都内近郊の美術館や博物館を巡り歩く週末。展覧会の感想などを書いています。
はろるど
「ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン2005」が閉幕
「熱狂の日」音楽祭が閉幕、3日間で29万人来場(YOMIURI-ON-LINE)
東京・有楽町の東京国際フォーラムで4月29日から開かれていたクラシック音楽の祭典「ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン『熱狂の日』音楽祭2005」(東京国際フォーラム主催、読売新聞社、日本テレビ放送網など特別協力)が1日閉幕した。
有楽町の東京国際フォーラムで連日開催されていた「熱狂の日音楽祭2005」が終了しました。「特別協力」の読売新聞の報道によれば、三日間でなんと約30万人もの方が押しかけたそうです。「大盛況」と言って問題ないでしょう。
既に拙い感想をアップしましたが、私は最終日の「ミサ・ソレムニス」だけを聴いてきました。熱心なクラシックファンの中には、朝から夜遅くまでひたすらコンサート三昧という方もいらっしゃったそうです。主催者としては予想以上の人出だったのか、当日券のチケット販売にかなりの不手際があり、長時間待たされたあげく、結局入場出来なかったという例もあったと聞きました。その辺は残念ではありますが、老若男女、様々な方々が東京国際フォーラムへ足を運んで、ベートーヴェンを堪能したというのは事実のようです。
普段クラシック音楽を聴かない人々を取り込んだイベントでもありました。そう言われれば、確かに会場はカジュアルでかつ華やかな印象で、クラシックコンサートにありがちな独特の窮屈な雰囲気は見られませんでした。(それはそれで結構好きなのですが…。)またフォーラムの中庭には世界の食べ物(?)を売るワゴンが出ていたりして、ワインやビールなどを片手に談笑されている方も多く見かけます。さらには、普段ならまず売れなそうなベートーヴェンのグッズもたくさん並べられていました。これらは見るだけでも楽しめます。(グッズは9日まで販売しているそうです。)
チケット販売の不備はともかくも、価格設定は嬉しい限りでした。(「ミサ・ソレムニス」はコストパフォーマンス的にも最高の公演でしょう。)来年はモーツァルトのメモリアルイヤーでもありますが、日本での企画は単発のものなのでしょうか。街全体を盛り上げて音楽祭を開催するには、東京は少々図体が大きすぎますが、取りあえずの利便性やキャパシティを考えると、会場はここぐらいしか思いつきません。是非、息の長い企画にして、ゴールデンウィーク中の都心の新しい目玉にしていただきたいものです。
東京・有楽町の東京国際フォーラムで4月29日から開かれていたクラシック音楽の祭典「ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン『熱狂の日』音楽祭2005」(東京国際フォーラム主催、読売新聞社、日本テレビ放送網など特別協力)が1日閉幕した。
有楽町の東京国際フォーラムで連日開催されていた「熱狂の日音楽祭2005」が終了しました。「特別協力」の読売新聞の報道によれば、三日間でなんと約30万人もの方が押しかけたそうです。「大盛況」と言って問題ないでしょう。
既に拙い感想をアップしましたが、私は最終日の「ミサ・ソレムニス」だけを聴いてきました。熱心なクラシックファンの中には、朝から夜遅くまでひたすらコンサート三昧という方もいらっしゃったそうです。主催者としては予想以上の人出だったのか、当日券のチケット販売にかなりの不手際があり、長時間待たされたあげく、結局入場出来なかったという例もあったと聞きました。その辺は残念ではありますが、老若男女、様々な方々が東京国際フォーラムへ足を運んで、ベートーヴェンを堪能したというのは事実のようです。
普段クラシック音楽を聴かない人々を取り込んだイベントでもありました。そう言われれば、確かに会場はカジュアルでかつ華やかな印象で、クラシックコンサートにありがちな独特の窮屈な雰囲気は見られませんでした。(それはそれで結構好きなのですが…。)またフォーラムの中庭には世界の食べ物(?)を売るワゴンが出ていたりして、ワインやビールなどを片手に談笑されている方も多く見かけます。さらには、普段ならまず売れなそうなベートーヴェンのグッズもたくさん並べられていました。これらは見るだけでも楽しめます。(グッズは9日まで販売しているそうです。)
チケット販売の不備はともかくも、価格設定は嬉しい限りでした。(「ミサ・ソレムニス」はコストパフォーマンス的にも最高の公演でしょう。)来年はモーツァルトのメモリアルイヤーでもありますが、日本での企画は単発のものなのでしょうか。街全体を盛り上げて音楽祭を開催するには、東京は少々図体が大きすぎますが、取りあえずの利便性やキャパシティを考えると、会場はここぐらいしか思いつきません。是非、息の長い企画にして、ゴールデンウィーク中の都心の新しい目玉にしていただきたいものです。
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コンチェルト・ケルン 「ベートーヴェン:ミサ・ソレムニス」 5/1
コンチェルト・ケルン ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン音楽祭2005/東京
ベートーヴェン ミサ・ソレムニス
指揮 ダニエル・ロイス
ソプラノ クラウディア・バラインスキー
アルト エリザベス・ヤンソン
テノール ダニエル・キルヒ
バス クレメンス・ハイドリッヒ
合唱 RIAS室内合唱団/カペラ・アムステルダム
2005/5/1 20:45 東京国際フォーラムホールC 3階
「熱狂の日音楽祭」の最終日に、古楽器オーケストラとして名高いコンチェルト・ケルンの演奏で、ベートーヴェンの「ミサ・ソレムニス」を聴いてきました。期待を裏切らない素晴らしい演奏です。ホール全体に美しい「祈り」が満ち溢れていました。
コンチェルト・ケルンの響きは、まさに古楽器を聴く喜びを十分に感じさせてくれます。ノン・ヴィブラートの切れ味の良さは、まるで森の中の澄んだ泉で水しぶきを浴びているような清々しさがあって、身も心もリフレッシュするかのようです。冒頭のキリエでは、柔らかく膨らみのある響きが体を包み、鋭角的で起伏の激しいグローリアでは、表現の鮮烈さと緊張感が印象に残ります。残念ながらホールの響きが芳しくなく、ステージとの一体感がなかなか得られなかったのですが、それを差し引いてもこのオーケストラの素晴らしさを感じることができます。それにしても、時折あまりにも素晴らしい静謐な響きが聴こえてきたので、思わず涙腺が潤むくらいでした。ロイスの構えたところのない素朴な指揮と相まって、自然体で肩の力を抜いたような微笑ましい「ミサ・ソレムニス」になっていたと思います。
RIASとカペラ・アムステルダムの合唱団も、オーケストラに負けることのないぐらいの存在感です。声量が逞しい上に、清涼感すら得られるような瑞々しさがあります。合唱指揮者でもあるロイスとの息もピッタリで、一つ一つ声が全体として一体感を持って大きな「楽器」となった時、どれだけに深い表現が可能なのかと言うことを痛感させられるような素晴らしい合唱でした。この合唱を聴くだけでも十分に価値があります。
ソリストの方々は、オーケストラや合唱の素晴らしさと比べると、やや分が悪かっかもしれません。ただ、もしかしたらホールとの適性の問題もあるのでしょうか。ちょっと気の毒にも思いました。
終演後の聴衆の反応は、「熱狂の日」の最後にふさわしいような熱いもので、一部ではスタンディングすら起きていました。「ミサ・ソレムニス」のような宗教曲で、このようなエネルギッシュな反応には驚かされましたが、確かに強く賞賛したくなるような素晴らしい演奏であったのは事実だと思います。会場を後にして家に着くまで、「サンクトゥス」や「アニュス・ディ」の深い祈りが頭から離れませんでした。コンチェルト・ケルンは意外にも初来日とのことですが、是非また清々しい響きを聴かせていただきたいものです。
ベートーヴェン ミサ・ソレムニス
指揮 ダニエル・ロイス
ソプラノ クラウディア・バラインスキー
アルト エリザベス・ヤンソン
テノール ダニエル・キルヒ
バス クレメンス・ハイドリッヒ
合唱 RIAS室内合唱団/カペラ・アムステルダム
2005/5/1 20:45 東京国際フォーラムホールC 3階
「熱狂の日音楽祭」の最終日に、古楽器オーケストラとして名高いコンチェルト・ケルンの演奏で、ベートーヴェンの「ミサ・ソレムニス」を聴いてきました。期待を裏切らない素晴らしい演奏です。ホール全体に美しい「祈り」が満ち溢れていました。
コンチェルト・ケルンの響きは、まさに古楽器を聴く喜びを十分に感じさせてくれます。ノン・ヴィブラートの切れ味の良さは、まるで森の中の澄んだ泉で水しぶきを浴びているような清々しさがあって、身も心もリフレッシュするかのようです。冒頭のキリエでは、柔らかく膨らみのある響きが体を包み、鋭角的で起伏の激しいグローリアでは、表現の鮮烈さと緊張感が印象に残ります。残念ながらホールの響きが芳しくなく、ステージとの一体感がなかなか得られなかったのですが、それを差し引いてもこのオーケストラの素晴らしさを感じることができます。それにしても、時折あまりにも素晴らしい静謐な響きが聴こえてきたので、思わず涙腺が潤むくらいでした。ロイスの構えたところのない素朴な指揮と相まって、自然体で肩の力を抜いたような微笑ましい「ミサ・ソレムニス」になっていたと思います。
RIASとカペラ・アムステルダムの合唱団も、オーケストラに負けることのないぐらいの存在感です。声量が逞しい上に、清涼感すら得られるような瑞々しさがあります。合唱指揮者でもあるロイスとの息もピッタリで、一つ一つ声が全体として一体感を持って大きな「楽器」となった時、どれだけに深い表現が可能なのかと言うことを痛感させられるような素晴らしい合唱でした。この合唱を聴くだけでも十分に価値があります。
ソリストの方々は、オーケストラや合唱の素晴らしさと比べると、やや分が悪かっかもしれません。ただ、もしかしたらホールとの適性の問題もあるのでしょうか。ちょっと気の毒にも思いました。
終演後の聴衆の反応は、「熱狂の日」の最後にふさわしいような熱いもので、一部ではスタンディングすら起きていました。「ミサ・ソレムニス」のような宗教曲で、このようなエネルギッシュな反応には驚かされましたが、確かに強く賞賛したくなるような素晴らしい演奏であったのは事実だと思います。会場を後にして家に着くまで、「サンクトゥス」や「アニュス・ディ」の深い祈りが頭から離れませんでした。コンチェルト・ケルンは意外にも初来日とのことですが、是非また清々しい響きを聴かせていただきたいものです。
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