都内近郊の美術館や博物館を巡り歩く週末。展覧会の感想などを書いています。
はろるど
「阪本トクロウ展 『呼吸』」 GALLERY MoMo
GALLERY MoMo(港区六本木6-2-6 サンビル第3 2階)
「阪本トクロウ展 『呼吸』」
11/3-12/1(会期終了)
ありふれた風景をモチーフに、自己と世界を透明感に満ちた色彩のアクリル画で描き出す(TABより引用。)という、阪本トクロウの個展です。独特の視点で切り取られた日常のシンプルな一コマが、寒色を基調とするタッチにて柔らかに表現されています。
ありふれた光景と言っても、そのトリミングされた構図はどこか抽象をイメージさせるものです。大きな芝生広場の向こうに連なるかのような家々の景色は、それこそ積み木細工のそれを並べたような味わいを醸し出し、バルコニー方向からアパートを鳥瞰した作品では、幾何学的な箱が単に集合しているだけのようにも見えてきます。簡素な線と、殆どモノクロに近いような落ち着いた色彩が、余計な付属物より除かれた対象そのものの持つ美感を浮き彫りにしているのかもしれません。研ぎすまされた純度の高い、それでいて控えめな美意識を見ることが出来ます。
特に印象深いのは、DMにも掲載された道路の白線だけが捉えられた作品です。横断歩道や右折、左折の指示記号が、グレーと白のソフトなコントラストを描き出しながら象られています。画面には車や人も登場せず、また余白も多く用いられているのに、不思議と孤独感をあまり意識させません。絵よりにじみ出る優し気な雰囲気がそれに優先しているようです。
最終日の駆け込みで観たのでオススメ出来ないのが残念ですが、次回のVOCAへの参加も予定しているのだそうです。またそちらでも楽しめればと思いました。(12/1)
「阪本トクロウ展 『呼吸』」
11/3-12/1(会期終了)
ありふれた風景をモチーフに、自己と世界を透明感に満ちた色彩のアクリル画で描き出す(TABより引用。)という、阪本トクロウの個展です。独特の視点で切り取られた日常のシンプルな一コマが、寒色を基調とするタッチにて柔らかに表現されています。
ありふれた光景と言っても、そのトリミングされた構図はどこか抽象をイメージさせるものです。大きな芝生広場の向こうに連なるかのような家々の景色は、それこそ積み木細工のそれを並べたような味わいを醸し出し、バルコニー方向からアパートを鳥瞰した作品では、幾何学的な箱が単に集合しているだけのようにも見えてきます。簡素な線と、殆どモノクロに近いような落ち着いた色彩が、余計な付属物より除かれた対象そのものの持つ美感を浮き彫りにしているのかもしれません。研ぎすまされた純度の高い、それでいて控えめな美意識を見ることが出来ます。
特に印象深いのは、DMにも掲載された道路の白線だけが捉えられた作品です。横断歩道や右折、左折の指示記号が、グレーと白のソフトなコントラストを描き出しながら象られています。画面には車や人も登場せず、また余白も多く用いられているのに、不思議と孤独感をあまり意識させません。絵よりにじみ出る優し気な雰囲気がそれに優先しているようです。
最終日の駆け込みで観たのでオススメ出来ないのが残念ですが、次回のVOCAへの参加も予定しているのだそうです。またそちらでも楽しめればと思いました。(12/1)
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