hiyamizu's blog

読書記録をメインに、散歩など退職者の日常生活記録、たまの旅行記など

横綱の品格とは何か

2007年08月09日 | 世の動向

横綱朝青龍がけがを理由に巡業を欠席したのにモンゴルでサッカーをしていて問題になっている。私には大騒ぎするほどの問題ではないと思えるし、日本相撲協会の処分はこの問題だけに対する処分としては重いと思う。

サッカーしているTVの映像を見る限り、確かにすばやい動きで腰をけがしているようには見えない。しかし、プロスポーツ選手はだれでもけがの1つ、2つ持っており、けがを抱えながらプレーしているのが普通だ。お遊びのサッカーくらいなら腰の疲労骨折であっても可能なのではないだろうか。もちろん、巡業とはいえ体が激突する相撲をとるわけにはいかないとしても。

脱線だが、けがした力士が、けがで十分力を発揮できないし、完治に悪いとわかっていても無理して出場するケースが多いが、私は反対だ。
かって、貴乃花がひざをけがしていて無理に武蔵丸と戦い優勝した。時の小泉総理大臣は優勝杯を渡すときに、「感動した!」と言って、ナイーブというよりnaiveな国民の支持を得た。結局、小泉人気は磐石のものとなったが、まだまだ大横綱への道を進めたはずの貴乃花はけがの悪化で引退し、大相撲人気は下火になってしまった。


また、今回の処分の前提には朝青龍の従来からの行為に関し横綱としての品格を問題としているようにも思える。それならば、問題を起こしたその時点で日本相撲協会から注意なり処分なりがなされるべきである。一人横綱で大相撲を支えているときはだまっていて、白鵬が横綱になったら、厳しい態度をとるのはいかがなものか。

横綱の品格とは何なのか。朝青龍は、たとえば、倒した相手をさらに押したりすることがある。また、必要以上に強い技をかけたり、立会い逃げた相手をにらみつけたりする。
双葉山や、大鵬、白鵬のように受けて立つタイプでなく、比較的小柄で先に攻めて攻めまくり、何もさせないで勝つタイプの朝青龍は、ともかく戦闘意欲を燃え上がらせ、相手を圧倒しなければならない。このため、多少乱暴な行為があったとしても、格闘技の一つにはまちがいない相撲では、ある程度行儀作法に反する行為も許されるべきと思う。

また、心技体で、心というのが、土俵外も含めた人の品格をさすなら、きわめて抽象的なので、具体的に問題点を指摘するべきである。
私には、花田家の相続に関するいわゆる若貴問題のときに見た元横綱貴乃花の態度、言動が品格あるものには見えなかった。立派な横綱とたたえられた人の品格などそんなものだ。

こんな展開になってしまっては、朝青龍が復帰できたとしても、憎憎しいばかりの圧倒的強さで相手をねじ伏せる相撲はもう見ることができないだろう。
なんのかのと、はっきりしないことを言って、結局異質なものを排除する日本的構造がまだまだ健在だ。


コメント (1)
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