「青山悟 Crowing in the studio」 ミヅマアートギャラリー

ミヅマアートギャラリー目黒区上目黒1-3-9 藤屋ビル2階)
「青山悟 Crowing in the studio」
10/17-11/17



例えばレントゲンの「あるがせいじ展」などと並んで、この秋、一推しにしたいギャラリーの展覧会です。一種の『刺繍画』とも言える細密な表現で他の追従を許さない、青山悟の新作個展へ行ってきました。



まず目に飛び込んでくるのは、お馴染みともなった絵画風の刺繍、計6点です。「Crowing in the studio」と名付けられたそれらの連作は、青山のスタジオを、作中に登場するカラスとともに追っかけて見る構成で展開されています。工業用ミシンのメタリックな感覚から、テーブル足のパイプの質感、それに床の汚れやライトの陰影などの全てが、まさに遠目からでは絵画かCG画とも見間違うような細やかな刺繍で描かれているのです。カラスの黒い羽に模様のようにのびる茶色の部分や、紙に刺繍ドローイングを施す様子なども、もちろん様々な色をとる糸だけで表現されていました。ちなみに上の画像はTABより引用したものですが、これが絵ではなく刺繍であるということからして、いかに青山が興味深い仕事をしているのかが分かるのではないかと思います。彼の魅力を知るのに長々とした説明はいりません。

「刺繍画」の他に、それと連動する形で描かれた「Drawings」シリーズも見応えがありました。これは、例えば上の作品中のミシンで制作されたモチーフをそのままドローイング仕立てに刺繍化したものですが、トイレットペーパーの垂れる様子や、鉛筆にて鉛筆を描くというどこかシュールな構図などが、それこそスケッチ風の味わいにて糸で表現されています。また、このミシンで刺繍を施す様子をアニメーションとして見せるインスタレーションも展示されていました。こういう試みは初めてなのではないでしょうか。

11月17日までの開催です。強くおすすめします。(10/19)
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