バルブステムシール。


俺のサンバー、オイル消費がリッター1000kmペースになってしまっていた。
オイルを食う原因の可能性として、バルブステムシールの摩耗が考えられる。
なので、今回はヘッドを下ろさずに、ステムシールを交換してみよう。
なお、このステムシール、整備書では、INが黒、EXが茶色、となっているが、調達した社外品は全部茶色だった。

サンバーのリアを、高々とジャッキアップ。

このところ休みっていうとエンジン見てるような。

まずエンジンハッチを外して、邪魔になる遮熱板と、プラグを外す。

ヘッドカバーを外す。

EN07CはSOHCだ。

ロッカーアームをシャフトごと外す。
外す前に、クリアランスアジャスターをいっぱいに緩めておく。

カムの山はキレイだ。

バルブスプリングを外すには、こんなツールが定番だが、このタイプはヘッドが外されてないと使えない。

なので、まずは燃焼室に適当な紐みたいなモノを突っ込む。
手頃なロープがなかったので、バキュームホースの切れっ端を使った。
写真では1番と4番に突っ込んでいる。
点火順序が1-3-4-2なので、1が圧縮上死点のとき、2は燃焼下死点、3は吸気下死点、4は排気上死点になるのだ。
バルブロッカーを外しているので、1と4、2と3が、それぞれ同じ位相として扱える。

ピストンを上死点から少し下げて、ホースがバルブの下に入るあたりまでプラグ穴から突っ込んで、ピストンを上死点にする。

バルブの頭。
スプリングリテーナーがバルブから抜けないように、2分割のコッターキーが入っている。
このキーを外せれば、バルブスプリングが外せる。

スプリングリテーナーにディープソケットを当てて、ソケットをハンマーでゴンと叩く。

するとあら不思議、キーがソケット内に落ちて、スプリングが取れるのだ。
このエンジンはバルブスプリングがシングルだ。

スプリングの外れたバルブ。
バルブとピストンの間にホースが挟まっているので、押しても叩いても動かないのだ。

ステムシールを外す。
一応言うと、写真のように指でつまんだくらいでは外れない。

左が新品のステムシール、右が外したやつ。
穴径が明らかに大きくなってしまっている。

シールを外した跡をキレイにしてから、バルブステムにオイルを塗る。
新品のステムシールは、ディープソケットみたいなのを当てて打ち込む。

キレイにしたバルブスプリングに針金を通して、バイスでスプリングを縮めて、針金で締めて固定する。

縮めたスプリングとリテーナをバルブに入れて、コッターキーを入れる。

キーが落ちないように、スプリングごとリテーナをバルブヘッドに引っ張っておいて……。

針金を切る。
指でも挟むと多分かなり痛いので、注意する。

切った針金を引っ張って外す。
バルブスプリングコンプレッサがなくてもノープロブレム。

2番と3番も同様に。

終わったらロッカーを復旧。

バルブクリアランスを調整。

ヘッドカバーのガスケットから漏れたオイルが、4番のあたりでひどく垂れていた。

垂れたオイルは、エンジンとミッションの合わせ目あたりを伝って、オイルパンフランジから垂れ落ちていた。
ガスケットダメだな。

交換しよう。
新品のガスケットセットだが、社外品。

セットの名のとおり、ボルトヘッドの下に入るOリングも入っている。

新品はこんなに分厚かったんだ。
ダメになったやつは、もうヘッドカバーとほぼ面一だったもんな。

ガスケットの当たり面をキレイにして、カムシャフトベアリングの凸部の付け根コーナーに液体ガスケットを塗布し、ヘッドカバーを取り付ける。

ボルトのOリングは、もはや丸くなく、ワッシャーと化していた。
これでオイル消費が改善されるかどうか。良くなってほしいな。

