金がもらえず、将来も賠償されないのではと思うと不安で眠れない」と訴えている。


毎日新聞 2011年7月16日 東京朝刊
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放射能汚染

2011-07-15 18:12:24 | 日記
 福島第1原発から流出している放射能。しかし政府や東電は、その数値を公表しない。何度も書いているが、政府や地方自治体は国民や住民の命や暮らしを守るものではないこと、とくに文科省や経産省がひどい。

 いったいどれほど汚染されているか。講談社の雑誌が詳しく報道している。下記にそのサイトのアドレスをあげる。

http://gendai.ismedia.jp/articles/-/11933

 この最初のページの下の方に関連記事もある。それらも放射能の汚染報告である。

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稼働させるな

2011-07-14 21:20:21 | 日記
 福島県の原発被災地は今、大変厳しい状況になっている。政府から避難を命じられ、あるいは勧奨された人々は、現在の生活、将来の生活に大きな不安を持って生活している。

 また避難地域ではないところであっても、福島県内は被曝線量が高いため、特に子どもがいる家庭では避難すべきかどうかを悩み苦しんでいる。避難地域ではないところの酪農家なども、原発事故による多額の出費のために生活基盤の喪失を迫られている。

 今もって、福島第1原発の収束の目処は立っていない。

 こんな状態の中、細野豪志原発事故担当相は今日、原発の再稼働について「安全性を確保した上で、しっかりチェックが入った再稼働は認めるべきだ」と述べた。

 しかし、日本の原発に関する安全規制はきわめて問題が大きいことが指摘されている。原発推進の経産省のなかに、チェック機関である保安院があり、その保安院の信用は地に墜ちている。チェック機構の改善もせずに、原発の再稼働は許されない。

 それどころか、現在稼働している原発も停止するべきだ。『佐賀新聞』が今月1日に報じた記事、「玄海原発1号機 想定以上に劣化進行か」を読むと、ぞっとする。

 運転開始から36年が過ぎた九州電力玄海原子力発電所(佐賀県東松浦郡玄海町)1号機の原子炉圧力容器の劣化を判断する指標となる「脆性(ぜいせい)遷移温度」が大幅に上昇、大学の研究者らは異常として問題視し、最悪のケースとして容器破損の可能性にも言及している。九電や国は「安全性に問題ない」と反論。研究者は検証のためのデータ開示を求めるが、九電は「業界規程に基づいて適正に検査しており、検証しても結果は同じ。40年目の高経年化評価時にデータを公表する」としている。

 鋼鉄製の原子炉圧力容器は中性子を浴びるともろくなる。電力各社は老朽化を把握するため容器内に同じ材質の試験片を置いて取り出し、緊急冷却した場合などに容器が壊れやすくなる温度の境目となる脆性遷移温度を測っている。劣化が進むほど温度は高くなる。

 九電によると、運転開始時の1975年の脆性遷移温度は零下16度。これまで4回取り出した試験片の温度は、35度(76年)、37度(80年)、56度(93年)と推移し、2009年は98度に大幅上昇した。

 九電は「試験片は圧力容器よりも多く中性子を浴びる場所に置き、数十年後の圧力容器の劣化状況を予測するためのもの。98度は2060年ごろの数値に当たる」と説明。「圧力容器の現在の脆性遷移温度の推定は80度で、60年間運転した場合でも91度」とし、日本電気協会が定める新設原子炉の業界基準93度を下回っていることを強調する。26日の県民説明会でこの問題を質問された経産省原子力安全・保安院も同様の説明をして「容器が壊れるような状況にはない」と答えた。

 ただ、こうした見解に研究者は疑問を示す。九州大応用力学研究所の渡邉英雄准教授(照射材料工学)は「上昇値は本来の予測値から大きくずれ、誤差の範囲を超えている。原子レベルで想定外の異常が生じている可能性がある」と指摘。井野博満東大名誉教授(金属材料学)は中性子の影響を受けやすい不純物が含まれるなど材質が均一でない可能性を指摘したうえで、「緊急冷却で急激に温度を下げた場合、圧力容器が壊れる可能性がある」とする。

 研究者は試験片や検査データが開示されていないため詳しい検証ができないとし、電力各社に情報開示を求める意見も強いが、九電は「今後も安全な数値で推移すると判断しているので、すぐにデータを提示する必要はない」としている。


  また『中日新聞』も6月25日、「理事に電力幹部が複数 浜岡原発の耐震検査法人 経産省OBも天下り」という記事を載せている。

 運転停止した中部電力浜岡原発3~5号機(御前崎市)の耐震補強工事をめぐり、確認検査を担当した財団法人発電設備技術検査協会(東京都)の役員に中電など複数の電力会社幹部が就任していることが分かった。同協会は原発を推進する経済産業省が所管する公益法人で、常勤の理事長と専務理事はいずれも同省OBが務めている。原子力の専門家は「客観性を装ったおざなりの検査になり、原発の安全性にも疑念が生じかねない」と批判している。

 補強工事は中電が2005~08年に自主的に行った。東海地震の想定以上の600ガル(ガルは加速度の単位で地震動の強さを表す)を上回る1000ガルの揺れにも対応できるよう耐震性を強化したという。

 確認検査は、同協会が中電の依頼を受けて実施。08年10月から09年3月にかけて原子炉や配管、機器の耐震性や工事などをチェックし「耐震評価、工事は適切に管理・実行された」とするお墨付きを与えた。中電は「第三者による公正なチェックを受けた」とし、東海地震に耐えられると主張する根拠の一つにしていた。

 同協会の公開資料によると、経産省OB2人を除く役員は14人で、中電の阪口正敏副社長と九州電力の瓜生道明取締役が非常勤の理事、中電出身の久米雄二電気事業連合会専務理事が非常勤の監事にそれぞれ就任。その他は大学教授が大半だが、常勤理事に東京電力OBもいる。

 中電で原子力を担当する阪口副社長は09年11月に就任。浜岡の検査当時は中電の別の幹部が非常勤理事を務めていた。また、理事会に助言する評議会メンバーには他の電力会社や東芝、日立製作所など原発をビジネスとする大手プラントメーカーの幹部らが名を連ねる。

 民間企業の資本金に当たる基本財産は21億2000万円。このうち五分の一の4億6000万円が電力各社やプラントメーカーの寄付金で賄われている。10年度には、経産省から火力や発電設備などに関する委託事業費として7300万円が支払われた。

 耐震補強工事が行われたのは、国の原子力安全委員会が耐震指針の見直しを進めていた時期。市民団体が起こした運転差し止め訴訟などで東海地震への懸念が広がり、地元では中立的な立場での耐震チェックを求める声が強かった。

 同協会総務企画室の担当者は「検査に携わる職員の安全意識は高い。検査機関として公正、中立で、電力会社に気兼ねすることは一切ない」と話している。

専門性と経験評価
 中部電力の話 長年、国の検査業務の代行を行うなど実績があり、発電設備にかかわる高度な専門性と経験があることから検査を依頼した。浜岡原発の耐震性工事に関し、適正かつ公正な評価、確認を行っていただいたと考えている。

発電設備技術検査協会 1970年設立で、職員は98人。電力会社が法律や技術基準に基づき自主的に行う原子力発電所の安全性に関する検査や審査などを実施。2003年に業務の一部が独立行政法人原子力安全基盤機構(JNES)に移行されるまでは、原発に関する国の定期検査も代行していた。経済産業省の指定を受けた安全管理審査機関として、火力発電所などの安全管理の審査も行っている。年間事業規模は18億円。



 原発に関わって、きちんとしたチェック体制は、まったくできていない。こういう状況の中のチェックなんか、まったく信用できない。

 

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当然のことだ

2011-07-14 09:54:12 | 日記
 菅首相が、具体策は示さなかったが、脱原発を国是とすることを記者会見で発表した。当然のことだ。今回の福島第1原発の事故をまつまでもなく、倫理的に原発はあってはならない。

 まず、原発を稼働させるために、実に多くの人々をヒバクシャにしている。原料となるウランを採掘する現場で貧しき人々が被曝している。原発を稼働させている発電所で、多くの労働者が被曝している。そして原発周辺住民が被曝している。ヒバクシャをつくり出しながら稼働させる原発は、本来あってはならない。

 第2に、原発を稼働させることにより実に多くの放射性廃棄物がだされる。その放射性廃棄物は何世代にもわたって管理されなければならない。そういう廃棄物を出す原発はあってはならない。

 第3に、電源三法により莫大なカネが原発立地市町村に撒かれ、そのことにより人心を荒廃させ、自治体の自立心をなくし原発依存体質を強化する。どちらかというと人口過疎の地域がカネで買収されることにより、原発は建設される。そしてそこで発電された電力は、人口過密地に運ばれる。

 原発は、倫理的にも存在するべきではないのだ。

 『世界』8月号は、秀逸な論文が並んでいる。経済学者・伊東光晴氏の「経済学からみた原子力発電」は、具体的でありかつ理論的であり、教えられるところ多い。

 電源三法をつくった田中角栄は、新潟柏崎刈羽原発で4億円、刈羽村村長の木村博保は3億8千万円を手に入れることができたという。

 電源開発に関わる事業があるところ、カネが撒布される。

 問題となっている八ッ場ダム、その推進吾妻住民協議会会長は、自民党の地元議員でもあって、「ダム屋」に土地を売り10億円を手にしたという。これを話した地元住民は、この事実に怒るどころか“うらやましい”と言っていたそうだ。

 まさに電源開発に関わる当事者たちは、国民の税金や電気料を山分けしているのであるが、それに対して立腹するどころか“うらやましい”と反応するところに、人心の荒廃が生み出されているのだ。

 怒りを忘れた民が、まさに現在の日本をつくっている。倫理的な思考の復権が必要なのだが、しかしなぜか日本では、そういうカネを山分けしている者どもが、学校教育で道徳教育を強化せよ、などと叫ぶ。反倫理的な者どもが、道徳を説くのである。

 そういうことに対しても、我が民は怒らない。
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驕りと想像力

2011-07-13 07:03:54 | 日記
 私は今病院に通っている。私が病気というのではなく、友人の見舞いである。

 昨年9月、脳幹血栓で倒れ、今も首から下がほとんど動かない。左手は右手より相対的によく動くが、通常の動きはできない。歩くこともできないし、ほとんど寝たっきりである。

 第2東名の工事を請け負い、早朝から深夜まで、納期に間に合わせるためにかなり無理をして働いていたようだ。そしてその場所も新城市という、通うにも2時間近くかかるところであった。おそらく第何次下請けであっただろう。

 中学校の同級生であるから、他人事ではない。友人の奥さんに聞くと、夜11時頃会話をしていて突然ろれつが回らなくなり倒れたとのこと。血管を流れていた血栓は、突然彼の血流を止めたのだ。

 私は、彼の可能な限りの復帰を求め、足繁く通っている。

 この友人の病気、そして今度の東日本大震災といい、驕りということを感じる。年齢を重ねているにもかかわらず自らを若い時のままと錯覚する驕り。技術力で自然を制御できる、核エネルギーでさえ押さえ込めるという驕り。

 そうではなく、大自然の力の前に、私たちは「生かされている」のだ。「生かされている」が故に、生きているのである。夜寝る前に、明日は今日のように「生かされる」のだろうか、と不安を抱く。朝、いつも通りに目を覚ますと、「生かされている」ことに感謝すると共に、「生かされている」ことに最大限に価値あらしめようと思う。と同時に、「生かされる」ことが続くように大自然に祈る。

 私たちは、いずれにしても、自らの意思でこの世界に登場するのではなく、I was born、つまり受け身として登場したのである。


 驕りを持つと、想像力を働かせなくなる。

 驕りの中にある原子力マフィアである経産省、電力会社、原子力学者らは、福島原発がいかに巨大な被害をもたらしたかについて現実を見ることもなく、さらにより過酷な事故を想像することもせず、原発推進を図ろうとしている。

 驕りは、捨てなければならない。驕りは現実を見る目を曇らせ、想像力を失わせる。
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