hiyamizu's blog

読書記録をメインに、散歩など退職者の日常生活記録、たまの旅行記など

柚月裕子『孤狼の血』を読む

2015年12月20日 | 読書2

 

柚月裕子著『孤狼(ころう)の血』(2015年8月27日株式会社KADOKAWA発行)を読んだ。

 

昭和63年、広島。所轄署の捜査二課に配属された新人の日岡は、ヤクザとの癒着を噂される刑事・大上のもとで、暴力団系列の金融会社社員が失踪した事件の捜査を担当することになった。飢えた狼のごとく強引に違法行為を繰り返す大上のやり方に戸惑いながらも、日岡は仁義なき極道の男たちに挑んでいく。やがて失踪事件をきっかけに暴力団同士の抗争が勃発。衝突を食い止めるため、大上が思いも寄らない大胆な秘策を打ち出すが……。
正義とは何か、信じられるのは誰か。日岡は本当の試練に立ち向かっていく―—。

(角川書店の特設サイトより)http://www.kadokawa.co.jp/sp/korou/

 

日岡秀一は、広島大学卒でキャリア、準キャリアへの試験を受けず一般警察官採用試験で警察官になった。交番勤務1年、機動隊2年を経て、昭和63年6月広島県呉原東署捜査二課に配属された。 

上司の大上章吾、通称ガミさんは44歳。丸暴刑事として有名で、受賞歴とともに訓戒処分もトップで暴力団との癒着が噂されていた。

 

違法行為を繰り返し、やくざからの金を受け取る。警察組織から爪弾きされ、落とし込められそうになるが、実績をあげるので誰も辞めさせられない。そんな孤高のマル暴刑事・大上に鍛えられながら、新米刑事・日岡は、対立するやくざ組織に挑む。

 

各章は、日岡の日誌で始まるが、何行も削除されている。削除の理由は最後の最後に明らかにされる。

 

 

初出:「小説 野生時代」2014年3月号~2015年2月号

 

 

柚月裕子(ゆづき・ゆうこ)

1968年、岩手県生まれ。山形県在住。

2008年、『臨床真理』で「このミステリーがすごい!」大賞を受賞してデビュー。

2013年、『検事の本懐』で大藪春彦賞を受賞。

他の著書に『最後の証人』『検事の死命』『蟻の菜園―アントガーデン―』『パレートの誤算』『朽ちないサクラ』『ウツボカズラの甘い息』がある。

「私は21歳で結婚して40歳でデビューするまで、子育て中心の生活をしてきました。弁護士や検事、警察官という特殊な仕事について何も知らないし、知り合いもいません。」とインタビューで語っている。(YOMIURI ONLINE「大手小町」 2015年9月1日)

 

 

私の評価としては、★★★★(四つ星:お勧め)(最大は五つ星)

 

何といっても筋をたがえたやくざを手段を択ばずに追い詰めていく大上刑事の非道な捜査が小気味よい。やくざから金を巻き上げ捜査費に使い、警察幹部の汚点を握って手を出させず、真のやくざとは気脈と情報を共有して、共同戦線を張る。日岡の正体を知りながら後継者に見込んで鍛え上げていく。そして、山場では・・・。

 

 

 

呉原(くれはら)東署

 捜査二課 課長 斎宮

  暴力団係 係長 友竹

       班長 大上章吾

        日岡秀一

       班長 土井秀雄

 

「小料理や 志乃」晶子 45歳

 

明石組

 尾谷組 50名

     組長 尾谷憲次

   若頭 一之瀬守孝

 

仁正会 600名

 五十子(いらこ)会 100名

    会長 五十子正平

 

 加古村組 40名

    組長 加古村 猛

   若頭 野崎康介

瀧井組 80名

   組長 瀧井銀次

  

コメント
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