浜名史学

歴史や現実を鋭く見抜く眼力を養うためのブログ。読書をすすめ、時にまったくローカルな話題も入る摩訶不思議なブログ。

地方自治

2015-07-04 20:55:53 | その他
 某市の「行政改革」関連の資料をみているが、地方自治体の「行政改革」はまさに政府からのトップダウンで実施されていて、この分野だけみていると、「全体主義」だと思ってしまう。

 自治省(総務省)から通達がおりてくる。「こういうことをしなさい」という命令。それをしないと、今度は県から「早くやりなさい」。そして提出すると、県段階で県内の市町村の一覧表がつくられる。その表を見ると、やっていない自治体はすぐわかる。

 そして「行政改革」の内容も、もちろんトップダウン。自治体にできるのは、その命令を受けながら、「何とかこの部分だけ従わないようにしよう」とするくらい、それが唯一の抵抗だ。

 資料をみていて、「行政改革」については、まず中曽根内閣の臨調行革路線から始まり、2000年代初期の小泉政権で質的に変化し、それが現在にもつながっているように思えた。

 もちろん現在の自治体は、新自由主義的な思考に染め上げられているが、小泉政権期の動きがもっとも活発だったのではないか。経済財政諮問会議が司令塔となって、その指示が国-県-市町村と行政の系列を伝って降ろされてきたのではないか。その諮問会議が、新自由主義者の巣窟であったことは記憶に新しい。

 「行政改革」は、地方自治体を政府の統制下におくためのきわめて有効な手段としてあったのではないかと思う。

コメント
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