浜名史学

歴史や現実を鋭く見抜く眼力を養うためのブログ。読書をすすめ、時にまったくローカルな話題も入る摩訶不思議なブログ。

新国立競技場、責任に押し付け合い

2015-07-17 21:19:39 | 政治
 またまた「無責任の構造」が出現している。責任ある者たちが、皆「俺の責任ではない!」と言い続ける。この無責任の構造が、日本をダメにしているのだが、しかしこれとてなぜか心優しい、責任を追及しない日本人の「性」があるからなのか。

 こういう問題は、重大な局面になると、誰もが責任から逃れる。決定は、「場」の雰囲気で決められてきたからだ。


http://buzzap.jp/news/20150717-olympic-stadium-confusion/
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『東京新聞』と『中日新聞』(東海本社)

2015-07-17 10:59:38 | メディア
 一面トップ。
【東京】「「戦える国」衆院通過」
【中日】「抗議届かず強行採決 安保法案 衆院を通過」

 二面
 柳沢協二氏の「安保国会ウオッチ」の見出し
【東京】「「自国守るため」論理破綻」
【中日】「具体論では矛盾噴出」

 記事の内容は同じなんだけれども、見出しが異なる。『東京新聞』のほうが、鋭い。

 ついでに今日の「社説」。

 
民主主義の岐路に立って 安保法案、衆院通過  

2015/7/17 紙面から

 主権者である国民の多数が反対する法案がなぜ、衆院を通過してしまうのか。戦後七十年の節目の今年、私たち日本の民主主義は岐路に立たされている。
 憲法学者の多くが「憲法違反」と指摘する安全保障法制関連法案が衆院特別委で強行可決された十五日夜、国会正門前は法案に反対する人たちで埋め尽くされた。
 人の波は深夜になっても途絶えず、主催者発表の参加者数は十万人にまで膨れ上がった。法案が衆院を通過したきのう夜も、国会周辺には多くの人が集まり、安保法案反対の声が響いた。
 法案に反対する集まりは、名古屋、札幌など日本全国に広がる。

反対の大きなうねり

 石破茂地方創生担当相はかつて自民党幹事長時代、国会周辺で繰り広げられた、特定秘密保護法や原発再稼働に反対するデモ活動を「テロ行為」と同一視して、批判したことがある。
 その石破氏ですら、全国で反対デモが続く安保法案について「国民の理解は、まだ進んでいるとは言えない」と認めざるを得ないほど、この法案は異常さが際立つ。
 デモで示された安保法案への反対は、民意の巨大なうねりの一端にすぎない。
 共同通信社が六月下旬に実施した全国電話世論調査によると、安保法案に「反対」との回答は58・7%で、五月の前回調査から11・1ポイント上昇した。法案の今国会成立に「反対」との答えも63・1%で、前回より8ポイントも増えている。
 安保法案は、審議を重ねれば重ねるほど矛盾や欠陥が露呈した。衆院憲法審査会で参考人の憲法学者全員が「違憲」と主張したことを契機に、法案の合憲性に対する国民の疑念も一気に膨らんだ。
 時がたつにつれ、法案そのものや、今国会での成立に反対する意見が増えるのも当然だろう。

「白紙委任」ではない

 しかし、安倍晋三首相や法案を提出した安倍内閣、今国会成立を急ぐ自民、公明両党はいずれも、そうした国民の声を聞き入れようとせず、野党が反対する中、特別委や本会議で採決に踏み切った。
 自民、公明両党は二〇一二、一四年衆院選と一三年参院選で勝利した。その数の力を背景に、反対論を封じ、選挙で選ばれた自分たちの判断こそ、正しいと言わんばかりの態度だ。
 確かに、有権者にとって選挙は政治家や政党、政策を選択する最大の機会ではある。国民の負託をより多く受けた与党の国会議員が政策決定の主導権を握るのは、議会制民主主義としては当然だ。
 とはいえ、有権者は選挙で「白紙委任」をしたわけではない。それぞれが政治家や政党を選びながらも、熟議を通じてよりよい政策をつくり上げてほしい、というのが国民の率直な願いのはずだ。
 選挙ですべてが決まるのなら、議会で議論する意味はなくなり、議員は多数決マシンと化す。
 ましてや、憲法九条に基づく平和主義、専守防衛など戦後日本が守り抜いてきた憲法の理念や、憲法が権力を律する立憲主義に関わる問題では慎重な議論が必要だ。
 国民が、政府や国会の振る舞いをおかしいと思えば声を上げるのは当然であり、政治家が謙虚に耳を傾けることこそが、健全な民主主義の在り方ではないのか。
 にもかかわらず、自民党から聞こえてくるのは、安保法案を批判する報道機関の広告料収入をなくして「懲らしめる」などという威圧的な発言であり、沖縄県の地元新聞社をつぶせという作家に反論しない議員たちの姿である。
 言論の自由を定めた憲法を守れない自民党議員に、憲法や法律を語る資格はない。
 より深刻なことは、首相自身に戦後日本の平和主義や専守防衛、立憲主義を深刻な危機に陥れている、との自覚がないことだろう。
 海外での武力の行使に道を開く集団的自衛権の行使を認めたにもかかわらず、平和国家の歩みや専守防衛に変わりないと言い放ち、最高法規である憲法の解釈を恣意(しい)的に変更しても、立憲主義に反しないと強弁する。
 それは、戦後日本が目指してきた民主主義のあるべき姿や指導者像とは程遠いのではないか。

声を出し続ける覚悟

 安保法案の衆院通過を受けて、論戦の舞台は参院に移る。法案をこのまま成立させれば、安倍政権の誤った民主主義観を追認することにもなる。重大な岐路である。
 日本の民主主義が誤った方向に進まないようにするのは、主権者である国民の崇高な役割だ。おかしいと思ったことには国民自身が覚悟を持って声を出し続けなければ、権力は暴走を自ら止めることはないだろう。
 政治の決定権を、国民から遊離した権力から、国民自身に取り戻す。戦後七十年。正念場である。

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外国紙は報じる、日本の軍隊派遣

2015-07-17 09:22:16 | 政治
 まずGuardian紙。

Japanese law could send soldiers to fight abroad for first time in 70 years
 70年間ではじめて海外へ戦闘のために派兵を可能とする法

Japan’s lower house of parliament has approved legislation that could see troops sent to fight abroad for the first time since the second world war, despite thousands of protesters overnight chanting and holding up placards reading “No War, No Killing”.

 プラカードを持ち、戦争反対、殺すなと叫ぶ数千人が夜通し抗議するなか、日本の衆議院は、第2次大戦後はじめて、戦闘のために軍隊を海外へ送ることを可能とする法案を通過させた。
 記事中にあるように、「参戦法案」は、まさに海外へ軍隊(兵士)を戦闘のために派兵する法なのである。

 次。The Newyork Timesは、Japan’s Lower House Passes Bills to Give Military Limited Combat Powersという見出しの記事を掲げた。日本の衆議院は、戦闘力が制限された軍隊を贈る(?)法案を通過させた、とでも訳せばよいのだろうか。giveは「与える」、「贈る」、「売り渡す」。
http://www.theguardian.com/world/2015/jul/16/japan-security-bills-through-lower-house-despite-protests

 本文はこう始まる。
Defying broad public opposition and large demonstrations, Prime Minister Shinzo Abe won a crucial vote in Parliament on Thursday for legislation that would give Japan’s military limited powers to fight in foreign conflicts for the first time since World War II.

 大々的な反対の声、大規模な抗議活動に挑戦しながら、安倍晋三首相は、木曜日の議会で(日本の)命運を左右する投票で勝利した。その投票とは、第2次世界大戦以後はじめて外国の戦争で戦闘を行うために制限された日本の軍事力を投入するという法案である。

 また中東のアルジャジーラも報じる。
Is Japan's military heading for a fight?(日本の軍隊は戦う方向に向かうのか)
Protesters fear plans to expand the role of the military undermines Japan’s pacifist constitution.(反対者たちは、軍隊の役割を拡大する計画が平和憲法の土台を壊すされるこをおそれている)
http://www.aljazeera.com/programmes/insidestory/2015/07/japan-military-heading-fight-150716200226597.html
 この英文は難しくないので、読んでほしい。

この法案は、日本の平和的なスタンスを根本的に変えるのか、あるいは国の安全を保つ上で必要な手段なのか、という末尾の文を考える必要がある。
  Japan's pacifist stanceは、維持されなければならない。
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