hiyamizu's blog

読書記録をメインに、散歩など退職者の日常生活記録、たまの旅行記など

宮島未奈『成瀬は信じた道をいく』

2025年01月27日 | 読書2

 

宮島未奈著『成瀬は信じた道をいく』(2024年1月25日新潮社発行)

 

新潮社の内容紹介

成瀬の人生は、今日も誰かと交差する。「ゼゼカラ」ファンの小学生、娘の受験を見守る父、近所のクレーマー主婦、観光大使になるべく育った女子大生……。個性豊かな面々が新たに成瀬あかり史に名を刻む中、幼馴染の島崎が故郷へ帰ると、成瀬が書置きを残して失踪しており……!? 読み応え、ますますパワーアップの全5篇!

 

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成瀬あかり:滋賀県大津市生まれ、同市在住。なんでも簡単にできてしまうので、他人に構わずマイペース。口に出して種をまいておくのが大事だということで、いつもスケールの大きなことを言う。それなのに目標達成もたびたびで、天才シャボン玉少女としてローカル番組で名を馳せたこともある。

 

島崎みゆき:生まれついてから成瀬と同じマンションに住む。成瀬を見守るのが己の務めだと考えている。コミュニケーション能力が高く、友人も多い。

 

 

「ときめきっ子タイム」

ときめき小学校の4年生の北川みらいは、ステージ上で「膳所(ぜぜ)から世界へ!」とポーズを決めた高校生の「ゼゼカラ」の二人・成瀬と島崎を見た瞬間、心臓を掴まれてしまった。そこで、みらいなど4人の調査テーマは「ゼゼカラ」についてと決めた。成瀬に関する過去の種々の伝説などが語られる。

 

「成瀬慶彦の憂鬱」

あかりは京大を受験するが、父・慶彦の心配は約1時間で通えるのに、京都に下宿すると言い出すのではないかということだ。そう考えると、あかりの行動のひとつひとつが心配の種になってくる。

 

「やめたいクレーマー」

36歳の呉間言実(くれまことみ)はやめよと思っているのに、店についついクレームをつけてしまう。あかりがアルバイトしている平和堂フレンドマート大津打出浜店では万引きが多く困っている。呉間は、あかりから万引きを見つけたら通報するようにと頼まれ……。

 

「コンビーフはうまい」

母も祖母もびわ湖大津観光大使に選ばれている篠原かれんは、小さい時からそのための訓練を受けてきた。もう一人には成瀬が選ばれた。心得のある篠原は、不愛想な成瀬が心配だ。しかし、成瀬は彼女なりのやり方で……。

 

「探さないでください」

東京の大学に通う島崎みゆきが、大津の成瀬の家を訪れると、「探さないでください あかり」と書置きを残して、あかりの所在が分からないと、とくにお父さんが心配している。スマホは置いて行って、けん玉と観光大使の衣装がない。

 

 

初出:「やめたいクレーマー(「小説新潮」2023年5月号)」)、他は書下ろし

 

 

 

私の評価としては、★★☆☆☆(二つ星:読むの?  最大は五つ星)

 

中学生向けの本だと思う。中学生や高校生ならともかく、大学生になっているのに、話しの世界が小さい。大津に話を限定するならせめてもう少し深いテーマにして欲しい。

 

成瀬のキャラは、確かに日本の女性としては今までにないが、その面白味だけで最後まで読む人は少ない。

なら、売れているのはなんでだと言われると。中高生+普段本を読まない人に人気なのでは??

 

 

宮島未奈(みやじま・みな)

1983年静岡県富士市生まれ。滋賀県大津市在住。京都大学文学部卒。

2021年「ありがとう西武大津店」で第20回「女による女のためのR-18文学賞」大賞、読者賞、友近賞をトリプル受賞。第39回「坪田譲治文学賞」、第21回(2024年)「本屋大賞」受賞。

2023年同作を含む『成瀬は天下を取りにいく』でデビュー。10万部を突破し話題になる。

 

 

・都(京都)から遠い浜名湖は遠江(とうおうみ)、琵琶湖は近いから近江

 

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