東野圭吾著『あなたが誰かを殺した』(2023年9月21日講談社発行)を読んだ。
★★★ミステリ、ど真ん中。★★★
最初から最後までずっと「面白い!」至高のミステリー体験。
閑静な別荘地で起きた連続殺人事件。
愛する家族が奪われたのは偶然か、必然か。
残された人々は真相を知るため「検証会」に集う。
そこに現れたのは、長期休暇中の刑事・加賀恭一郎。
――私たちを待ち受けていたのは、想像もしない運命だった。
別荘地での恒例のパーティーに参加しようと集まった15名。次々と事件が起こる。
櫻木家の別荘の庭で櫻木洋一が殺された。
栗原家別荘の近くで的場雅也が刺された。
山之内家の裏庭で鷲尾英輔が殺された。
高塚家別荘居間で高塚桂子が殺された。
栗原家別荘車庫で栗原正則・由美子が殺された。
そして犯人は俺だという男が現れた。名前は桧川大志。動機は死刑になりたい願いと家族への復讐。しかし、犯行の詳細は話そうとしない。桧川は単独犯なのか?
そこで、遺族と付添で検討会を開くことになり、鷲尾春那の友人・金森登紀子が(相思相愛?)の警視庁捜査第一課の加賀恭一郎を推薦した。
・桧川は逮捕覚悟なら、なぜ一部の防犯カメラを無効化したか?
・桧川はパーティー参加者を把握していたのでは?
・遺族に「あなたが誰かを殺した」紙が届いた
等々。
櫻木家
洋一:病院を独裁的に経営。 千鶴:妻。還暦前。
理恵:25歳? 櫻木病院広報室勤務。
的場雅也:理恵の婚約者。櫻木病院の内科医。
山之内家
山之内静枝:不動産経営の夫に40歳前に死別。美貌。別荘でなく本宅として居住。裏庭でパーティーする。
鷲尾春那:昨年結婚。父の妹が静枝。病院勤務の看護師。20代後半?色白美人
英輔:春那の夫。病院勤務の薬剤師。
高塚家
俊策:大きな会社をいくつも経営する会長。 桂子:影の女帝。
小坂均:俊策の会社から引き抜かれ、潰れて出戻った。妻は七海、息子は海斗(小6)
栗原家
正則:父。公認会計士。 由美子:母。青山で美容院を経営。
朋香:一人娘。札幌の寄宿舎付中学3年生。久納真穂が付添。
飯倉家(グリーンゲーブルズ)
長年使用されていない。山之内静枝が鍵を管理。
本書は書下ろし
私の評価としては、★★★☆☆(三つ星:お好みで、最大は五つ星)
私は、パズルのように謎解きを楽しむという本格ミステリーが好きでない。場所は別荘地に限定され、登場人物も少ない単純な舞台の中で、人間関係、性格などの物語に深みを与えるものが少ないので、面白味が少なく、三つ星にした。
トリック自体も特に冴えがなく、最終部の意外な展開も、説得力が弱く、期待外れ。加賀もただ神のように正解を語るのみなので物語に幅がない。