小川洋子、岡部恒治、菅原邦雄、宇野勝博著『博士がくれた贈り物』(2006年12月東京図書発行)を読んだ。
東京図書のHPにはこうある。
以下、いくつか取り出す。
初出:2006年1月大阪教育大での「数理科学フォーラム」で行われ、「数学文化」第6号に掲載された。
私の評価としては、★★★(三つ星:お好みで)(最大は五つ星)
小説家と数学者という組み合わせはそれなりに面白いのだが、互いの遠慮からか、インパクトはない。挟まれる22本のコラムの数学者のエピソードもどこかで読んだ話ばかりで、数学そのものの話も大部分は初歩的すぎるし、そうでないのはとても面倒で、読解する気になれない(私には)。
小川洋子(おがわ・ようこ)
1962年岡山市生まれ。早稲田大学第一文学部文芸科卒業。1984年倉敷市で勤務後、1986年結婚、退社。
1988年『揚羽蝶が壊れる時』で海燕新人文学賞受賞
1991年『妊娠カレンダー』で芥川賞受賞
2004年『博士の愛した数式』で読売文学賞、本屋大賞受賞、映画化、第1回日本数学会出版賞を受賞、藤原正彦氏との対談『世にも美しい数学入門』、
『ブラフマンの埋葬』で泉鏡花文学賞
2006年『ミーナの行進』で谷崎潤一郎賞
その他、『カラーひよことコーヒー豆』、『原稿零枚日記』『妄想気分』『人質の朗読会 』『 とにかく散歩いたしましょう 』など。
海外で翻訳された作品も多く、『薬指の標本』はフランスで映画化。
2009年現在、芥川賞、太宰治賞、三島由紀夫賞選考委員。
岡部恒治(おかべ・つねはる)
1946年札幌市生まれ。東京大学理学部数学科卒業、同大学大学院修士課程修了。現在、埼玉大学経済学部教授。専門は位相幾何学(トポロジー)
著書は『マンガ微積分入門』、『考える力をつける数学の本』、『数学脳』など。共編『分数ができない大学生』で日本数学会出版賞を受賞。
菅原邦雄(すがはら・くにお)
1948年豊中市生まれ。京都大学理学部卒業、同大学大学院修士課程修了。現在、大阪教育大学教育学部教養学科数理科学講座教授。専門は微分幾何学。
宇野勝博(うの・かつひろ)
1958年神戸市生まれ。大阪大学理学部卒業、イリノイ大学大学院博士課程修了。現在、大阪教育大学教育学部教養学科数理科学講座教授。専門は表現論。
東京図書のHPにはこうある。
2006年1月、小川洋子と3人の数学者による座談会が大阪教育大学で行われた。本書はそのときの内容を元に大幅に加筆したもの。『博士の愛した数式』が出版されてから現在に至る、数学を取り巻く状況の変化をはじめ、ひたすら考え続ける数学者の研究の仕方や読める人がほとんどいない(?)数学論文、オイラー、エルデシュ、ラマヌジャン、小平邦彦など数多くの数学者の話から、なぜ数学者を主人公にした小説を書いたのか、博士のモデルは誰なのか、さらには小川文学の核心に触れる部分まで、話題は文学と数学の両面で展開する。
以下、いくつか取り出す。
数学は、大人の間では嫌いな科目ナンバーワンとして見られることが多いのですが、純真な小学校低学年では、むしろ好きな科目の中に入っていることが多いのです。数や図形に対する好奇心が本能的なものだからです。(岡部)
((数学が嫌いになった女性は純真さを失っているから?))
(小説は)読者の方を小説の形に引き寄せるのではなく、どんな形の心にも、しなやかに寄り添えるのが、本当の小説です。ある意味、あいまいでなければいけない。(小川)
私は、母親のような気持ちでいつもタイガースを見ていますので、全員けがなくシーズンを過ごせたら、もうそれで十分という、ものすごく謙虚な気持ちで応援しています。(小川)
本当ですか。いつも試合は正座して真剣に見ているという話を聞いていますが。(宇野)
ラマヌジャンやエデシュ、それに今回の博士もそうですが、世間から見ると、彼らが数学者の典型のように思われかねません。小川さんは・・・。(菅原)
・・・数学者の学会というものに初めて参加しましたけれど、やはり、ちょっと見た風景が、自分がいままでに出席したどんな集まりにもない風景でした。何とも言えず・・・・・・。(小川)
((数学が嫌いになった女性は純真さを失っているから?))
(小説は)読者の方を小説の形に引き寄せるのではなく、どんな形の心にも、しなやかに寄り添えるのが、本当の小説です。ある意味、あいまいでなければいけない。(小川)
私は、母親のような気持ちでいつもタイガースを見ていますので、全員けがなくシーズンを過ごせたら、もうそれで十分という、ものすごく謙虚な気持ちで応援しています。(小川)
本当ですか。いつも試合は正座して真剣に見ているという話を聞いていますが。(宇野)
ラマヌジャンやエデシュ、それに今回の博士もそうですが、世間から見ると、彼らが数学者の典型のように思われかねません。小川さんは・・・。(菅原)
・・・数学者の学会というものに初めて参加しましたけれど、やはり、ちょっと見た風景が、自分がいままでに出席したどんな集まりにもない風景でした。何とも言えず・・・・・・。(小川)
初出:2006年1月大阪教育大での「数理科学フォーラム」で行われ、「数学文化」第6号に掲載された。
私の評価としては、★★★(三つ星:お好みで)(最大は五つ星)
小説家と数学者という組み合わせはそれなりに面白いのだが、互いの遠慮からか、インパクトはない。挟まれる22本のコラムの数学者のエピソードもどこかで読んだ話ばかりで、数学そのものの話も大部分は初歩的すぎるし、そうでないのはとても面倒で、読解する気になれない(私には)。
小川洋子(おがわ・ようこ)
1962年岡山市生まれ。早稲田大学第一文学部文芸科卒業。1984年倉敷市で勤務後、1986年結婚、退社。
1988年『揚羽蝶が壊れる時』で海燕新人文学賞受賞
1991年『妊娠カレンダー』で芥川賞受賞
2004年『博士の愛した数式』で読売文学賞、本屋大賞受賞、映画化、第1回日本数学会出版賞を受賞、藤原正彦氏との対談『世にも美しい数学入門』、
『ブラフマンの埋葬』で泉鏡花文学賞
2006年『ミーナの行進』で谷崎潤一郎賞
その他、『カラーひよことコーヒー豆』、『原稿零枚日記』『妄想気分』『人質の朗読会 』『 とにかく散歩いたしましょう 』など。
海外で翻訳された作品も多く、『薬指の標本』はフランスで映画化。
2009年現在、芥川賞、太宰治賞、三島由紀夫賞選考委員。
岡部恒治(おかべ・つねはる)
1946年札幌市生まれ。東京大学理学部数学科卒業、同大学大学院修士課程修了。現在、埼玉大学経済学部教授。専門は位相幾何学(トポロジー)
著書は『マンガ微積分入門』、『考える力をつける数学の本』、『数学脳』など。共編『分数ができない大学生』で日本数学会出版賞を受賞。
菅原邦雄(すがはら・くにお)
1948年豊中市生まれ。京都大学理学部卒業、同大学大学院修士課程修了。現在、大阪教育大学教育学部教養学科数理科学講座教授。専門は微分幾何学。
宇野勝博(うの・かつひろ)
1958年神戸市生まれ。大阪大学理学部卒業、イリノイ大学大学院博士課程修了。現在、大阪教育大学教育学部教養学科数理科学講座教授。専門は表現論。