これを聞いてジャガイモの品種名だと分かる人はかなり農業に造詣のある人だと思う。先日紹介したセミプロ級のアマチア山岳写真家のSさんが、貸した写真集などの本のお礼だといって昨日頂いたジャガイモの名前だ。
その他にシンシア、アンデス、北むらさき、北あかりという名前のジャガイモを頂いた。全て聞いたことの無い名前だ。彼は薬剤師だが、農家の長男で余暇の農業以上に専門的で色々な品種の芋を有機栽培し、こちらもセミプロ級だ。
この「インカのめざめ」は小ぶりでカレーに合うとのこと。採りたて新ジャガの薄皮をそのまま残して食べるのが美味しいと思っていたが、冷たいところに囲っておくと甘味が増し食べ頃になると教わった。既に小さな芽が出始めているので皮をむいて、しかし切らないで丸ごと食べてもいいという。
早速昼食にカレーライスを作った。ジャガイモを味わう為いつもより沢山、やや大きめに切った。予めよく炒めた玉葱に冷蔵庫に残っていた薄切のロースと人参を一緒に、型崩れしないようやや弱火でじっくり煮た。カレーのルーを少な目にして、コーヒーを少し加え薄いスープもどきに仕上げた。一握りのご飯をお皿の端に盛り付け、残ったスペースにたっぷりカレースープを満たして食べた。
「インカのめざめ」はそんな考慮が不要なくらい主張しており美味しかった。甘く粘りがありどちらかというと栗のような味だった。母は旨いと言ってくれたが、むしろ普通に作ったカレーのほうがもっと美味しかったかも知れない。■