浜名史学

歴史や現実を鋭く見抜く眼力を養うためのブログ。読書をすすめ、時にまったくローカルな話題も入る摩訶不思議なブログ。

「法的安定性」

2015-07-27 11:34:38 | その他
 日本国憲法には、こういう条文がある。


第九十八条  この憲法は、国の最高法規であつて、その条規に反する法律、命令、詔勅及び国務に関するその他の行為の全部又は一部は、その効力を有しない。

 憲法を頂点とする法体系こそ、日本国憲法が想定するものだ。しかしながら、現実には日米地位協定→日米安保条約を頂点とする、日本を「属国」化する法体系もあり、日本の法体系はこの二つの法体系を抱え、矛盾を抱えながら存在してきた。

 現在、安保法体系が日本国憲法を最高法規とする憲法体系を呑み込んでしまおうという状態にあり、まさに日本国憲法は危機に瀕している。礒崎補佐官にとっては、日本国憲法を最高法規とする憲法体系の「法的安定性」はどうでもよいということを本音で語ったのだろう。

 いろいろ考えてみると、現在こそ、二つの法体系の矛盾が激化し、日本国民の前には、どちらを選択するのか、安保法体系によりアメリカの「属国」として生きていくのか、それとも日本国憲法(平和主義、人権尊重、国民主権)を頂点とする法体系で生きていくのか、その選択が迫られているのだといってもよい。

 自民党・公明党の安倍政権は、日本国憲法はどうでもよく、とにかく安保法体系で今後の日本を運営していく、日本をアメリカの「属国」とし、日本国民をアメリカの戦争の担い手とする、そういう方向性を示しているといってもよいだろう。


 その意味で、下記の礒崎補佐官の本音は、でるべくしてでた、まさに売国奴的発言といえるだろう。もちろん国会では、建前で論議すべきではあるが、安倍政権の本音をきちんと理解し、今後の日本をどうするのか、今こそ真剣に考える時がきたと捉えるべきなのだ。

 ちなみに、下記の礒崎補佐官の「国を守る」というとき、その「国」とは、アメリカの「属国」としての日本国であること、日本国憲法を最高法規として存立する日本国ではないことを銘記しておかなければならない。


安保法案で礒崎補佐官「法的安定性は関係ない」


2015年07月27日 09時15分


 礒崎陽輔首相補佐官は26日、大分市内の講演で、安全保障関連法案について、「(従来の憲法解釈との)法的安定性は関係ない。国を守るために必要な措置かどうかは気にしないといけない。政府の憲法解釈だから、時代が変われば必要に応じて変わる」と語った。

 年々厳しさを増す東アジアの安全保障環境に対応するため、集団的自衛権を限定行使できるよう憲法解釈を変更した意義を強調したものだ。

 ただ、安倍首相は衆院での法案審議で、集団的自衛権の限定容認について「法的安定性に十分留意した」と繰り返し述べてきた。礒崎氏の発言は、27日から始まる参院での法案審議で、野党の批判を招く可能性もある。
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日本兵はどうして亡くなったのか

2015-07-27 09:20:47 | 近現代史
 今日の『中日新聞』に、「兵士の死に罪悪感欠如」「軍人軍属230万人死因統計なし」という見出しの記事がある。日本兵はどうして亡くなったのか、ということに関しては、すでに藤原彰氏の『餓死した英霊たち』(青木書店)があり、日本兵らの戦没者の6割以上が広い意味での「餓死」であったと推定している。

 今日の記事には、中国でも「戦死・戦傷死」よりも「戦病死」のほうが多いという統計がでている。書庫に行かないと確かなことは分からないが、中国でも餓死者が多いことに疑問を持った(なぜなら日本軍は、中国人から食料を掠奪しているはずだから、食い物にはあまり不自由はなかったのではないかという予想があった)ボクは、「戦時栄養失調症」ということばを、軍医が書いた本の復刻で知った。
 日本兵は、どこでも「餓死」に近い状態で亡くなっているのだ。

 また『中日新聞』では、メレヨン島での陸軍の生還率を階級別に紹介している。将校67%、准士官77%、下士官36%、兵18%ということだが、日本では常に軍隊内の階級が絶対的なものとして支配していたので、結局亡くなるのは兵であった。

 沢地久枝さんがミッドウェー海戦について、日米両軍の戦死者について統計をとった(『実録ミッドウェー海戦』)が、それにも同じような傾向(つまり兵の死が圧倒的である)があった。ちなみに米軍は階級の別なく平等であったということだ。

 日本の兵のあとの4割はどうなのか。そのなかには「海没」がある。日本軍は補給を重視していなかったので、兵員や物資を運ぶ船の海上護衛をほとんどしていなかったので、アメリカ潜水艦にいいように攻撃され、船もろともにたくさんの兵士が「海没」していった。とくにバシー海峡がひどかった。

 そして特攻隊。将来がある青年たちを、すでに敗戦が濃厚であった時期に死地に追いやるという無駄な作戦である。日本人青年を殺すための作戦であったといえよう。

 いずれにしても無謀な作戦で、多くの兵を殺した日本軍のリーダーたち。ニューギニアのポートモレスビー作戦や、牟田口廉也のインパール作戦など、あまりに無謀な、無駄な作戦が展開された。

 戦わずして亡くなった多くの日本兵たち。

 しかし、そうした無駄死にを強いた軍高官たちは、はたして責任をとったのか。


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日本兵はどうして亡くなったのか

2015-07-27 09:20:47 | 近現代史
 今日の『中日新聞』に、「兵士の死に罪悪感欠如」「軍人軍属230万人死因統計なし」という見出しの記事がある。日本兵はどうして亡くなったのか、ということに関しては、すでに藤原彰氏の『餓死した英霊たち』(青木書店)があり、日本兵らの戦没者の6割以上が広い意味での「餓死」であったと推定している。

 今日の記事には、中国でも「戦死・戦傷死」よりも「戦病死」のほうが多いという統計がでている。書庫に行かないと確かなことは分からないが、中国でも餓死者が多いことに疑問を持った(なぜなら日本軍は、中国人から食料を掠奪しているはずだから、食い物にはあまり不自由はなかったのではないかという予想があった)ボクは、「戦時栄養失調症」ということばを、軍医が書いた本の復刻で知った。
 日本兵は、どこでも「餓死」に近い状態で亡くなっているのだ。

 また『中日新聞』では、メレヨン島での陸軍の生還率を階級別に紹介している。将校67%、准士官77%、下士官36%、兵18%ということだが、日本では常に軍隊内の階級が絶対的なものとして支配していたので、結局亡くなるのは兵であった。

 沢地久枝さんがミッドウェー海戦について、日米両軍の戦死者について統計をとった(『実録ミッドウェー海戦』)が、それにも同じような傾向(つまり兵の死が圧倒的である)があった。ちなみに米軍は階級の別なく平等であったということだ。

 日本の兵のあとの4割はどうなのか。そのなかには「海没」がある。日本軍は補給を重視していなかったので、兵員や物資を運ぶ船の海上護衛をほとんどしていなかったので、アメリカ潜水艦にいいように攻撃され、船もろともにたくさんの兵士が「海没」していった。とくにバシー海峡がひどかった。

 そして特攻隊。将来がある青年たちを、すでに敗戦が濃厚であった時期に死地に追いやるという無駄な作戦である。日本人青年を殺すための作戦であったといえよう。

 いずれにしても無謀な作戦で、多くの兵を殺した日本軍のリーダーたち。ニューギニアのポートモレスビー作戦や、牟田口廉也のインパール作戦など、あまりに無謀な、無駄な作戦が展開された。

 戦わずして亡くなった多くの日本兵たち。

 しかし、そうした無駄死にを強いた軍高官たちは、はたして責任をとったのか。


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平和があってこその人生

2015-07-27 08:29:34 | 日記
 毎日夕方、畑に行って、収穫と除草に汗を流す。

 昨日も、ボクの頭上をエーワックスが飛行する。1機570億円もする代物だ。航空自衛隊浜松基地には、これが4機配備されていて、浜松周辺の空を飛び回る。

 自衛隊員も、こういう武器をもって訓練していると、実際の戦闘で使ってみたいと思うのだろう。だが、使って欲しくはない。戦争というのは、いつでもどこでも殺戮と破壊である。

 世界各地で、そのほとんどがアメリカが仕組んでいるのだが、戦闘が繰り広げられている。アメリカは、自分の言うことをきかない国に、正規戦は挑まないが、様々な手段を使って内部対立を引き起こし、言うことを聞かない国の力をそぎ落とそうと日々動いている。

 その背後には、戦争によってカネ儲けをしている軍需産業がある。短期的な、そして無限大の利益を求める資本家たちがいる。彼らの利益のために犠牲になるのが、庶民である。

 庶民は、戦争というのは、軍需産業とそれに連なる者たちの最大限利益追求の手段に他ならない、という確信を持つべきだ。

 平和あってこその庶民の生活である。

 選挙があるとき、ボクたちは好戦的な自由民主党という政党、そして「平和の党」といいながら戦争に協力する公明党には、ぜったいに投票しないように、働きかける必要がある。彼らはカネと独善的な宗教的利益の追求のために、政治活動を行っているのだ。

 平和に敵対する政党の人間を、政治家にしてはならない。

http://wpb.shueisha.co.jp/2015/07/27/51125/
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「いちごの王様からのメッセージ」

2015-07-27 08:14:05 | その他
サンリオの王様からのメッセージは、熱い。

http://www.sanrio.co.jp/strawberrymsg/message201508/
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安倍内閣不支持が50%

2015-07-26 21:56:36 | 政治
 『日本経済新聞』の世論調査で、「内閣不支持50%・支持38%、現政権で初の逆転」という情報が流されてきた。

 日本の社会には「時流」というものがある。「時流」をどういう方向につくりだすか、つくりだすことができれば、その「時流」が、社会を変えていく。

 今、平和や民主主義を守ろうという「時流」が、無数の小さな流れを集めて、大きな流れとなってきた。この「時流」をさらに大きな流れにして、「戦後民主主義」を確実なものにするようにしていこう。

 いま、「時流」は、平和と民主主義を擁護する側にある。
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『報道特集』の勇気

2015-07-26 08:46:01 | 政治
 「従軍慰安婦」問題は、ネトウヨをはじめとした妄言により、「なかった」ことにされようとしている。ボクも、軍人の回想記などで、「慰安所」設置や、「慰安婦」を集めたという体験を読んでいる。もちろん軍主導であることが、容易に分かる記述だ。

 にもかかわらず、歴史の事実を闇に葬ろうという勢力が口汚い罵声をはりあげ、報道の世界から「慰安婦」問題を消し去ろうという動きを示してきたとき、TBSの『報道特集』が、果敢にそうした動きと正面から対峙する特集を放映した。昨日のことだ。

http://lite-ra.com/2015/07/post-1323.html
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「戦争反対」には、日本人の涙が・・・・

2015-07-26 08:23:16 | 政治
 「美輪明宏さん、涙こらえ戦時体験語る 寂聴さんと対談」という、『朝日新聞』記事。

http://www.asahi.com/articles/ASH7T52ZCH7TPTFC00G.html?iref=com_rnavi_arank_nr03
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鳴き続ける蝉よりも大きな声を

2015-07-26 07:45:34 | 日記
 10日間にも及ぶ長雨が終わった頃から、蝉が一斉に鳴き始めた。長い間土の中で生活してきた蝉は、残り少ない日々をひたすら、みずからの存在証明を示すべく鳴く。

 その体全体からの精一杯の声は、「参戦法案」反対の声と重なる。

 法学部で学びながら、歴史の魅力に取り付かれたボクは、長い間歴史の襞に眠り続けていた庶民の声を拾い続けてきた。とりわけ、近現代史のなかでは、庶民のなかの、戦争による悲しみ、悔しさを受け止め、それを叙述してきた。誰もいない休日の編さん室で、戦争体験者の悲痛な体験記を読み、むせび泣きながら文字を綴ったこともあった。それぞれの文の末尾にある、「戦争だけはしてはいけない」、「自分の体験を子や孫に体験させたくはない」という文字に、心から同感してきた。悲痛な、恐ろしい体験が短い体験記に凝縮されていたのだが、それを読むボクは、その背後にある語り尽くせない体験に身震いしたことを思い出す。おそらくそうした体験をしたためた方々は、もうこの世にはいない。
 だからこそ、ボクは、遺された戦争体験者の思いを代弁しなければならない。

 と同時に、大学で法学を学んだ者たちはボクと同様に「参戦法案」反対の動きをしているだろうか、と思う。大学を卒業した者たちは、裁判官、弁護士、検察官、民間会社、公務員、教員など、社会のそれぞれの場に旅立っていった。

 すでに多くの憲法学者が「違憲」と指摘する、あるいは「立憲主義」が危機にさらされているというこの「参戦法案」については、卒業後のそれぞれの立ち位置にかかわらず、「反対」を叫ぶべきものではないか。みずから学んだ学問の要諦が踏みにじられようとしているとき、それに抗して声を上げるべきは当然ではないか。

 ボクは長い間、社会の中で生きてきたが、人々は「理念」では動かない、ということを学んできた。「理念」に生きることにより、みずからに不利なことが押しつけられてくることに耐えられる人は多くはないことを学んできた。

 だが、そうであっても、今回の「参戦法案」は、「理念」だけではなく、「戦後」がつくりだしてきた生活そのものが変えられる可能性を秘めた、とても大きな「変動」なのだ。

 大学の古びた地下のサークル室で、いろいろなことを学びあったが、その学びが壊されようとしているとき、声を上げるのは必然としか言いようがないではないか。

 「参戦法案」反対の署名に加わることを願う、学問的良心を持って。
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一人のクレームで、芸術作品撤去?

2015-07-25 21:26:01 | 社会
 日本の社会は、おかしくなったね。自由がだんだんなくなってきている。一人がクレームを入れたら、芸術作品が撤去されるんだ。

 http://www.sponichi.co.jp/society/news/2015/07/25/kiji/K20150725010806870.html

http://www.sponichi.co.jp/society/news/2015/07/25/kiji/K20150725010806430.html
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鶴見俊輔氏逝く

2015-07-24 09:58:01 | その他
 高校時代から、鶴見俊輔氏の本はたくさん読んできた。だからボクの「知」には、鶴見氏の思考がだいぶ入っていると思う。

 鶴見氏が亡くなったという報道を見た。93歳。年齢を思えば仕方がないとも思うが、「戦後民主主義」を担ってきた方々が、次々と去っていくことに寂しさを感じる。
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坊主憎けりゃ・・・

2015-07-24 09:41:43 | 政治
 安倍政権の狭量さ。女性自衛官が、クマラスワミ女史と会食したことをブログで書いたら、削除せよ、だって。クマラスワミ女史は国際機関で活躍する女性。

 クマラスワミ女史は、日本の「従軍慰安婦」問題で、報告書を書いた方だ。「従軍慰安婦」を「売春婦」だとして貶めたい(こうした表現はしたくはない)輩は、事実を書いた人に対しては憎悪をぶつけるのである。

 しかし女史は、その報告書を提出しただけの人ではないのだ。何とまあ、安倍政権は「大人の風格」がない。

http://lite-ra.com/2015/07/post-1316.html
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「戦争法案」反対の動画が、消された?

2015-07-23 21:14:38 | 読書
 you tubeにアップした動画が、Googleによって消されたんだそうだ。抗議活動が行われて復活したとのこと。you tubeには、ネトウヨらのヘイトスピーチやそれを叫ぶデモがアップされているのに、「戦争法案」反対は消すの?

 いったいGoogleは何を考えているのだろうか。なぜ消して、なぜ復活させたのかを説明せよ!!

http://www.huffingtonpost.jp/2015/07/22/anpo-movie-youtube_n_7853732.html?utm_hp_ref=japan
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ギリシャ

2015-07-23 14:17:46 | 国際
 以前ギリシャの莫大な債務は、ギリシャがドイツ、フランスから過剰な軍需品を購入したことによると記したことがある。今回ギリシャは、EUからの支援を得るために、16日には付加価値税(日本の消費税に相当)の増税や年金改革の法案を可決した。

 ところが、国民生活をより悪化させる政策は強行するが、軍事費に関しては何の制限もなされない。

 これが新自由主義の手法の典型である。全世界で、庶民に耐乏生活を強制し、軍需企業をはじめとした巨大企業や富裕者にカネを集中させる政策がまかり通っている。

 堤未果氏のブログを紹介する。

http://www.mikatsutsumi.org/blog/?p=98
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自らの意思を表明しよう

2015-07-23 08:01:53 | 政治
 今、「戦後日本」の大きな曲がり角にある。安倍自民党・公明党の軍事路線を押しとどめるために、あらゆる意思表明が必要だ。

 早稲田大学関係者も始めた署名活動。

http://www.waseda9.org/
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