「政田武史 New Paintings」 WAKO WORKS OF ART

WAKO WORKS OF ART新宿区西新宿3-18-2
「政田武史 New Paintings」
9/15-10/13

まるで小さな木片を貼り合わせて作ったレリーフのような油彩画です。政田武史の新作個展を見てきました。



ともかく印象的なのはモチーフを象るそのタッチです。政田の絵画はおそらく一種の点描画とも呼んで良いと思いますが、その一つの点は長方形をした、半ば幾何学的な面になっています。そしてその個々の面が、隣り合う面と同系統の色を介しながら、絶妙なグラデーションを描いてモチーフを構成しているのです。また、タッチの間にある小さな余白が、各々の事物を鎖でつなぐかのように緩やかに結んでもいます。表現主義を思わせる鮮やかな色遣いと剛胆なタッチでありながら、不思議と対象が今にも崩れてしまうような『危うさ』を感じるのは、この余白によるものなのかもしれません。

ジャングルへパラシュート降下する様子や、防寒着を身に付け、白い草原を群れながら進む人々の光景などの奇怪なイメージが、先述の特徴的な描写によって不気味に浮かび上がっています。その感覚は、適当なたとえではないかもしれませんが、ブラウン管テレビの映像を走査線が確認出来るほど近づいて見ているかのようです。まさに目に焼きついてきます。

今週の土曜日までの開催です。おすすめします。(10/6)
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