hiyamizu's blog

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『文庫書下ろし Jミステリー2023 spring』を読む

2024年03月25日 | 読書2

 

光文社文庫編集部編『光文社文庫こ1-27、文庫書下ろし Jミステリー2023 spring』(2023年4月20日光文社発行)を読んだ。

 

裏表紙にはこうある。

きらめく日本ミステリーの粋。
今、読みたい執筆陣が揃い立つ!
なぜ、ミステリーはこれほどまでに魅力的なのか。その答えがここにあります。東野圭吾、近藤史恵、真梨幸子、白井智之、阿津川辰海、結城真一郎。名手たちの見逃せない新作書下ろしを収録!唯一無二のアンソロジー、待望の第三弾。

 

東野圭吾を筆頭に、中堅、新人のミステリ作家6名による競演短編集(アンソロジー)。

 

 

(1)東野圭吾(65歳)「相続人を宿す女」

不動産営業の神尾真世は、富永良和朝子夫婦から、5カ月前に事故死した息子・遥人所有のマンションのリフォームを急遽中止したいと言われた。妹・文香は既婚で心臓が悪い子供がいる。その文香が親友の諸月沙智を兄・遥人に紹介して結婚したが、結局離婚してしまった。しかし、離婚した沙智は妊娠していて子供が法定相続人になる予定だという。真世は叔父・武史に相談し、交渉したが、沙智には既に菅沼という交際相手がいて、子供の父親は不明なのに、強硬だった。……そして、意外な結末に!

 

(2)結城真一郎(32歳)「不必要不可欠な殺人」
鷲見春斗、美春兄妹の母は38歳で亡くなり、父勇作は運送会社で忙しく、母の妹・小春が家事手伝いに来ることになった。やがて会社が行き詰まる中、自殺しようとした父を小春が刺殺し、自供して逮捕されたが、理由は語らなかった。……ハルヒコとは?

 

(3)阿津川辰海(29歳)「拾った男」

ミステリー好きなタクシー運転手・朝比奈拓郎は横浜から新宿まで、推理小説家と編集者らしき男女の客を乗せた。男は解答を公募いているミステリーについて朝比奈の知恵を借りたいと、互いを探り合う心理戦が始まる。男は探偵事務所所長で大野、女は助手の美々香。

 

(4)真梨幸子(59歳)「ロイヤルロマンス(外伝)」

早苗の息子は名門KK大学生で、プリンセスのX子さまと熱愛中で、付き合い上、金が必要だとねだってくる。

 

(5)白井智之(33歳)「大きな手の悪魔」

2030年モンゴル国山間部に出現した巨大な構造物に捕らわれ、高次元生物を自称する角の生えた動物に拘束されていて開放された猟師たちは、地球を16のエリアに分け、人類の知能計測を行い、基準を上回れば攻撃を中止するが、そうでない場合にはエリア内のすべての人類を殺害すると伝言された。

 

(6)近藤史恵(54歳)「老いた犬のように」

50代の人気作家・梅田はやさしかった妻の葵に去られ、新しい連載に取り掛かれないでいる。心配した編集者の中村が訪ねてくる。梅田は、25歳の美人のファン・南風と知り合い……。

 

 

私の評価としては、★★★☆☆(三つ星:お好みで、最大は五つ星)

 

統一的なテーマがないアンソロジーはバラバラになってしまう。

 

短篇であるからどうしても、謎解きがメインになる。謎解きがなるほどと思い、面白かったのは、(1)東野圭吾「相続人を宿す女」、(2)結城真一郎「不必要不可欠な殺人」、(3)阿津川辰海「拾った男」。

 

(1)は、多少無理っぽいが意外性もあり、さすが面白く読ませる。

(2)は、強引な理屈付けではあるが、心理など良く書けている。

(3)は、短篇ながら心理戦を繰り広げる二人の男性のキャラが立っていて、会話が楽しめる。

(4)は、よく聞く話で、騙される心理になっとくいかない。

(5)は、宇宙人が強いのか、弱いのか、よくわからない。

(6)は、結局なにも起こらないにでは物足りない。

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