hiyamizu's blog

読書記録をメインに、散歩など退職者の日常生活記録、たまの旅行記など

滝沢秀一『このゴミは収集できません』を読む

2019年02月02日 | 読書2

 

滝沢秀一著『このゴミは収集できません』(2018年10月30日白夜書房発行)を読んだ。

 

お笑い芸人、マシンガンズ・滝沢が、36歳の時に子どもができた嫁さんから40万円必要だと言われた。定収入を得るために人を頼って、ゴミ清掃員の仕事を始めた。芸人との二足の草鞋だ。そして、ツイートが人気となり本になった。

 

第1章 ゴミ清掃員はつぶやく

イラストと4,5行のツイートが41頁。

 

●通学路を通ると「くせーから早く行けぇ」と悪態をつく小学生は珍しくないが、中には「とっても良い臭いだね~」と嫌味を覚えた小学生もいる。

 

●濡れた畳の重さを皆にも味わってほしい。

 

●不燃ゴミ回収中に、子どものおもちゃがよく誤動作で動くのだが、回転板に飲み込まれていく悲しい歌は聞いていられない。

 

第2章 ゴミ清掃員プロファイラー第3章 ゴミ清掃員、嘘に翻弄される第4章 事件です!!


第5章 ゴミ清掃員、格差を斬る
金持ちでない地域のゴミは、酒とタバコのゴミ、栄養ドリンクが大量に出される。


第6章 ゴミ清掃員のおすすめ物件
ゴミ集積所が汚い場所は治安が悪い。家、アパートを探すときはゴミ集積所を見てみること。


第7章 ゴミ清掃員の花鳥風月!?
ダンボールの上を這った毛虫の跡の粉/棘で皮膚がやられる。雪が降ると白いビニールのゴミ袋が見えず、取り残しになってしまう。春は引越しのダンボール、夏はペットボトル、秋は落ち葉、冬は年末や正月の食べ物ゴミが多量に出て、四季を味わえる。

 

第8章 ゴミ清掃員の一日
6時半の出勤時、アルコール検査がある。(パイロットより厳しいの??)

 

第9章 ゴミ清掃員とゆかいな仲間たち第10章 ゴミ清掃員、無法者を取り締まる

第11章 私、ゴミ清掃員が日本の未来に物申します
(日本人はきちんと分別するし、ゴミ減量化にも熱心だと思っていたが)、日本の一人一年に出すゴミの量は320㎏で世界一。

 

 

滝沢秀一(たきざわ・しゅういち)

1976年東京都生まれ。1998年に西堀亨とお笑いコンビ「マシンガンズ」を結成。

2012年、定収入を得るため、お笑い芸人の仕事を続けながらゴミ収集会社に就職。

著書『かごめかごめ』、Twitter:@takizawa0914

 

 

私の評価としては、★★★★☆(四つ星:お勧め)(最大は五つ星)

 

ゴミ回収、ゴミ清掃員という、必須で身近でありながら全くの黒子で意識することがほとんどないことを取り上げているのが意外性がある。しかもゴミはまさに生活がむき出しになるおもろいテーマだ。

 

著者はお笑いだけあって、語り口がテンポよく、落としどころが明快で、メリハリがある。

 

日本人はマナーがいいと思っていたので、ごく例外はあっても、ゴミ回収のルールはおおよそでは守られていると思っていた。

オーストラリアのパースでは、回収する草木ゴミのまとめ方に実に細かいルールがあり、これは大変だと思って、地元に人に聞いたら、「誰も守りません」の一言だった。彼は日本に住んだことがあって、「日本人とは違います」と残念そうだった。

 

本書を読むと、うっかりミスや誤解ではなく平気でルールを破る輩が続々登場する。まあ、どの国でもそんな人はいるし、おおざっぱに言えば平均的人もほぼ同じということなのだろう。

 

上にも書いたが、日本が世界一ゴミを出しているのには驚いた。確かにプラスチックは多いとは思っていたのだが。もっとゴミ減量のキャンペーンをした方が良いと思う。一人ひとりができることをまずやらないと。例えば、生ゴミの80%は水分だそうだから、生ゴミの水を切るなど。

 

 

 

コメント
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