都内近郊の美術館や博物館を巡り歩く週末。展覧会の感想などを書いています。
はろるど
「渡辺豪 鏡面 face」 ARATANIURANO
ARATANIURANO(中央区新富2-2-5 新富二丁目ビル3階)
「渡辺豪 鏡面 face」
9/15-10/20
真っ白な展示室に浮かび上がっているのは、全く無個性で非人格的とも言える「顔」のアップでした。銀座、京橋界隈よりもほど近い、新富町のARATANIURANOで開催中の渡辺豪(1975~)の個展です。
ともかくあまりにも端正なために、かえって不気味にも見えてくる女性のポートレートが強く印象に残ります。それらが大きなライトボックスの中で、前に立つ鑑賞者など視界に入っていないかのように、淡々と目を見開きながらただ存在していました。また肌の白さだけは現実的でありませんが、その質感や眉毛の生え際に唇の皺、それに瞳孔の網膜などは、実在の人物を静止画像として映し出したものと思うほどリアルに出来ています。まるで今にもこの大きな目をまばたきして、口を開けて動き出すかのようです。
実際にこの顔は、渡辺がCGで作成(ただし皮膚だけは実物の画像を加工しています。)してデジタルプリントに起こした作品です。だからこそ、その無表情でかつ生気のない面持ちも納得出来るというものですが、さらにしばらく眺めていると、その顔がまるで近未来の人間の姿を予兆しているようにも思えてきます。白く、それこそ無菌室にでも浮いているような無意思的な顔は、人の動物的な部分が完全に喪失されているのです。
隣室の短い映像作品も見逃せません。こちらはCGで象られた女性が、まるで紙細工の人形を解体していくかのようにバラバラになる過程が映し出されています。目がポンと飛び出して肩が崩れ落ち、足が折れ、最後にはたんなる面と線だけに還元されていきました。
今月20日までの開催です。(10/13)
「渡辺豪 鏡面 face」
9/15-10/20
真っ白な展示室に浮かび上がっているのは、全く無個性で非人格的とも言える「顔」のアップでした。銀座、京橋界隈よりもほど近い、新富町のARATANIURANOで開催中の渡辺豪(1975~)の個展です。
ともかくあまりにも端正なために、かえって不気味にも見えてくる女性のポートレートが強く印象に残ります。それらが大きなライトボックスの中で、前に立つ鑑賞者など視界に入っていないかのように、淡々と目を見開きながらただ存在していました。また肌の白さだけは現実的でありませんが、その質感や眉毛の生え際に唇の皺、それに瞳孔の網膜などは、実在の人物を静止画像として映し出したものと思うほどリアルに出来ています。まるで今にもこの大きな目をまばたきして、口を開けて動き出すかのようです。
実際にこの顔は、渡辺がCGで作成(ただし皮膚だけは実物の画像を加工しています。)してデジタルプリントに起こした作品です。だからこそ、その無表情でかつ生気のない面持ちも納得出来るというものですが、さらにしばらく眺めていると、その顔がまるで近未来の人間の姿を予兆しているようにも思えてきます。白く、それこそ無菌室にでも浮いているような無意思的な顔は、人の動物的な部分が完全に喪失されているのです。
隣室の短い映像作品も見逃せません。こちらはCGで象られた女性が、まるで紙細工の人形を解体していくかのようにバラバラになる過程が映し出されています。目がポンと飛び出して肩が崩れ落ち、足が折れ、最後にはたんなる面と線だけに還元されていきました。
今月20日までの開催です。(10/13)
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