都内近郊の美術館や博物館を巡り歩く週末。展覧会の感想などを書いています。
はろるど
「屏風というかたちで」/「中岡真珠美展」 東京オペラシティーアートギャラリー 5/3
東京オペラシティアートギャラリー(新宿区西新宿)
「収蔵品展 屏風というかたちで」
「projectN 21 中岡真珠美」
4/8~6/26
「谷口吉生のミュージアム」と同時開催中の展覧会です。大変失礼ながら、このシリーズはいつも流し目で通り過ぎてしまうのですが、今回は興味深く拝見することができました。見応えのある作品ばかりです。
まずは収蔵品展の「屏風というかたちで」です。これは、現代作家による屏風画(日本画)が一同に会した内容となっています。私はいわゆる現代アートで、このような形態の作品を初めて見たのですが、こうしてまとまって展示されること自体が貴重な機会だと思いました。どうなのでしょうか。
会場に並ぶ屏風画はどれも凄まじい存在感です。屏風という特殊な形に魂が吹き込まれると、何故にこうも迫力が増すのでしょうか。細かく書き込まれた可愛らしい魚が、巨大な海中を遊泳する西野陽一の「竜宮」や、ゴツゴツした質感が圧倒的な山口啓介の「RNA World:5つの空5つの海」を前にした時、ただただ唖然と佇むしかありません。屏風は、平面でありながらある意味で立体という特性がありますが、それを生かした表現は無限大に広がりそうです。
「projectN」は、オペラシティーが若手作家を支援する目的で開催しているシリーズです。今回は、1978年生まれで、最近グループ展でご活躍中という中岡真珠美さんの展示でした。彼女の作品は、水色や藤色などの「和」を思わせるような絵の具が、カンヴァス一面に伸びやかに広がっていくものです。所々で光沢感と艶を感じる「色」もありましたが、それはアクリル絵の具を使用した質感とのことでした。また、一見抽象的でありながらも、どことなく具体的な何かに見える気配が感じられます。パンフレットによれば、彼女は写真で風景を撮り、それを「形」に置き換えながらカンヴァスへ移すのだそうです。この行為を「翻訳」と説明されていましたが、その過程で具体と抽象が入り交じるのでしょうか。豊かな想像力を思わせるような作品でした。
谷口展と同じチケットで入場出来ます。(個人的には分けて販売しても良いかとは思いますが…。)建築とはジャンルが異なるせいか、あまり立ち寄っておられる方がいらっしゃいませんでしたが、大変面白い展覧会でした。
「収蔵品展 屏風というかたちで」
「projectN 21 中岡真珠美」
4/8~6/26
「谷口吉生のミュージアム」と同時開催中の展覧会です。大変失礼ながら、このシリーズはいつも流し目で通り過ぎてしまうのですが、今回は興味深く拝見することができました。見応えのある作品ばかりです。
まずは収蔵品展の「屏風というかたちで」です。これは、現代作家による屏風画(日本画)が一同に会した内容となっています。私はいわゆる現代アートで、このような形態の作品を初めて見たのですが、こうしてまとまって展示されること自体が貴重な機会だと思いました。どうなのでしょうか。
会場に並ぶ屏風画はどれも凄まじい存在感です。屏風という特殊な形に魂が吹き込まれると、何故にこうも迫力が増すのでしょうか。細かく書き込まれた可愛らしい魚が、巨大な海中を遊泳する西野陽一の「竜宮」や、ゴツゴツした質感が圧倒的な山口啓介の「RNA World:5つの空5つの海」を前にした時、ただただ唖然と佇むしかありません。屏風は、平面でありながらある意味で立体という特性がありますが、それを生かした表現は無限大に広がりそうです。
「projectN」は、オペラシティーが若手作家を支援する目的で開催しているシリーズです。今回は、1978年生まれで、最近グループ展でご活躍中という中岡真珠美さんの展示でした。彼女の作品は、水色や藤色などの「和」を思わせるような絵の具が、カンヴァス一面に伸びやかに広がっていくものです。所々で光沢感と艶を感じる「色」もありましたが、それはアクリル絵の具を使用した質感とのことでした。また、一見抽象的でありながらも、どことなく具体的な何かに見える気配が感じられます。パンフレットによれば、彼女は写真で風景を撮り、それを「形」に置き換えながらカンヴァスへ移すのだそうです。この行為を「翻訳」と説明されていましたが、その過程で具体と抽象が入り交じるのでしょうか。豊かな想像力を思わせるような作品でした。
谷口展と同じチケットで入場出来ます。(個人的には分けて販売しても良いかとは思いますが…。)建築とはジャンルが異なるせいか、あまり立ち寄っておられる方がいらっしゃいませんでしたが、大変面白い展覧会でした。
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