ウィーンフィルとベルリンフィルの合同演奏会を聴く

速報 ウィーン芸術週間2005 NHKFM(5/18 19:20~)

曲 マーラー/交響曲第6番「悲劇的」

指揮 サイモン・ラトル
演奏 ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
   ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団

こんにちは。

ウィーンフィルとベルリンフィルの合同演奏会を聴いてみました。5月4日にウィーン楽友協会大ホールで録音された演奏です。

ところで、この演奏会は、言うまでもなく両オーケストラにとって初めての記念碑的なイベントです。実現までには多くの紆余曲折があったのではないかと想像できますが、解説の山口真一氏によれば、きっかけはラトルの誕生パーティの席上で出た何気ない話題からとのことです。ベルリンとウィーンの双方を股にかけた指揮者も結構多いと思いますが、この企画を実現にこぎ着けたのはやはりラトルの人望によるものなのでしょう。

演奏は、良い意味でも悪い意味でも中庸だったと思います。当然ながらピッチからして違いますから、ラトルも安全運転になってしまったのかもしれません。第2楽章の情感的な旋律美や、徐々に盛り上がっていきながらハンマーも勇ましかった第4楽章は聴き応えがありましたが、曲をあまり深く掘り下げるような印象がなく終わりました。ラトルとバーミンガムの演奏と比べると、随分と大味な感じがします。もちろん、比べることそのものが野暮なことではありますが…。

第一、第二ヴァイオリンの主席はベルリンフィルから、ヴィオラ、チェロのそれはウィーンから、そしてメンバーもほぼ半分ずつ、さらには公演もベルリンとウィーンの両都市で一回ずつと、全てが半々に分けられた企画だったそうです。伝統と革新を持ち続けた両オーケストラのことですから、どちらかに肩入れをするようなことがあれば全てが駄目になったかもしれません。次回はあるのでしょうか。手慣れていくと、もしかしたら今までにない表現が聴ける演奏になるようにも思いました。
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