浜名史学

歴史や現実を鋭く見抜く眼力を養うためのブログ。読書をすすめ、時にまったくローカルな話題も入る摩訶不思議なブログ。

ギリシャの国民投票

2015-07-06 21:58:52 | 国際
 ギリシャの国民投票に関する時事通信配信記事。

 富裕者は賛成、そうでない者は反対。そういう性質の問題である。 


国民投票、富裕層に衝撃=反緊縮派は譲歩期待―ギリシャ

19:53時事通信


 【アテネ時事】緊縮財政策への賛否を問う国民投票から一夜明けた6日、ギリシャの首都アテネでは結果に対する失望と喜びの声が交錯している。富裕層を中心とする賛成派はユーロ圏離脱を警戒し、反対派はチプラス首相が欧州連合(EU)など債権団から緊縮策の緩和を獲得すると期待。投票を通じて鮮明になった国民の二極化を印象付けた。

 医師のヤニス・スタブロブロスさん(60)は反緊縮派が圧勝した開票結果に「EUへの絶縁状だ。信頼関係は完全に失われた」と失望し、債権団が早期に支援を再開する望みは絶たれたと分析。企業幹部の60歳女性も「ユーロ離脱の確率は50%に高まった。そうなれば国民の多くの財産が失われる」と顔を曇らせた。

 一方、反対票を投じたフリー記者のアガラナチス・フォティスさん(54)は「EUが脅しているだけだ」と高まるユーロ離脱懸念を否定し、首相が交渉で有利な条件を引き出すと予想。弁護士のパナヨリス・パパドクモスさん(59)は「緊縮策の5年間で人々の暮らしは困窮した。当然の結果だ」と有権者の判断を評価した。

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作戦(その2)

2015-07-06 09:21:00 | 政治
 昨夜書いた「作戦」が、好評なので、それを少し敷衍したい。

 1990年、6月、「日米構造協議」が決着して、1991年度から日本は「公共投資10カ年計画」、総額430兆円の公共投資を行うことをアメリカと「約束」した。このとき、大店法、独禁法改正も「約束」した。確かこの理由は、日本の内需が弱いので日本はアメリカにどんどん輸出する、アメリカの対日貿易赤字を減らすために日本は国内需要を拡大せよ、というものであったように記憶している。

 しかしボクは自治体の資料を読んでいて、思った。おそらくこのとき、アメリカから新自由主義的な施策を推進していくための「秘策」を伝授してもらったのではないだろうかと。

 この1990年10月、虚構の経済の繁栄であったバブル経済が崩壊する。ひょっとしたら、この事態もつくられたものではなかったか。なぜならこの後日本は景気の悪化がつづき(「失われた10年」とか「失われた20年」ということばがある)、財政収入が悪化しているにもかかわらず、公共事業を拡大した。もちろん、景気をよくするため、という名目である。この後税収が減っているにもかかわらず、一般会計歳出は増加していくという、考えられない施策を展開していく。
 なおこの1990年、法人税率が下げられた。

 そしてしばらく発行していなかった特例公債(赤字国債)を、1994年から発行していく、そしてそれは増えていく(特例公債は、1989年から1993年までは発行していない。それ以前は、そんなに多くはなかった)。

 1994年10月、村山政権は、社会資本整備のためという名目で1995年から2004年度までで、630兆円の投資を行うと閣議決定する。すごい額だ!一般会計の税収は1990年度をピークに減り続けているのに。

 自治省(のちの総務省)は、この時期自治体に対して、どんどんカネをつかいなさい、つかったカネの多くは国があとから手当てするからなどと自治体の尻をたたいたのではなかったか。

 つまり、財政赤字は、意図的に「つくられた」ものではないのか。

 そしてそのように「つくられた」財政赤字であるにもかかわらず、国債・公債を乱発して景気刺激策としての特別減税や公共事業を展開した結果、国や地方自治体の財政は破綻寸前だ(自治体の資料に記された内容である)、という前提のもとに、地方自治体にNPM(New Public Manegement)の方式が導入されていく。

 自治省(総務省)が内容を考えて、都道府県・市町村に通達する。通達に盛り込まれた文言をつかった「行政改革」のプランを、それぞれの自治体でつくらせ、実行させる。

 そのプランをみていると、小泉内閣のときに、質的な変化があったように思う。まだ検討途中であるので何とも言えないが、「経済財政政策に関する重要事項について、有識者等の優れた識見や知識を活用しつつ、内閣総理大臣のリーダーシップを十全に発揮することを目的として、内閣府に設置された合議制機関」としての経済財政諮問会議が、新自由主義的施策の司令塔として「活躍」を始めたからではないかと思う。同審議会が、自治体にどのような指令をだしているか、今後検討してみたい。

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